大学費用はいくら貯める?お金のプロが徹底解説! 改修中

子供がいる家庭で、必ず必要になってくる教育費。幼稚園に通い出す3歳ごろから、大学を卒業する22歳ごろまでかかる費用です。
では長きにわたって必要なこの教育費、いったいいくらぐらい必要なのかご存知ですか?今回は教育費の具体的な金額や収入のこと、貯蓄対策などについて解説していきます。子供がいる方や、将来子供が欲しいという方は必見です。
目次
子供を大学に通わせるならいくら必要?


入学前にかかるお金
まずは、大学受験から入学までにかかる費用を確認していきましょう。
全国大学生活協同組合連合会では、新入生の保護者20,347名にインターネット調査を行い、「2020年度保護者に聞く新入生調査」をまとめました。その結果をもとに検証していきます。
インターネット調査の項目は以下の10項目です。
- 出願費用
- 受験費用(交通費、宿泊費など)
- 大学への納付金[入学した大学へ](入学金、授業料など)
- 大学への納付金[入学しなかった大学へ]
- 合格発表や入学手続き費用(交通費など)
- 入学式出席費用
- 教科書など購入費用
- 住居探し
- 生活用品費用
- その他(引っ越し代、予備貯金、お祝い返しなど)
これらを自宅生と下宿生とに分け、それぞれ国立/私立、文系/理工系/医歯薬系でまとめると以下のようになります。
【自宅生】
大学・学部の種類 | かかった費用 |
国立文系 | 1,350,900円 |
国立理工系 | 1,374,200円 |
国立医歯薬系 | 1,491,200円 |
私立文系 | 1,555,200円 |
私立理工系 | 1,977,200円 |
私立医歯薬系 | 2,567,100円 |
【下宿生】
大学・学部の種類 | かかった費用 |
国立文系 | 1,988,000円 |
国立理工系 | 2,040,700円 |
国立医歯薬系 | 2,211,700円 |
私立文系 | 2,232,600円 |
私立理工系 | 2,533,600円 |
私立医歯薬系 | 3,094,700円 |
自宅生では、国立大学のほとんどの学部と私立文系では150万円前後、私立理工・医歯薬系で200万円~250万円程度の費用がかかっています。
また、下宿生は住居費用にかかる金額もあるため自宅生より高額になり、200万円~300万円程度の費用が必要になります。
参考:全国大学生活協同組合連合会「2020年度保護者に聞く新入生調査」
大学に支払うお金
では次に、大学在学中に支払うお金を確認していきましょう。

(円)
学校区分 | 授業料/年 | 施設設備費 | 年間合計 | 在学中合計 |
国立 | 535,800 | - | 535,800 | 2,143,200 |
私立文系 | 785,581 | 151,344 | 936,925 | 3,747,700 |
私立理系 | 1,105,616 | 185,038 | 1,290,654 | 5,162,616 |
私立医歯薬系 | 2,867,802 | 881,509 | 3,749,311 | 22,495,866(※) |
※私立医歯薬系は在学期間6年として計算


【参考】
〇文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
〇文部科学省「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
在学中にかかるお金
大学在学中にかかるお金には、学費のほかにも「交通費」、下宿生なら「生活費」も計算に入れなければなりません。
交通費
交通費は、交通手段によって金額が異なります。
バスや電車で通学する場合は定期券を購入することが多く、そのほかにも駅までの交通手段によって駐輪場、駐車場といった料金がかかります。
また、地方の大学では自動車で通学する方もいますが、車購入代金や維持費、ガソリン代などがかかります。

場合によってはバイクを利用する方もいると思いますので、その場合はガソリン代などが必要になります。
生活費
自宅生には生活費はそれほど大きな出費とはなりませんが、下宿生にとって生活費は大きな負担となります。
家賃や食費、水道光熱費、通信費など毎月10万円程度は必要になり、1年間では110万円~120万円程度の費用がかかります。
参考:独立行政法人日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査結果」
教育費を貯金するなら毎月いくらくらい必要?
