がん保険世代別おすすめの加入方法

医療保険の加入率が横ばいのなか、がん保険は右肩上がりで伸びているというデータもあるぐらい重要性が注目されています。
しかし、がん保険を検討している方の中には、正しい選び方を知らない人も多いと思います。
がんの罹患リスクは年齢によって異なり、また必要な保障額も状況によって違うもの。
そのため、一概に「このがん保険や保障内容がおすすめ!」とは言えないものの、がん保険を選ぶ上での注意点やおすすめの保障内容を伝えることは可能です。
そこで今回は、20代から50代までの世代別に、がん保険を契約する際のおすすめの加入方法を解説します。
この記事を読めば、どの年代でどの保障を手厚くするのがおすすめなのかなど、自分にとって最適ながん保険が選べるようになります。
がん保険選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
病気のリスクが高い女性は20代からの加入がおすすめ
20代におすすめのがん保険は、男性と女性で大きく違います。
というのも、女性には女性特有のがんにかかるリスクがあり、20代という若い年齢であってもそのリスクは無視できないためです。
いっぽう、男性の場合、20代のがん罹患リスクが低いため、がん保険の必要性は女性に比べると低いのかもしれません。
がんにかかった場合も公的医療制度によって、自己負担する医療費の金額は3割に抑えることが可能です。
しかし治療期間中に仕事を休まざるを得ず、収入がダウンしてしまうことや、治療によっては高額な治療費がかかることを考慮すると、がん保険に加入しておくことは選択肢の1つ。
20代なら安い保険料で手厚い保障が得られるのでおすすめ。
一方、女性の場合は、20代でも乳がんや子宮頸がんなど女性特有のがんについて考えておく必要があります。
女性特有のがんは10代や20代で罹患する人もいるので、確率的には低いですが、がん保険で備えておいて損はありません。
また、女性特有のがんは、万が一かかった場合、妊娠・出産に関わる器官がダメージを受けてしまいます。
そのため、がん保険などに加入して手厚い保障のもとしっかりと治療をしなければ、将来的なライフプランに大きな影響を与えてしまう可能性もあるのです。
以上を踏まえると、20代でも女性はがん保険の加入を検討してみることをおすすめします。
がん保険の中には、「女性がん特約」という女性向けのがんの保障内容を手厚くする特約もあるので、加入しておくとより一層安心です。
20代は、社会人なりたてのため、貯蓄はまだ期待できないので、がん保険でリスクに備えておきたいところです。
【20代におすすめがん保険ポイント】
- 男性は、治療によって仕事を休まざるを得ない場合に発生する収入ダウンが心配な方。
- 女性は、女性特有のがんリスクを考え、手厚い保障を希望するなら女性がん特約もおすすめ。
30代は手厚い保障がおすすめ
30代は、結婚したり、子どもが生まれたりする年代。
そのため、がん保険も家族のことを考えて加入する必要があります。
もしあなたが家族の生計を支えている場合には、治療費の負担だけではなく、休職し収入が減った時の生活費・養育費についても考慮する必要があります。
子供が小さいなら、大学進学まで多額の養育費が必要になってきます。
この点を考えると、治療に集中できるよう可能な限り手厚い保障をつけておくことがおすすめです。
30代ががん保険を考えるときに特におすすめしたいのが、「がん診断給付金の充実」と「先進医療特約の付加」、「女性特有のがん保障」です。
がん診断給付金の内容を充実させる
がん診断給付金は、がんと診断された時に所定の金額がまとめて支払われる保障で、がん保険のなかでも人気の高い保障です。
がん保険の一般的な給付金は手術後、入院後の後払いであるケースが多いですが、診断給付金は治療前の診断時点で受け取れるのが特徴。
つまり、がん保険の他の保障よりも保険金の受け取り時点が早いということです。
もちろん、通院や入院、手術にかかる治療費は、診断給付金が無くても通院給付金や入院給付金、手術給付金などでそれぞれ対応は可能。
しかし、治療による休職で収入が減った場合、生活費・養育費の負担については、これらの給付金だけではカバーしきれないことが多いです。
そこで役に立つのが診断給付金。
診断給付金は使用用途が自由なので、生活費のカバーにももちろん活用できます。
しかも診断給付金は、50万円~200万円の範囲で設定できる保険商品が多いので、自分の貯蓄状況に合わせて設定することをおすすめします。
