女性保険の選び方で気をつけること

結婚や妊娠を機に、保険の加入を考える女性は沢山います。しかし、いざ保険に入ろうと思っても、
「女性保険は似たようなものが多くて選び方がよくわからない」
「そもそも、医療保険と女性保険はどちらを選べばいいの?」
といったような悩みの声が多く上がってきます。確かに、「女性保険」と検索してランキングなどを見てみても、似たような保険ばかりで選び方がわかりにくいというのが正直なところですよね。
そこで今回は、女性保険の選び方として、保険加入を検討するタイミングから、その時々に適した保険の選び方まで細かく解説していきます。
保険の選び方に悩んでいる女性は、ぜひこの記事を参考に保険を選んでみて下さい。
目次
妊娠前・妊娠中・出産後の3つが加入のタイミング
女性保険は、通常の医療保険やがん保険の保障内容に加えて、女性特有の病気に対して手厚い保障を上乗せしてくれる保険です。
よく見られるケースとしては、女性特有の病気で入院した時に、通常の入院給付金に加え「女性入院給付金」という給付金も同時に支給されるような保障内容。
このような上乗せ保障の対象になる女性特有の病気は、乳がんや子宮がん、出産時の帝王切開などの女性ならではの症状が一般的です。また、保険商品によっては、貧血や甲状腺の病気のような女性がかかりやすい病気も上乗せ保障の対象に含まれるケースがあります。
女性保険に限らず、保険の加入や全般的な見直しのタイミングは、ライフステージの変化に合わせると良いとされています。実際、結婚や就職など自分の状況が変化した時に、人生の備えを考える方は多いはずです。
そんな中で女性保険の選び方としては、通常の医療保険よりも妊娠・出産に関わる病気や治療に対してしっかりと備えられるという点から、妊娠・出産を1つの検討ポイントとすると良いでしょう。たとえば、「妊娠前」、「妊娠中」、「出産後」という3つのタイミングがおすすめです。
ここで重要なのは、「妊娠前」も保険加入のタイミングとしてきちんと考えること。
というのも、妊娠中は保険に加入できなかったり、加入できた場合でも保障が十分に適用されなかったりすることがあるためです。これでは、妊娠・出産に備えるために女性保険に加入しても、意味がなくなってしまいますよね。
以上のことから、実際に妊娠したことを保険加入のきっかけとするのではなく、妊娠前から備えを考えておくことが重要なのです。
では、「妊娠前」「妊娠中」「出産後」それぞれのタイミングで、どのような女性保険がおすすめなのか、選び方を詳しく見ていきましょう。
妊娠前の女性保険の選び方
妊娠前の女性保険の選び方として、まずは自分が女性保険に加入する目的を明確にする必要があります。目的によっては、加入するべき保険の選び方が異なるため、まずはしっかり目的を定めることが重要です。
妊娠前の女性の場合、女性保険の選び方の基となる加入目的は、大きく分けると2つでしょう。
①近い将来の妊娠や出産に備えたい
この場合、目的は妊娠・出産になるため、妊娠や出産に対して手厚い保険に注目した選び方が良いでしょう。
通常の医療保険や多くの女性保険では、出産に関しては帝王切開や吸引分娩などが保障の対象で、自然分娩は保障されません。しかし、女性保険のなかには、自然分娩の際にも給付金が支払われる商品があるため、おすすめです。
また、妊娠や出産に備えるためとはいえ、出産後も見据えて保険を選ぶという目線も重要です。というのも、もし出産後に新しい保険に加入し直そうと思っても、出産時に帝王切開などの手術を受けていた場合には、新たに保険に加入する際に部分的に保障がされない「特定部位の不担保」という条件が付く可能性があるためです。
実は、帝王切開も手術の1つであるため、保険加入の際の告知条件である「特定の期間内に手術を受けた」という内容に該当してしまいます。
そのため、もし今の段階では出産に対してのみ手厚い女性保険に加入し、出産後に改めて必要な女性保険に入ろうと思っても、すぐには加入ができない可能性もあります。
このことを考えると、妊娠前からあらかじめ出産後のことまで見据えた選び方をする必要があるでしょう。
とはいえ、主な目的は妊娠・出産なので、まずはこの2つを重点的にカバーできる保険を検討してみるのがおすすめです。そして、そのほかの入院給付金や手術給付金などが最低限備わっているかどうかという点で比較していくと良いでしょう。
