【奨学金制度一覧】日本学生支援機構だけじゃない!給付型など返済を考えて奨学金を選ぶ

大学に進学したいけど、経済的に難しい…そんな学生を助けるための奨学金制度。学費の付与や貸付で、学生の学びを支援するものです。
現在大学に通う多くの学生がこの奨学金制度を利用しています。奨学金制度=日本学生支援機構と思い浮かべる人も多いようですが、実はその他にも奨学金制度はあります。
国や地方自治体、民間団体に学校と、奨学金制度を設ける先はさまざま。返済のことも念頭に置いた奨学金制度選びが大切です。
日本学生支援機構の奨学金制度
奨学金制度を利用する学生の多くが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金制度を利用しています。日本学生支援機構の奨学金制度について、詳しく確認していきましょう。
日本学生支援機構とは
2004年に設立された日本学生支援機構は、文部科学省の管轄となる独立行政法人。以前は日本育英会が奨学金事業を行ってきましたが、2004年から日本学生支援機構に引き継ぐ流れとなりました。奨学金制度の運営に加え、留学支援や就職支援などを行っている団体です。
日本学生支援機構奨学金の種類は?
日本学生支援機構の奨学金には、貸与型の第一種奨学金と第二奨学金があります。
第一種奨学は学校の種類や通学環境といった条件により、貸与金額が変動するのが特徴です。
第二種奨学金の場合は学校の種別や通学環境は関係ありません。それぞれの特徴を大学に行くという前提で表にまとめました。
基本情報 | 第一種奨学金 | 第二種奨学金 |
---|---|---|
契約者 | 学生本人 | 学生本人 |
貸与金額 | 月2万~6万4,000円(金額を選択可) | 月2万~12万円(金額を選択可) |
利子 | 無利子 | 卒業後から0.01~0.27% |
予約採用の申込時期 | 高校3年の5月~7月 | 高校3年の5月~7月と10月~11月 |
在学採用の申込時期 | 大学入学後の4月頃 | 大学入学後の4~6月 |
貸与期間 | 在学中 | 在学中 |
第一種奨学金と第二奨学金は、卒業後に学生が返還の義務が発生する貸与型の奨学金。契約者は本人となり、学生本人に返還義務が生じるものです。
第一種奨学金と第二種奨学金の大きな違いは利子で、無利子の第一種奨学金に対して、第二種奨学金は上限3%までの利子がかかります。
どの奨学金を利用することが出来るかどうかの判断は、一定の学力要件や家庭の収入。経済状況が厳しい場合を除き、第一種の申請基準は、高校の成績が5段階評価で3.5以上。貸与金額は家庭の収入によっても変動し、大きな金額になるほど、収入基準は厳しくなります。
それに対して第二種奨学金は成績基準がゆるく、家庭の収入基準が超えてさえいなければ申込可能です。利息の上限は3%と他の借り入れよりも低金利で、在学中に支払いの義務は生じません。
日本学生支援機構のその他の奨学金
第一種奨学金と第二種奨学金の両方の貸与を同時に受ける、併用貸与もあります。学力基準は第一種奨学金と同様ですが、収入基準が最も厳しいのが特徴です。
そのため、併用貸与を利用できるのは、ごく限られた人のみということになるでしょう。
また、入学初年度にだけ借りることのできる、一時金としての奨学金として入学時特別増額貸与奨学金もあります。
第一種奨学金と第二種奨学金とは収入基準が設けられており、入学時となっていますが、支給されるのは進学後。入学費用に充てられないことを覚えておきましょう。
日本学生支援機構と他の奨学金の併用は?
日本学生支援機構は他の奨学金との併用に制限をかけていません。そのため、日本学生支援機構で奨学金制度を利用しつつ、他の奨学金制度を併せて利用することもできます。
私立大学や専門学校に進学する場合、現実的に日本学生支援機構の奨学金だけですべてをまかなうことはできません。家庭の収入では進学の費用の一切を対応できない場合には、併せて他の奨学金制度も視野に入れる必要があるでしょう。
日本学生支援機構のメリットとデメリットは?
