医療保険は比較して選ぶべし!押さえておきたいポイントを徹底解説

多くの医療保険の中から契約する保険商品を選ぶのは、なかなか大変です。営業マンの話に流されて、自分の意向に合わない医療保険を契約するのはもったいないです。
今回は、医療保険を比較するときのおすすめのポイントを具体的に紹介します。自分にあった適切な医療保険を選ぶために、比べ方をしっかり押さえておくことが大切です。
医療保険の知識なあまりにない人にでも内容をしっかり理解できるように、分かりやすく解説するので安心して最後まで読んでみましょう。
この記事は、次のような人にピッタリの内容です。
- 医療保険の加入を検討している人
- 医療保険の比較方法を知りたい人
- 医療保険の保障内容が分からない人
それでは、医療保険を比較するときのポイントをチェックしていきましょう。
医療保険はどんなポイントが比較されている?
この記事では、民間医療保険を比較するときのポイントを詳しく解説します。
医療保険は、健康保険などが含まれる公的医療保険と保険会社が販売する民間医療保険の2つがあります。
諸外国と比べると日本の公的医療保険は充実していますが、より手厚い保障を得るためには民間医療保険を賢く選択する必要があります。
各保険会社からさまざまな医療保険が販売されているので、どれを選ぶべきか迷う人はとても多いです。医療保険を選ぶときは、保険料だけでなく、必要な保障が何かを明確にすることがポイントです。
せっかく料金を支払うのに、必要な保障がなければ万が一の事態に役に立たないのでしっかり確認しなければいけません。
そこで今回は、特に多くの人に選ばれている医療保険の保障・特徴を4つ紹介します。
- 通院保障
- 女性疾病特約
- がん特約
- 緩和型の商品
耳にしたことがある保障もあるかもしれませんが、詳しい内容をチェックしてみましょう。自分の医療保険に必要な保障内容かどうか考えながら見ることが大切です。
保障内容や保険商品が分からなければ医療保険を比較できないので、しっかり理解しましょう。
通院保障
対象の病気やケガになって通院で治療を受ける場合に、保険金が受け取れるのが通院保障です。ただし、病気やケガになって通院するだけではお金が支払われないので、注意が必要です。
通院保障の保険金の支払条件は保険会社や保険商品などによって異なりますが、入院給付金が支払われる入院をした後の通院に対して通院給付金・一時金が出るのが一般的です。
入院前の通院も通院給付金の対象になる保険商品もありますが、ほとんどの医療保険は退院後の通院だけが保障の対象になります。
どちらにしても、単に病気やケガになるだけでなく、医療機関などに入院することが通院保障の支払い対象になっている場合があります。
通院給付金・一時金が支払われる条件は、退院した日の翌日から120日~180日以内の間の通院で、限度日数は30日に限定されるのが一般的です。
通院保障は、通院した日につき5,000円ほど給付金が受け取れる保険商品が多くなっています。
近年の傾向として高齢化に伴い、入院治療から通院治療に切り替わりつつあります。それを証拠に1990年の平均在院日数は44.9日であるのに対して、2017年は29.3日となっていて、年々少なくなっています。
年 | 平均在院日数 |
---|---|
2017年 | 29.3日 |
2014年 | 31.9日 |
2011年 | 32.8日 |
2008年 | 35.6日 |
2005年 | 37.5日 |
2002年 | 37.9日 |
1999年 | 39.3日 |
1996年 | 40.8日 |
1993年 | 41.9日 |
1990年 | 44.9日 |
参考:厚生労働省|平成29年患者調査
もちろん、医療が発展したことも入院期間の短縮に影響していますが、多くの医療機関が通院治療を推進しています。
今後、医療費がさらに勢いを増して増加することが見込まれるため、国全体の流れとして通院治療にシフトする流れもあります。
こうした背景から、通院保障が充実した医療保険を選択する人が増えています。なお、通院保障は次の3種類があります。
- ケガの通院保障
- がん以外の通院保障
- がんの通院保障
どの通院保障を充実させたいかによって選ぶべき保険商品が変わってくるので、自分の意向をあらかじめ明確にしておくことが医療保険を比較する上でひとつのポイントになります。
女性疾病特約
女性疾病特約とは、女性特有の病気になった場合に条件を満たすと保険金が支払われる特約のことです。