②まだ妊娠や出産の予定はなく、働き続けるために女性のリスクや通常の病気・ケガに備えたい
2つ目の目的として挙げられるのは、妊娠・出産の予定はなく、自分が働き続けるために保険に加入をするというものです。
この場合、選び方のメインは医療保障になるでしょう。たとえば、若い間はがんや通常の病気になるリスクは小さいので、医療保障も最低限で問題ない場合が多いです。
ただし、女性特有のがんの場合、若くても罹患リスクは比較的高い点に注意が必要です。また、女性特有のがん、特に卵巣がんや乳がんは遺伝によって発症しやすいということも言われています。(※)
そのため、親族に女性のがんに罹患した人が多い場合には、自分も若い時からしっかりと備えておくと安心と言えるでしょう。
https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/heredity/relationship.html
妊娠中の女性保険の選び方
妊娠中の女性保険の選び方は、やはり妊娠と出産に重点をおくことがおすすめです。先ほどの妊娠前の選び方で説明したように、帝王切開や吸引分娩、また自然分娩も対象になっている女性保険などをチェックしてみましょう。
ただし、ここで必ず注意してほしいのが、「申込みできる期間と保障範囲の制限」です。
というのも、妊娠中は女性保険に申込みすることはできますが、申込みできる期間の制限や、保障範囲の制限があるのです。
一般的には、母子手帳に初回診察記録をされた日から妊娠27週目までであれば、妊娠中でも保険に申込みできるという条件があります。保険商品によっては、妊娠19週目までや、妊娠33週目までなど、条件が変わります。
しかし、女性保険に加入ができても、「特定部位の不担保」という制限が付くことがほとんど。この特定部位の不担保は、特に注意していただきたいポイントです。
特定部位の不担保とは、保険会社が定める期間・条件において、保障が適用されないことを指します。たとえば、妊娠中に女性保険に加入したものの、子宮・卵巣に対して「特定部位の不担保」が付加された場合、切迫早産や帝王切開などの子宮・卵巣に関する治療を受けた場合、給付金が支払われないのです。
これでは、せっかく妊娠や出産のために女性保険に入っても、ほとんど加入した意味がありませんよね。
特定部位の不担保は保険会社によって期間も条件も異なりますが、多くの場合、出産時の帝王切開や切迫早産などは保障の対象から外れてしまうことが多いです。
そのため、妊娠・出産のリスクに備えるには、妊娠中ではなく妊娠前からの備えが最も安全と言えます。
出産後の女性保険の選び方
最後は、出産後の女性保険の選び方。出産後の女性の場合、選び方の前提として、数年間保険に加入できない時期があるかもしれないことに注意が必要です。
先ほども少し説明しましたが、出産時に帝王切開や切迫早産などの手術を受けた場合、新たに保険に加入する際の「所定の期間手術を受けていない」という告知条件に反してしまうのです。
そのため、出産時に医療保障の対象となるような手術を受けた場合には、出産後の保険加入が多少難しくなることを覚えておきましょう。
さて、以上のことを踏まえた上で、出産後の女性保険の選び方を考えてみましょう。ポイントとなる加入目的は、下記の2つが挙げられるかと思います。
①今後の養育費のために、医療保障だけでなく死亡保障もほしい
妊娠・出産というライフイベントの後には、子育てが待っています。母親としては万が一の際にできる限りのお金を残しておきたいと思う方も多いでしょう。そのため、治療費だけでなく死亡保障も付いた女性保険を検討してみる選び方がおすすめです。
女性保険は、基本的に手術や入院、通院に関する保障がベースとなっていますが、保険商品によっては死亡保障特約が付いているものもあるのです。ただし、死亡保障の金額は商品によって大きく変わる点に注意が必要です。
入院給付金の5~10倍ほどの金額しか支払われないこともあれば、200万~300万円ほどの保険金が支払われるケースもあるので、保険商品をよく確認するようにしましょう
また、死亡保障が付いた女性保険は、通常の女性保険よりも保険料が高額になってしまいます。そのため、保障内容と保険料のバランスをよく考えて、子育て中の家計に重い負担がかからない範囲で検討することが大切です。