先ほどの項目で説明した通り、子供を大学に通わせるには結構なお金が必要になります。
さらに言えば教育費は大学へ進学するときだけでなく、幼稚園から高校までもかかる費用で、それらを加味しながら貯金をしておかなくてはいけません。
そこで毎月いくらくらいの貯金が必要になるかを紹介する前に、まずは幼稚園から高校までの進学に必要な費用を確認しておきましょう。
公立に進学した場合のおおよその教育費
幼稚園(3年間) | 680.000円 |
小学校(6年間) | 1.930,000円 |
中学校(3年間) | 1,430,000円 |
高校(3年間) | 1,350,000円 |
合計 | 5,390,000円 |
私立に進学した場合のおおよその教育費
幼稚園(3年間) | 1,450,000円 |
小学校(6年間) | 9,180,000円 |
中学校(3年間) | 3,980,000円 |
高校(3年間) | 3,110,000円 |
合計 | 17,720,000円 |
参考:文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」
幼稚園から高校まですべて公立に進学した場合、教育費の合計金額はおおよそ539万円かかります。
一方、幼稚園から高校まですべて私立に進学した場合の、教育費の合計金額はおおよそ1,772万円。こうして見ると、大学へ進学するまでにもお金が必要なことがわかりますね。これらの金額に大学に通うときのお金を足すと、以下のようになります。
- (1)【公立に進学した場合のおおよその教育費】+【ケース1】
- 5,390,000円+4,120,000円=9,510,000円
- (2)【私立に進学した場合のおおよその教育費】+【ケース2】
- 17,720,000円+25,075,000円=42,790,000円
(1)で子供が生まれたときから高校卒業までの18年間に教育費を貯蓄するなら、年間約52.8万円、月々なら約4.4万円貯蓄しなくてはいけません。
ちなみに(2)の場合だと、年間約237.7万円、月々なら約19.7万円の貯蓄が必要なのです。
余裕のある貯蓄をしていくなら必要な収入はこれくらい
ベネッセが公表している「学校外教育活動に関する調査」を参考にして、年収ごとの教育費支出をまとめました。
年収300万円世帯 | 小学生 平均7.6% 中学生 平均9.9% 高校2年生まで 平均11.9% |
年収500万円世帯 | 小学生 平均5.4% 中学生 平均7.8% 高校2年生まで 平均9.5% |
年収700万円世帯 | 小学生 平均5.7% 中学生 平均6.7% 高校2年生まで 平均7.7% |
年収900万円世帯 | 小学生 平均5.5% 中学生 平均6.2% 高校2年生まで 平均7.0% |
上記の表から、年収に占める教育費の割合は子供一人あたり5~10%が目安になると考えられます。つまり年収が300万円の世帯なら、教育費の割合は多くても30万円が妥当になるのです。
ここで今一度、子供を大学に通わせるために必要な貯金額を見てみます。
子供がすべて公立に進学した場合は年間約52.8万円、高校まで私立に通い医学系大学へ進学した場合は年間約237.7万円必要でしたね。
どちらかと言うと前者のケースの方が多いので、そちらと比較しながら教育費の話を進めていきます。
子供がすべて公立に進学した場合は年間約52.8万円必要であるということを考えると、年収が500万円ないと貯蓄が難しいという計算になります。
では、年収が500万円あれば、余裕を持って教育費を確保することができるのでしょうか。答えはノーです。なぜならば、子供が増えればその分教育費も必要になるから。
子供が二人いる場合、教育費は100万円程度必要になります。日本のサラリーマンの平均的な年収700万円世帯でさえ、年収の15%を占める年間約100万円の教育費を確保するのは難しいでしょう。
また、食品や生活用品、消費税など様々なものが値上がりしている今、子供が一人しかいない家庭でも余裕のある貯蓄をしていくのは困難です。
以上のことを踏まえると、余裕を持って教育費を貯蓄できるのは年収900万円以上であると考えられます。
