収入保障保険とは?メリット・デメリットから必要性を解説

収入保障保険とは、被保険者が死亡したり、高度障害状態になったりした場合に毎月年金形式で保険金が受け取れる保険商品です。
そこで今回は、毎月年金形式で保険金が受け取れて家族の生活を守れる収入保障保険とは、どのようなものか詳しく解説していきます。
この記事は5分程度で読めます。
目次
万が一の場合に頼れる収入保障保険とは
また、給付金は年金形式で受け取りができるものが一般的ですが、一時金形式で支給されるものもあります。
収入保障保険に加入することで、契約者が死亡した場合に遺された家族の生活を守れ、また、高度障害になった場合に保険期間中に限り、家族だけでなく自分の生活資金も確保できます。
死亡して一定の条件を満たした場合に遺族年金が支給されますが、生活に必要なすべてのお金を遺族年金で賄えるわけではありません。
収入保障保険とは、そうした需要から人気を集めているのです。
また、収入保障保険とは配偶者や子どもなどの家族がいる世帯が加入する保険と捉えられがちですが、独身者の場合も加入メリットが十分あります。
なぜなら、高度障害状態になった場合は外での仕事が厳しくなるからです。
会社を辞める可能性は高く、生活の収入源を失った状態で自分の介護費用も必要になるため、収入保障保険は独身の場合でも加入するメリットがあるのです。
前もって将来のリスクのために準備が必要なため収入保障保険が人気を集めています。
収入保障保険と就業不能保険、所得補償保険の違い
保険の中には、就業不能保険や所得補償保険と呼ばれるものがあります。
これらも、給与のように、年金形式で毎月、保険金が受け取れる保険なのですが、そう聞くと、収入保障保険に似ているように思えます。
しかし、実はこれらの保険はまったく違うものです。
収入保障保険は遺族のため、就業不能保険・所得補償保険は本人のための保障
保険の対象になっている人(被保険者)が亡くなってはじめて保険金が支払われ、保険金を受け取るのは原則、遺族です。
これらの保険は、被保険者は亡くなっておらず、生きているけれど、病気やケガなどで十分に働くことができず、収入がなくなってしまった場合に、保険金が受け取れるという保険です。
- 収入保障保険…被保険者が死亡した場合の、遺族の収入減に備える
- 就業不能保険・所得補償保険…病気やケガでの本人の収入減に備える
就業不能保険と所得補償保険の違いは?
就業不能保険と所得補償保険は、ともに、病気やケガによる収入減に備える保険です。
目的・機能は同じですから、同じものと理解しても差支えありません。
就業不能保険は、働けなくなったときに給付される額をあらかじめ定額で決めて契約するのに対し、所得補償保険は契約前の所得の〇%という形で決めるのが一般的です。
損保会社で扱われる所得補償保険は、働けないことによる損害(所得減)を補償するという考え方であるためです。
どちらも定期タイプの保険ですが、所得補償保険は1年更新が主流で期間が短いです。
よく確認したうえで検討・加入するのが大切です。
収入保障保険のメリット・デメリット
収入保障保険とは、当然のことながらメリットだけでなく、デメリットもある保険です。
どちらもしっかり押さえることで、長期的で確実な資金計画が実現できます。
メリット
収入保障保険とは、次の4つのメリットがあります。
- 給料のように定期的に保険金を受け取れる
- 安い保険料で高い保障を得られる
- 保険料が途中で上がらない
- 合理的にリスク(死亡や高度障害)に備えられる
収入保障保険にはどのようなメリットがあるか、順番に説明していきます。
給料のように定期的に保険金を受け取れる
収入保障保険とは、受取方法が一時金形式での一括受取だけでなく毎月(もしくは毎年)給料のように年金形式で定期的にお金を受け取れる保険商品です。
保険金を一括で受け取った場合、一度に多額の資金が手に入るため、自分で長期間の資金計画を立てる必要があります。
一方、給料のように毎月年金形式で定期的に保険金を受け取った場合は、一度にお金を手にする一括受取と違い、資金管理が容易になります。
安い保険料で高い保障を得られる
収入保障保険とは定期保険の一種でありながら、通常の定期保険よりも毎月の保険料が安いことがメリットです。