②仕事に復帰し継続して働いていくため、医療保障を充実させてリスクを減らしたい
2つ目の目的は、自分のキャリアのため、医療保障を充実させてリスクを減らしたい場合。
最近では、子どもを産んでからも仕事を続けていく女性は非常に多いです。子どもや家庭のことだけでなく、自分自身が仕事を続けていくためにも、女性保険の手厚い保障で万が一の際に十分な治療を受けることは非常に大切でしょう。
しかし、充実した医療保障を得るにしても、その時々の生活にあったものを選び、なおかつ定期的に見直していく必要があります。
たとえば、もしこの先大きく生活環境が変わる可能性がないと分かっているのであれば、保障が一生涯続く「終身タイプ」の女性保険にするという選び方がおすすめです。終身タイプは、生涯保険料が変わらないため、若いうちに入っておけば保険料の負担を抑えることができます。
一方、この先また子どもを産むことを考えている場合には、自分の生活環境が変わり適した女性保険も変わるかもしれません。このような場合には、定期タイプの女性保険に加入する選び方が良いでしょう。
定期タイプは、保険期間が10年や15年など一定期間に設定されているため、保険の見直しがしやすいのです。ただし、保険期間が切れてその後契約を更新した場合には、年齢に応じて保険料が上がってしまうため、注意が必要です。
医療保険という選択肢
女性特有の病気に備えるためには、女性保険だけではなく通常の医療保険やがん保険に加入するという選び方もあります。
医療保険の場合、女性特有の病気に罹患した時の上乗せ保障はないものの、通常の入院・通院給付金や手術給付金が支給されます。そのため、最低限の保障は医療保険でも十分得ることができるのです。また、上乗せ保障がない分、保険料が女性保険よりも安いというメリットもあります。
医療保険と女性保険のどちらが適しているのかは、個人の状況によって異なります。
たとえば、今は若く独身だから保障は手厚くなくてよい、とにかく保険料を抑えたいという方は、女性保険よりも医療保険が適しているでしょう。
一方、親族に子宮がんや卵巣がんなどの女性特有の病気にかかったことがある方が多い場合には、女性保険の加入を検討してみると安心と言えます。また、妊娠や出産に不安がある方も、女性保険で適したものを探す選び方のほうが安心するはずです。
とはいうものの、保険料や保障内容のバランスを見極め、自分の状況に応じて医療保険か女性保険かを選ぶのは、そう簡単なことではありません。この2つの選び方に悩んだ場合には、保険代理店のスタッフやFPに相談してみるのも良いでしょう。
保険のプロは、保険料や将来のプランに応じて、最適な保険を選ぶサポートをしてくれます。「この時期だけ一時的に短期の女性保険に加入をしてみては?」など、ライフステージに応じた細かな選び方のアドバイスをしてくれるはずです。
迷った場合には、保険のプロへ相談するという選び方も、選択肢の1つとしておすすめです。
女性保険の選び方は目的とタイミングが大事
今回説明してきた通り、女性保険の選び方は「妊娠前」「妊娠中」「出産後」の3つがポイントです。
特に、妊娠中は加入可能期間や保障内容に制限があること、帝王切開などの手術を受けた場合には出産後の保険加入が難しくなることは必ず覚えておくべき知識です。
保険の加入を考える時、「面倒だから後でもいいか」と後回しにする人も多いですが、女性の場合にはそれは非常に危険です。選び方を考える前に、そもそも保険に加入できなくなるリスクがあることを把握しておきましょう。
また、女性の中には女性保険と医療保険のどちらに加入すべきか迷う人も多いかと思います。保障内容と保険料のバランスをみることが最重要ですが、自分一人ではなかなか選び方が分からないこともあるでしょう。
そのような時には、保険代理店やFPに相談して、保険のプロのアドバイスをもらってみるのもおすすめです。自分に最適な保険の選び方を教えてくれるはずなので、ぜひ活用してみて下さい。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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