一度に、治療前にまとまった給付金を受け取れると精神的にも楽になるのはもちろん、治療にも集中できるので一石二鳥です。
全額自己負担でも安心!先進医療特約の付加
先進医療特約とは、公的医療制度の適用外となってしまう先進医療を受けた時に、自己負担金額と同額の給付金が支払われる特約です。
先進医療とは、厚生労働省によって高い治療効果や安全性が認められているものの、まだ公的医療制度の対象にはなっていない医療技術。
そのため、もしがんになって、先進医療を受けた時には、高額な治療費を自分で負担する必要があります。
先進医療には200万円を超える医療費がかかることも珍しくないので、貯蓄状況によっては他の治療法を選ぶ人もいるかもしれません。
このような時に特に役に立つのが、先進医療特約。
一般的ながん保険なら通算2000万円まで保障してくれるので、1回300万円ほどかかると言われる重粒子線治療にも対応できます。
がん保険の先進医療特約は万が一の時に高額な医療費を補填してくれるにもかかわらず、保険料は安いので人気の高い特約の1つで非常におすすめの特約です。
あると安心!女性特有のがん保障
30代でも、20代と同じく女性向けの保障を手厚くすることがおすすめです。
女性特有のがんの罹患率は30代から増え始めるため、結婚や出産を考える方の多い30代という年代には対策が非常に重要です。
女性向け特約保障のついたがん保険に加入しておけば、女性特有のがんに罹患した場合、通常の2倍の入院給付金が受け取れる商品もありますので、子供がいる家庭でも経済的不安を軽減できるメリットがあります。
ぜひ女性向けがん特約の検討をしてみましょう。
加入するなら終身タイプがおすすめ
20代に増してがん保険の必要性が高まる30代。
ここでがん保険に加入することを決めるなら終身タイプの商品がおすすめです。
がん保険の選び方としては、終身と定期の2種類ありますが、保険料の安い30代で終身タイプのがん保険に加入しておけば、保険料は一生涯同じなので毎月の費用負担が軽減できます。
また、保障も一生涯なので、今後がんの罹患リスクが上がる40代以降も安心。
定期タイプだと、最初は安いですが、保険料が更新時期のたびに値上がりするため、徐々に費用負担が重くなってしまいます。
特に子供の養育費が大きくのしかかる40代や50代で保険料の値上がりは影響は小さくありません。
また、定期タイプのがん保険の場合、保険会社が決めた年齢までしか加入できない商品もあるため、治療が必要な時に保障が受けられないリスクもあるからです。
【30代におすすめがん保険ポイント】
- 医療費の負担と収入減による生活費の圧迫が懸念点。家族の生活を守ることを第一に。
- 診断給付金と先進医療特約がおすすめ。
- 女性は、女性特有のがんについて手厚い保障を検討。
- 一生涯保障が続く終身タイプのがん保険がおすすめ。
40代は真剣に加入を検討する時期
40代は、男女ともにがんの罹患リスクが大きくなってきます。
がん保険は、一度がんにかかってしまうとそのあとには加入が難しいケースもあるため、早めに加入の検討をすると良いでしょう。
40代の場合、働き盛りで収入は30代のころより増えているはずですが、住宅ローンや子供の学費と支出もまた増えている世代です。
したがって、がんになって収入が激減してしまうと、一気に家計が傾き家庭は生活に困窮してしまうリスクが高いです。
もちろん、貯蓄で賄うことができるケースもあるかとは思いますが、できる限り老後資金や子供の学費のために確保しておきたいところ。
そこで、がん保険の保障を手厚くしておくことがおすすめです。
特に、40代で充実させておきたいおすすめの保障が「通院給付金」です。
入院不要の治療に備え通院給付金の充実
以前はがんの治療は入院・手術が主でしたが、最近では医療技術の進歩によって通院だけで治療できるケースも増えています。
収入を減らしたくない、又は減らせないからと、仕事を続けながら通院治療を行うケースも多く見られます。
そのような場合には、がん保険の通院保障を手厚くするのがおすすめ。
通院給付金は、1日当たり5000円~10000円の範囲で設定できるものが多いので、高い金額で設定しておくと良いでしょう。
なお、通院給付金は、現代のがん治療に非常に適した保障内容であるため、手厚い保障を付けている人もいます。
20代など若い時にがん保険に加入した人は、入院や手術がメインの契約内容になっている可能性があるので、この機会に通院保障が手厚い商品に見直すことをおすすめします。
診断給付金と通院給付金はどっちを優先すべき?