特約とは、保険契約の種類のひとつですが、基本の保険契約にプラスして保障を付帯させることを意味します。
基本契約(主契約)に特約を上乗せするためその分保険料が上がりますが、より手厚い保障が受けられ、自分に必要な医療保険を契約できます。
女性疾病特約の対象になる、女性特有の病気には以下のようなものがあります。
- 乳がん
- 子宮がん
- 子宮内膜症
- 卵巣のう腫
- 異常分娩による帝王切開
- 子宮外妊娠
- 子宮筋腫
- チョコレートのう胞
- 卵巣機能障害
- 卵巣がん
- 乳腺症
- 早流産
- 妊娠高血圧症候群
特に、乳がんは女性がかかりやすいがんとして有名です。厚生労働省の患者調査(平成29年)によると、乳がんが原因で入院する人は5万7,000人、外来患者は27万7,000人もいます。
女性の最新のがん統計を見ると乳がんにかかる人が非常に多く、2014年現在で11人に1人の人が乳がんになると言われています。がんになる女性の約20%が乳がんになる計算です。
部位 | 生涯がん 罹患 リスク(%) | 何人に 1人か | 生涯がん 罹患 リスクに 占める 割合(%) |
---|---|---|---|
全がん | 47% | 2人 | 100% |
食道 | 0.5% | 218人 | 1% |
胃 | 5% | 19人 | 10.6% |
結腸 | 5% | 18人 | 10.6% |
直腸 | 2% | 48人 | 4.2% |
大腸 | 8% | 13人 | 17% |
肝臓 | 2% | 55人 | 4.2% |
胆のう・胆管 | 2% | 64人 | 4.2% |
膵臓 | 2% | 42人 | 4.2% |
肺 | 5% | 22人 | 10.6% |
乳房 | 9% | 11人 | 19.1% |
子宮 | 3% | 33人 | 6.3% |
子宮頸部 | 1% | 78人 | 2.1% |
子宮体部 | 2% | 61人 | 4.2% |
卵巣 | 1% | 82人 | 2.1% |
悪性リンパ腫 | 2% | 58人 | 4.2% |
白血病 | 0.7% | 150人 | 1.4% |
参考:国立がん研究センター がん登録・統計|最新がん統計
乳がんの治療のために乳房を取るケースもあります。乳がんが完治した後に乳房再建手術を受ける女性も多いです。
乳房再建術は長い間健康保険が適用になるのは、自家組織による乳房再建のみでした。近年ではインプラントによる乳房再建も保険適用となっており、治療の選択肢は増えつつあります。
入院・手術費用の目安(健康保険、3割負担の場合)
自家組織による再建 | インプラントによる再建 | |
ティッシュ・エキスパンダー(皮膚拡張器)の挿入 | インプラントの挿入 | |
30~60万円 | 10~20万円 | 30万円程度 |
※手術方法、医療機関によって異なります。
ピンクリボンアドバイザー認定試験公式テキスト『ピンクリボンと乳がんまなびBOOK』参考
多くの医療保険やがん特約では、乳房再建手術が保障対象外になっていますが、女性疾病特約では保障対象になっているケースがあります。
女性特有の病気に必要な保障を得るために、女性疾病特約を基本契約に付ける人が増えています。
なお、男性よりも女性の方が発症する確率が高い次のような病気は、保険商品によって保障対象外の場合があるので、加入前に確認する必要があるため注意しましょう。
- 関節リウマチ
- 甲状腺障害
- 膀胱炎
がん特約
先に少し触れましたががんと診断される人は年々増加していて、最近では2人に1人が生涯何らかのがんになるというデータが出ています。がんになる確率が高いことが多くの人に認識されたことで、がん特約を医療保険に付帯する人が増えています。
がん特約は一般的に次の5種類に分けられるので、それぞれの特約について分かりやすく説明します。
- がん診断給付金(一時金)特約
- 抗がん剤・放射線治療特約
- がん入院特約
- がん通院特約
- がん先進医療特約
がん診断給付金(一時金)特約
がん診断給付金(一時金)特約は、がん特約の中で特に重要度が高いです。保険金の支払い条件に該当するがんだと診断されると、一時金が支払われる特約です。
診断された時点で保険金を請求できるので、がん治療にどれくらいの時間がかかるか分からない中、少しずつ貯蓄がなくなる不安を取り除けます。