ただし、収入保障保険とは定期保険と違い、加入期間中に被保険者が死亡したり、高度障害状態になったりした場合、いつでも同じ金額の保険金を受け取れるわけではありません。
収入保障保険は保険期間が経過するほど、受け取れる保険金が少なくなる特徴があることを覚えておきましょう。
保険料が途中で上がらない
収入保障保険は、生命保険などとは異なり、契約更新がありません。
合理的にリスク(死亡や高度障害)に備えられる
先に紹介した通り、収入保障保険とは保険期間が経過するほど保険金の受取総額が少なくなります。
家族に子供がいる家庭の場合、子供が成長していくにつれて教育費用は少なくなっていき、独立した場合、それほど多くのお金はいりません。
したがって、収入保障保険は保険金額が合理的でありながら、将来のリスクに対する備えができると言えるのです。
デメリット
収入保障保険には、次の4つのデメリットがあります。
- 基本的に満期金や解約返戻金がない
- 満期日が近くなるほど受取総額が少なくなる
- 給付金が雑所得の課税対象になる可能性がある
- ケガや疾病に対する保障がない
収入保障保険にはどのようなデメリットがあるのかを解説していきます。
基本的に満期金や解約返戻金がない
収入保障保険は定期保険の一種であるため、契約途中で解約した場合、満期金や返戻金はほとんどありません。
満期日が近くなるほど受取総額が少なくなる
収入保障保険は、満期日が近くなるほど受け取り総額が少なくなる保険であることがデメリットといえるでしょう。
貯蓄型の保険と違った性質があるので、お金を貯めることを目的に加入するのはやめたほうがいいでしょう。
給付金が雑所得の課税対象になる可能性がある
収入保障保険は、受取方法や受取金額によって税金が発生する可能性があります。
保険金の受け取り時に税金が発生する点は収入保障保険に限ったことではありませんが、場合によっては確定申告が必要になります。
ケガや疾病に対する保障がない
収入保障保険とは、被保険者が死亡したり、高度障害になったりした場合に収入の保障が得られる保険商品です。
したがって、ケガや一般的な疾病に対する保障は得られないので注意してください。
収入保障保険の選び方
最後に、収入保障保険に加入するときに注目すべきことを紹介します。
収入保障保険に魅力を感じていても、選び方や商品内容の意味が分からなければ、なかなか加入手続きまでたどりつけないでしょう。
収入保障保険とは、次のようなポイントに注目して選ぶことが大切です。
- 定額型と逓増(ていぞう)型のどちらにするか
- 毎月十分な保険金額があるか
- 保険金の支払い条件や特約などに納得できるか
上記3点について詳しくみていきましょう。
定額型と逓増型のどちらにするか
定額型とは、毎月同じ額の給付金が受け取れる収入保障保険のタイプです。
収入保障保険で一般的に取り扱われているのは、定額型です。
子供の教育資金は、小中学校よりも高校や大学に入学するときの方が高額になるので逓増型の方がライフプランに合わせやすいと言えるでしょう。
定額型と比較すると、逓増型の収入保障保険のほうが保険料の金額は高くなります。
十分な保険金額があるか
万が一のときに、自分や家族が暮らせる生活資金をきちんとサポートできるだけの保険金額がなければ収入保障保険のメリットを最大限にいかせません。
保険料だけに注目するのではなく、必要な保険金額はどれくらいか検討することをおすすめします。
保険金の支払い条件や特約などに納得できるか
収入保障保険は、他の生命保険と同じく多数の保険会社が取り扱っている保険商品です。
特約などの条件は保険会社によって異なります。
また、設定された期間条件などを満たした場合に、保険料の払込が免除されることがあります。
例えば、三大疾病になった場合に保険料払込免除が適用されることもありますが、保険会社によっては支払い事由に該当しないと判断されることもあるのです。
加入する収入保障保険を選択する場合はつい保険料や保険金額に目が行きがちになりますが、きちんと保険の内容や条件を確認したうえで選ぶことが大切です。
一度収入保障保険に加入した人も定期的な保障内容の見直しが必要になります。
給付金の金額と月々の保険料はいくら必要?