貯金が難しい場合に知っておきたい救済策(奨学金,教育ローン)
日本のサラリーマンの平均的な年収は、約700万円と言われています。
ここから食費や住居費などを引くと、毎月教育費を十分に確保するのは難しいかもしれません。
年収が低くい家庭で他の費用を削ってでも教育費を確保している方もいますが、そうすると家計が苦しくなり結果的に不幸になる恐れもあるので、必要以上に無理するのは禁物です。
では、貯金が難しい場合はどうしたらいいのでしょうか。そこで、頼れるのが奨学金や教育ローンなどの救済策です。ここでは、それぞれの救済策についてまとめて紹介しましょう。
奨学金とは
奨学金とは、進学に必要な教育費を支援してくれる制度のことです。奨学金は扱っている団体・制度、返還タイプ、申し込みの資格に種類があるので、ポイントごとにチェックしていきましょう。
ポイント1 奨学金を扱っている団体、制度
奨学金を扱っている団体、奨学金の制度は以下の通りです。
日本学生 支援機構 (旧:日本育英会) | 国の独立行政法人「日本学生支援機構(JASSO)」の奨学金制度。無利息タイプと利息付タイプがあります。 |
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学校独自の 奨学金制度 | 大学、専門学校独自で設けている奨学金制度。2年次以降の学生を対象としているケースが多いのが特徴です。また、入試の際に優秀な成績を修めた受験生には、授業料の一部または全額が免除になる特待生制度を設けている学校もあります。 |
地方自治体の 奨学金制度 | 都道府県や市町村など、地方自治体で独自に設けている奨学金制度。無利息タイプが多いようです。 |
企業・団体の 奨学金制度 | 「あしなが育英会」や財団法人などが設けている奨学金制度。採用人数が少ないので、倍率が高くなる可能性もあります。 |
新聞 奨学制度 | 「新聞奨学会」が運営している奨学金制度。この奨学生は学業と並行しながら、新聞配達や集金などの業務を行います。 |
ポイント2 返還タイプ
奨学金には返還が必要な「貸与タイプ」と、返還が不要な「給付タイプ」があります。貸与タイプは、大学卒業後に分割で返済するのが基本です。
さらに、貸与タイプの中には無利息で借りられるものも。申請には一定の条件があるので、どのタイプに申し込みできるか事前に確認しておきましょう。
ポイント3 奨学金の申し込み資格
奨学金の申し込み資格は制度、または取り扱っている団体によって異なります。
申し込み資格の一例
家庭の状況 | どの種類の奨学金に申請できるかは、世帯主の年収やその世帯全体の収入によって決まります。申請には家計状況を証明するための書類が必要です。 |
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学校の成績 | 高校の成績、または大学在学中の成績などが基準になります。日本学生支援機構奨学金の場合、成績の基準は第一種と第二種によって異なります。在学中の成績を基準にする場合は年度ごとに審査があり、一定の成績を維持することが必要です。 |
資格 | TOEICやTOEFLのスコアが基準値以上ある方、あるいは在学中に指定の資格を取得した人に対して、奨学金を支給する制度もあります。 |
活動成績 | スポーツや海外留学などに関する奨学金の場合、コンテストや大会の出場実績や入賞実績などが考慮される場合があります。 |
出身高校、 居住地域 | 指定の地域に本人(または保護者)が住んでいること、指定の高校の出身者かどうかが条件になることがあります。同じ大学や系列校に姉妹や兄弟がいる、あるいは父母がその大学の出身者である場合に、学費が一部免除になることもあるようです。 |
【教育ローンとは】
教育ローンも奨学金と同じく、進学に必要な教育費を支援してくれる制度のことです。
奨学金は「子供がお金を借りて、大学卒業後に子供自身が返還する」というのが基本的な流れですが、教育ローンは「保護者がお金を借りて返済をする」というのが基本的な流れになります。