保険契約期間中の給付金の支払い回数が1回のみに限られるがん特約もありますが、がんの再発に対応した保険商品も増えてきました。
最初にがんと診断されてから2年以上経ってからがんになった場合に、何度でも給付金が受け取れるがん特約もあります。
抗がん剤・放射線治療特約
現在の日本のがん通院治療は、抗がん剤や放射線治療が代表的です。
一般的に、保険適用で高額療費制度を受けても8万円ほどの治療費かかります。
抗がん剤・負放射線治療特約は診断一時金特約などより掛金が低く、月10万円ほどの給付金が受け取れます。
先に説明した通り、入院治療から通院治療にシフトしているので、抗がん剤・放射線治療特約の重要性はさらに高まると言えます。
がん入院特約
がんが原因で入院した場合に1日あたり5,000円ほどの給付金が受け取れるのが、がん入院特約です。
一般的な医療保険では入院日数の限度が60日となっている場合が多いですが、がん入院特約は無制限のものもあります。
ただし、先に説明した通りがんも入院治療から通院治療に切り替わってきています。そのため、重要度としてそこまで高くなく、他のがん特約を検討しているならそちらを優先する方が妥当な判断だと言えます。
がん通院特約
がんだと診断されて入院治療を受けた後に、通院治療をする場合に条件を満たすと保険金が支払われるのが通院特約です。
基本的には入院後の通院が保障の対象ですが、がん通院特約を取り扱う保険会社によってはがん診断後の通院がすべて対象になるものもあります。1回の通院に対して、約5,000円の給付金が受け取れるケースが多いです。
がんに限らず、医療保険の通院保障は次の3つの条件が設定されることが多いです。保険会社・商品によって条件は異なりますが、一般的な内容を紹介します。
日数条件 | 通院保障が受けられる最大日数は60日 |
入院条件 | がんが原因の入院後の退院から1年以内の通院が保障対象 |
治療条件 | 飲み薬の治療通院を除いた放射線や抗がん剤のための通院が保障対象 |
通院保障は他の医療保障と比較すると細かい条件が多い傾向があるので、加入する前にしっかり内容をチェックすることが大切です。
がん先進医療特約
先進医療はがんにかかわるものが多いと言われていて、公的医療保険の適用外である特徴があります。
がん先進医療特約は、がんの治療について先進医療を受ける場合に保険金を受け取れる特約です。
がんに罹患したといって必ずしも先進医療を受けるわけではないですが、次に該当する人はがん先進医療特約を基本契約に付けるといいでしょう。
- 実費負担で先進医療を受けるのが金銭的に不安な人
緩和型の商品
持病などがあって一般に医療保険に加入ができない場合は、緩和型の保険商品を選択する方法もあります。
商品により異なる場合がありますが、緩和型医療保険の一般的なメリットとデメリットは以下の表のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
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一定の事情があっても医療保険に加入できる緩和型ですが、一般的な保険商品より保険料が割高なので注意が必要です。他の医療保険に加入申し込みをして、通常の医療保険契約ができない場合は緩和型の商品を選ぶといいでしょう。
次のような人は緩和型の医療保険を選択することをおすすめします。
- 高い保険料を払うことに抵抗がない人
- 持病などが原因で一般的な医療保険の加入ができなかった人
自分に必要な保障で医療保険を選ぶ
病気やケガが原因で入院したり、手術したりする場合は、予想以上にお金がかかります。
治療にかかる日数が予定より長くなったり、その間仕事に復帰できなかったりなどさまざまなリスクがあるので、必要な保障がある民間医療保険に加入することが大切です。
民間医療保険は非常に多くの種類があるので選択に迷ってしまいがちですが、今回紹介した保障内容を中心にいろいろな医療保険を比較することがポイントです。
単に保険料の安さで選ぶのではなく、将来のリスクに備えられる医療保険を契約することが重要です。
医療保険の人気ランキングから契約する保険商品を選択するのもひとつの方法ですが、自分に必要な保障で医療保険を探すことをおすすめします。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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