日本学生支援機構の奨学金制度、メリットとデメリットについて考えてみましょう。
日本学生支援機構の奨学金制度、メリットは?
日本で多くの学生が利用している日本学生支援機構の奨学金、まずはメリットを見ていきます。
- 経済的に困窮している家庭でも利用できる
- 第一種は無利子、第二種も超低利子(0.01%~0.27%)
- 第二種奨学金の場合、最大で月12万円借入可能
- 在学中は返済する必要がなく、利子も発生しない
- 他の借金と比べると、世間体が気にならない
といったことがあるでしょう。経済的な理由で進学をあきらめてしまうのはもったいないので、進学したい気持ちや将来の展望があるなら、奨学金制度を利用するのもひとつの手段です。
他の借り入れに比べると利子も低く、在学中は返済義務もないため、学生の間はしっかりと勉強に集中することができます。
日本学生支援機構の奨学金、デメリットは?
奨学金を検討する際には、デメリットもきちんと把握しておきたいところ。デメリットとしては、
- 申込みできる期間が限られている
- 日本学生支援機構の奨学金だけでは学費をまかなえない場合がある
- 第一種奨学金と第二種奨学金の併用は審査が厳しい
- 返済期間は最長で20年にのぼることもある
- 貸与開始は大学入学後なので、入学金や前期授業料の支払いに間に合わない
といったことが挙げられます。
気軽に申し込める奨学金ですが、貸与される金額は大きく、返済にかかる年月は最長で20年に及ぶことも。返済のことも考慮して奨学金制度を選択する必要があるでしょう。
大学の奨学金制度
大学や専門学校が独自に奨学金制度を設けているところもたくさんあります。私立大学がメインでしたが、最近では国立大学でも独自の奨学金制度を実施しているところも。特待生という名称を取り入れているところも多いようです。
学校独自の奨学金制度の内容は?
学校独自の奨学金制度は、免除型と減免型があります。入学金や授業料など、支払うべき学費の全部、もしくは一部を支払わなくてもよいとするのが大きな特徴です。
例えば、
- 入学金や授業料の免除
- 成績優秀者への奨学金
- 資格取得に対する奨学金
- スポーツや部活動の成績に対する奨学金
- 1人暮らしサポート
といったものがあります。
また、医療系や看護系の専門学校などでよくみられるのは、返還免除制度です。これは、資格取得後、指定の病院などに一定期間勤務するといった条件で、奨学金の返済を免除するといったもの。人手不足の業界や地方で取り入れられていることが多いようです。
この他にも、学校の特色に合わせた独自のサポートが多種多様。志望校の検討と合わせて奨学金制度を確認しておくのもいいかもしれません。
学校独自の奨学金制度、申込の方法は?
学校独自の奨学金制度は、学校によって申込方法がさまざまです。
特に多いのは、
- 入試の成績で対象者を決める奨学金制度
- 入学後の成績で対象者を決める奨学金制度
- 予約型の奨学金
といったもの。
入試で優秀な成績だった受験生を対象にと特待生制度を設けている学校もあれば、入試とは別途特待生試験などを設け、指定の成績を達成できた人に奨学金対象とする学校もあります。入試での頑張りがそのまま反映されやすく、学費を大きく減少できる可能性も。
入学後の成績で対象者を決める奨学金制度は、1年次の成績を考慮するため、対象は2年次以降の学生が対象になるケースが多いようです。
入学後の申請では、奨学金を利用できるかどうかはっきりしないため、確実に奨学金を確保しておきたい人は不安ですよね。そのため、最近増えているのが、進学前に奨学金の予約ができる予約給付金。学校の合格通知が届いたら奨学金も採用となるため、安心して受験に臨むことができます。
民間企業の奨学金制度
保護者が病気やケガで亡くなった、働けないような障害を負ったなど、大学進学の費用をまかなえない家庭を助けるため奨学金制度を導入している民間企業もあります。
特に困窮した経済状況に陥りやすいのが、一家の大黒柱が亡くなったり働けなくなったりした場合です。自動車を運転する機会の多い成人男性の交通事故の確率は高い傾向に。
そのような不測の事態で学びの機会を失う子どもを救済することを目的として奨学金制度を運営する民間企業団体もあります。