この教育ローンは国(日本政策金融公庫)のものと、銀行や信用金庫などの金融機関のものがあるので、特徴をまとめてみました。
国 (日本政策 金融公庫)の 教育ローン | 〈メリット〉 金融機関のものと比べて金利が低い 在学中は元金据え置きや利息のみの返済もできる 〈デメリット〉 年収制限がある 借入限度額が350万円 審査に3週間以上かかることもある |
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金融機関の 教育ローン | 〈メリット〉 審査が速い(1~2週間程度) 収入限度額が500万円以上のところもある 借入れタイプを選べることもある 〈デメリット〉 国のものと比べて金利が高い 翌月から返済がスタートすることも多い |
お金のプロが教える賢い貯金方法や収入の増やし方
まとまったお金が準備できなかった場合は、奨学金や教育ローンに頼る方法もあります。
しかし、利息や返済期間のことを考えると後々負担になるので、できれば自分たちで貯蓄しておきたいですよね。
お金を無理なく貯めようと思ったとき、一番手っ取り早くて簡単な方法は、給料の一部を別口座へ移す方法ではないでしょうか。
しかし、2019年6月現在、普通預金の金利は0.001%ほど。普通預金に100万円貯金していたとしても利息は1年で10円しかつかないのです。
そこでここでは、教育費を賢く貯めるためにできる方法を2つピックアップしました。
保険で教育費を貯める
教育費は普通預金口座に貯める方法以外に、保険を利用して貯蓄していく方法もあります。保険を利用した教育費の貯蓄方法で一般的なのは「学資保険」ではないでしょうか。
この学資保険は進学のタイミングである年にお祝い金、または満期学資金を受け取れるシステムになっています。お祝い金には据え置きができるタイプもあるようなので、そのタイプなら受け取らずに貯蓄として置いておくことも可能です。
さらに、保険を利用した教育費の貯蓄方法として「終身保険」を活用する方法もあります。終身保険は本来、一生涯に備える死亡保険として加入しておく保険です。
しかし、払込期間を短くすると、払込保険料に対しての解約金が多く戻ってくることもあるので教育費の貯蓄として活用できるのです。
副業で収入を増やす
隙間時間を活用して副業をして収入を増やすのも、教育費を確保する方法の一つ。副業によっては、短時間で高収入を得られる場合もあります。
しかし、短時間で高収入を得られるものは、それなりのリスクを伴うことも。安易に始めるのは危険なので、しっかりと下調べをして副業を行うようにしましょう。
また、副業をする場合の注意点もあります。
一つは、本業の会社が副業を容認しているかどうかです。厚生労働省が2018年に公表した「モデル就業規則」にも、所定の届出を会社に事前提出することが必要であると記載されています。
規定を破り副業をした場合は解雇になる恐れもあるので、許可を得てから始めてください。もう一つは、確定申告が必要な場合もあるということ。
本業と副業の年収を合計した金額が一定額を超えると確定申告が必要で、利益が出ているにもかかわらず確定申告しなかった場合は「期限後申告」として取り扱われ延滞税が課せられます。
悪質な税金逃れと思われるとさらに重い税金が課せられるか、最悪起訴される可能性もあるので注意しましょう。
まとめ:教育費がいくら必要なのかを把握して、将来に備えよう!
子供が進学するにあたっての費用や貯蓄の仕方、いざというときの救済策について紹介をしました。
教育費は思った以上にお金がかかるもので、子供が大学に進む可能性があるのならば、いくらかはまとまった資金を貯蓄しておかなくてはいけません。
お金で子供の進路を妨げないように、コツコツと貯蓄しておきたいものですね。
将来必要になる教育費のシミュレーションがしたい場合や貯蓄の方法、救済策について相談したいときは専門家に相談する方法もあるので、ぜひ活用してみてくださいね。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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