30代でおすすめの保障として紹介した診断給付金は、40代のがん保険でもおすすめできます。
では、診断給付金と通院給付金ならどっちが良いかと言えば、どちらを重視するかで変わってきます。
まず、診断給付金は一時金としてまとまったお金を受け取れるので、これを通院治療に充てることも可能です。
しかし、通院期間が長引くと不足してしまうかもしれません。
いっぽう、通院給付金の場合は期間が無制限で支給される商品もありますが、1日の給付額は決まっているので、それを超える治療費が生じた場合は、こちらも不足してしまいます。
よって、選び方としては、まとまったお金を一時に受け取りたい人は診断給付金、長期間の治療リスクに備えたい人は通院給付金となります。
多くのがん保険は、診断給付金と通院給付金は両方保障できるので、上記のメリット及びデメリットを考慮したうえでバランスよく保障内容を設計すると良いでしょう。
【40代におすすめがん保険ポイント】
- 最近は通院でがんを治療することも可能。収入を減らしたくない場合には通院治療を検討。
- 通院給付金は5000円~10000円の範囲が一般的だが、なるべく手厚い保障がおすすめ。
- 通院給付金だと治療額が不足するケースもあるので診断給付金で補填。
50代は貯蓄を考慮して判断がおすすめ
50代~60代は、がんの罹患リスクが一気に高まる年代で、それに伴いがん保険の保険料も高くなります。
月々の負担を考えると、貯蓄状況を確認しながら支払い続けることが可能な保険料で保障をつけておくことがおすすめです。
また、なるべくなら余計な特約を外して保険料を抑えたいとは思いますが、それでも加入しておきたいおすすめの特約を紹介します。
契約するなら複数回診断給付金特約は欲しい
がん保険の複数回診断給付金は、がんが再発したときに、診断一時金が再び支給される特約です。
50代になるとがん罹患リスクが高まるため、実際にがんになることも十分考えられます。
一度がんにかかると、次は再発のリスクが心配ですが、そんな時に複数回診断給付金特約があれば、がんの再発である程度まとまった金額が支払われるため、金銭的な負担や精神的な心配の軽減につながります。
ただし、がん保険によっては特約を付帯しなくても、給付回数が複数回の保障もありますので、保険を検討する際は保障内容をよく確認しましょう。
老後の生活に備え特定保険料払込免除特約
がん保険の特定保険料払込免除特約は、がんの治療が所定の条件を満たしたときに以降の保険料の支払いが免除される特約を指します。
主に、がん治療の長期化が条件となっていることが多いです。
がんの治療が長期化すると、がん治療費の負担が積み重なっていきます。
また、治療費や日々の生活費に加えて、高い保険料も払い続けているわけですから、金銭的な負担は大きいはず。
そんな状況の中で少しでも金銭的な負担が軽減されるのは非常に助かるため、保険料が高額になる50代以降にこそおすすめしたい特約です。
【50代におすすめがん保険ポイント】
- がん罹患リスクが高まる分、保険料も高額になる傾向が。無理なく継続して払える保険料であるか検討が必要。
- おすすめの特約は、複数回診断給付金と特定保険料払込免除特約。がんの罹患・再発の際に金銭的負担を軽減。
子どもにがん保険は必要?
子どものがんと言えば、いわゆる「小児がん」と呼ばれるがんが多いです。
白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫などが挙げられ、特に白血病は小児がんの中でも発症が多い病気になっています。
このような病気に備えて、子どももがん保険に加入しておくべきなのでしょうか?
その答えとして、小児がんの罹患率から考えると、子どもにがん保険はあまり必要ないといえるかもしれません。
というのも、厚生労働省の「小児がん専門委員会報告書(2011)」によると、0歳~14歳まででがんに罹患する確率は、人口10万人に対して9人ほどと、非常に低い確率になっています。
また、小児がんの治療については、国の「小児慢性疾患医療費助成制度」という医療制度によって、医療費の自己負担額がかなりの割合で抑えられているため、治療費の心配もそこまで大きなものにはなりません。
小児慢性疾患医療費助成制度は、世帯の所得に応じて、ひと月ごとの自己負担医療費金額の上限が異なります。
しかし、大体の場合、自己負担額の上限は5000円~15000円ほど。
ひと月あたりの金額をここまで低額に抑えられるのであれば、よほどのことがない限り、治療費についての心配はしなくても問題ないでしょう。
以上の点から、子ども向けのがん保険は加入する必要性は低いと言えます。
がん保険に加入するよりも学資保険などの積立保険を契約して、将来の養育費を貯めておくほうがおすすめです。
がん保険はその時々の状況に合わせて加入が重要
今回は、年代別におすすめのがん保険について説明してきましたが、いかがでしたか?
年代によって経済状況やライフプランも違うため、おすすめのがん保険の保障内容も異なります。
しかし、共通して重要なことは、自分や家族にとって必要ながん保険に加入することです。
今回おすすめした特約以外にも、がん保険の特約は様々な保障が揃っているので、自分に必要な保障内容を見極めながら、がん保険の加入を検討してみて下さい。
とは言っても、がん保険の仕組みは複雑で難しいので、FP資格などを持つ保険のプロに相談したほうが最適な商品を提案してくれ、過不足のない保障でリスクに備えることができます。
医療保険に既に加入している人は、がん保険と上手く組み合わせて最適な保障を提案してくれるはずです。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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