給付金の金額
家族の食費や住居費、子供の教育資金だけでなく、国から支払われる遺族年金も考える必要があります。
月々の保険料
まずは必要な保険金額を考え、そのためには保険料がいくらになるのか、保険会社や保険相談サービスで見積もりを出してもらいましょう。
なお、受け取れる保険金総額に対する保険料の割合で考えるなら、終身保険や定期保険といった他の死亡保険に比べて、収入保障保険の保険料はもっとも割安です。
終身保険や定期保険ですと、保険期間中であればいつ亡くなったとしても、決められた保険金額を受け取ることができます。
それに対して、収入保障保険の場合は保険の対象となる方(被保険者)に万一のことが起こったタイミングによって、受け取れる保険金総額が違います。
- 加入後2年経った時点で被保険者が亡くなった場合、その後8年間、保険金が給付されます。
⇛月額20万円の契約であれば、20万円×12ヵ月×8年=1920万円が受け取れる総額です。
- 一方、加入後9年経った時点で被保険者が亡くなった場合は、その後1年間しか保険金が給付されません。
月額20万円の契約であれば、20万円×12ヵ月×1年=240万円が受け取れる総額ですから、総額に大きな開きがあります。
(保証期間つきの商品・プランは、残り保険期間に関係なく一定期間、保険金が給付されます)
この、保険金総額が時間とともに減っていく性質を考慮して、収入保障保険は他の死亡保険よりも保険料が安く設定されているのです。
毎月の受け取りで税金は発生する?
収入保障保険は毎月給料のように年金形式でお金をもらえますが、受け取り時には税金が発生する場合があります。
冒頭で収入保障保険には受取方法が2種類あると紹介しましたが、年金形式か一時金形式かによって発生する税金の種類に違いがあります。
収入保障保険には、次のような税金が発生する場合があります。
- 雑所得
- 一時所得
年金形式は雑所得になる
収入保障保険を年金形式で受け取った場合は、雑所得として課税されることがあります。
雑所得は税金の中でも所得税の対象に分類され、他の税金と一緒に総合課税で納税額が決定されるのです。
したがって、収入保障保険の受取人に給与所得等の所得がある場合は、雑所得も合算して税金が算出されることになります。
ちなみに、収入保障保険を年金形式で受け取った場合、受取開始の1年目は全額が非課税になります。
一方、2年目以降は課税対象額が段階的に増えていきます。
なぜなら、雑所得の場合は運用益に対して課税されるため、契約期間が長期化するほど運用益が増えていくからです。
一時金形式による一括受取の場合は一時所得
収入保障保険の保険金を年金形式ではなく一括で受け取った場合は、一時所得の課税対象になります。
一時所得とは、先に説明した雑所得と同様に所得税の対象に分類される所得です。
収入保障保険の一括受取を選択した場合、保険金を受け取った年だけ一時所得が発生することがあります。
しかし、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の人数)と死亡保険の非課税枠(500万円×法定相続人の人数)が適用されたるため、収入保障保険の保険金の受取金額がよほど高額でない限り、一時所得が発生する可能性は低いといえます。
ただし、収入保障保険の受取方法を一括にすると、年金形式よりも受取総額が少なくなる場合があります。
なぜ受取方法の違いで受取総額に違いが出てくるかというと、年金形式のほうが受取期間中に保険会社で資金の運用ができるからです。
一括受取は保険金に運用益が含まれないため、年金形式と比べて受取総額が少なくなるという違いがあります。
収入保障保険とは遺族と自分の生活を守る保険
今回は収入保障保険とはどんな保険なのか、メリット・デメリットから必要性を見ていきました。
収入保障保険とは、遺族と自分の生活を守るための対策ができる人気の保険商品です。
しかし、万が一のときに十分な保障を得るためには、自分に合った保険を選択しておく必要があります。
そこで頼りになるのが保険のプロであるファイナンシャルプランナー(FP)の存在です。
FPは収入保障保険だけでなく、保険全般や生活に関わるマネープランについて専門的で幅広い知識を持っています。
無料相談に対応していることも多いので、今回紹介した内容を踏まえて質問や疑問があるなら一度相談してみることをおすすめします。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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