その代表的なものが、
- あしなが育英会
- 交通遺児育英会
のふたつ。無利子で奨学金を貸与してもらうことのできる制度です。
あしなが育英会は、保護者が病気や災害などで亡くなった、後遺症があり働けないなどにより、進学が難しい家庭が対象です。貸与金額は基本的に1ヶ月40,000円、特別枠の場合は50,000円となります。
交通遺児育英会は、保護者が交通事故で亡くなった、後遺症があり働けないなどの理由で進学が難しい家庭が対象。貸与金額は1ヶ月40,000円、50,000円、60,000円の中からいずれかを選択します。
どちらも高校在学中から予約採用の受付があり、学校が推薦する学生を学校経由で申込します。他の奨学金との併用も認められており、進学にかかる費用が足りない場合は複数の奨学金でまかなうこととなるでしょう。
また、どちらも無利子ではありますが、原則として20年以内に返還が必要になります。
自治体の奨学金制度
住んでいる地域の地方自治体が奨学金制度を取り入れているところもあります。基本的には、学生ではなく保護者が住民であることが条件になるケースが多いよう。
貸与型と給付型のどちらもありますが、基本的には貸与型が主で内容もさまざまです。日本学生支援機構やその他の奨学金制度との併用が認められないこともあるため、早い段階で情報収集しておくのが良いでしょう。
自治体の行なう奨学金制度、申込の方法や内容は?
自治体の奨学金制度は、各地方自治体の教育委員会が窓口となるのが一般的。どの地方自治体にも設けられているわけではありません。
まず、住んでいる地域の奨学金制度の有無を確認しましょう。大型都市圏以外の地方自治体は、Uターン促進やIターン歓迎など、地方の人口減少問題の解決策のひとつとして取り入れています。
大学を機に地元から出た学生を呼び戻すべく、Uターンして地元で就職した場合やIターンでその地域にある企業に就職した場合には、日本学生支援機構で貸与された奨学金の返還を肩代わりするといったパターンが多いよう。
制度の有無などをしっかり情報収集した上で、就職活動に臨むのもひとつの手段です。
その他の奨学金制度
その他の奨学金制度についても、確認してみましょう。
新聞奨学生制度
働くことを条件とした奨学金制度が新聞奨学生制度です。大手新聞社が行っており、新聞配達の仕事をすることで奨学金を受け取ることができます。
新聞社が学費を立て替えて支払ってくれる代わりに、新聞配達で得る給与から奨学金分を引いた金額を受け取ることができるというシステムです。
基本的なシステムは同じですが、選ぶ新聞社によって多少の違いはあるよう。通常の奨学金制度は返済がスタートするのは卒業後からになりますが、新聞奨学金制度の場合は学校に在学しているときから返済を続けることになります。
また、奨学生になると新聞販売店の近くに無料の部屋を用意してくれる、食事がついていることもあるなど、生活面もしっかりとサポートしてくれるので安心です。毎月安定した給料を得ながら自立した生活を送ることができるのも、新聞奨学生制度の魅力でしょう。
防衛省の募集する貧費学生
防衛省で毎年募集しているのが貧費学生です。対象となるのは、大学や大学院で医学や歯学、理学、工学を専攻しており、学びを生かして自衛隊勤務の意思がある学生。
採用されると学資金として毎月5万4千円が貸与され、貸与された学資金は自衛官として一定期間勤務することで、返還が免除されます。
まとめ:返還のことまで見据えた奨学金制度選びを
奨学金制度は学生の間のことだけでなく、返還のことまで考えることが大切です。奨学金は他のローンよりも返済の負担が少ない金利になっています。
しかし、受け取る金額の大きな奨学金は、にかかる期間も10~20年と長期にわたることも珍しくありません。奨学金の返済のせいで、将来経済的な負担が重くなってしまうことのないよう、返済のことまでしっかりと考えた奨学金制度選びが大切です。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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