生命保険の種類と保障内容を徹底解説

「生命保険の加入を考えているが、種類が多すぎてどれに入れば良いのかわからない」
このようなお悩みを持った方はいませんか?一口に生命保険と言っても、その種類は様々。死亡リスクに備えるものもあれば、貯蓄に効果的な商品もあります。
はたまた子どものための貯蓄に特化した生命保険もあり、目的によって細かく種類が分けられているのです。
今回は、生命保険について、具体的な種類とそれぞれの特徴について解説していきます。生命保険の種類を知ることで、自分の目的に合った保険商品の選び方が分かるはずです。
それでは、さっそく生命保険の種類について1つずつ見ていきましょう。
目次
生命保険と言えば死亡リスクに備えられる
死亡に備えるための生命保険には、被保険者が死亡した際に保険金が支給される「死亡保険」と「収入保障保険」があります。
死亡保険
死亡保険は、被保険者が死亡した際に所定の保険金が支給される生命保険です。
死亡保険の中でも、保険期間の長さによって、「定期生命保険」と「終身生命保険」があります。
①定期生命保険
死亡保険の中でも、一定の期間のみ死亡保障を受けられる種類の保険です。
10年や20年、もしくは65歳まで、70歳までなどの期間で区切られており、保険期間が満了すると保障も終わりますが、更新をすることで保障を継続することも可能です。
メリット
比較的安い保険料で申込することができます。
また、契約期間をあらかじめ設定できるため、例えば働き盛りの期間のみ、万が一の事態に備えておきたいなど、それぞれの希望に合わせることが可能です。
デメリット
保険期間が満了し、契約を更新する場合、保険料は更新時の年齢で計算されるため、当初加入時の保険料に比べ、保険料が上がります。
また、保険料は掛け捨てタイプが多く、貯蓄性はほとんど期待できません。
②終身生命保険
保険期間に上限が設けられておらず、被保険者が死亡するまで保障が続く生命保険です。
死亡リスクに備えることはもちろん、死亡した時に必ず保険金が支給されることが分かっているので、被保険者が死亡した際の相続税対策にも活用することができます。
メリット
被保険者が亡くなるまで保険期間が続くので、いつか保険金を受け取ることができます。また、途中で解約した場合は、一定の解約返戻金を受け取ることができる種類の保険商品もあります。
デメリット
契約してから早い段階で解約した場合には、解約返戻金がほとんどないか、あってもごく僅かとなってしまいます。途中で解約する可能性が高い場合には、定期生命保険などの種類を選ぶことを検討した方が良いでしょう。
収入保障保険
被保険者の死亡時の保険金を、一定期間分割して受け取ることができる保険です。例えば、給料のように毎月一定額を受け取ることも可能です。
保険期間が一定の期間しかないため、定期生命保険の一種ですが、保険契約時から時間が経つにつれて、保険金額が逓減していく点が大きな特徴です。
契約当初は、被保険者はまだ若く働き盛りでかつ、おそらくお子様も小さいことが想定され、保険金額は高額となっています。
一方、契約後期の被保険者が年齢を重ねた段階では、被保険者のお子様も独立し、そこまで大きな死亡保障は必要ないと考えると、保険金額を逓減させていくことで、通常の定期保険に比べて合理的に保険料を抑えることが可能になります。
メリット
比較的安い保険料で、各家庭のライフプランにあったリスクヘッジができます。
また保険金額は年々逓減していくため、死亡時のタイミングによっては、それほど大きな額を受け取れない可能性もあります。
デメリット
定期保険の一種であるため、貯蓄性はありません。
病気やケガに備えるための生命保険
病気やケガに備えるための保険としては、医療保険とがん保険の2種類が挙げられます。
どちらも所定の病気にかかった時に給付金が支払われるもので、様々な種類の特約を付加することで、保障の対象となる病気や治療の範囲を広げることができます。
医療保険
医療保険は、病気やケガによる入院時に給付金が支払われる保険です。
支払事由に該当する入院をした際に支払われる「入院給付金」と、所定の手術を受けた際に支給される「手術給付金」が主なものとなっています。
特約を付加することによって、三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患:(注)保障の範囲は保険会社によります)や八大生活習慣病((注)保障の範囲は保険会社によります)等の特約を付加することもできます。
特約の種類は保険会社や商品によって異なりますので、様々な保険会社の商品の特約を比較しながら自分にあったものを探すと良いでしょう。
医療保険は、保障期間によって「定期医療保険」と「終身医療保険」の2種類に分けられます。
①定期医療保険
保障が一定期間のみ続く種類の医療保険。
保障期間が満了すると、保険料の見直しをした上で保険契約の更新をすることができます。保険料は掛け捨てタイプで、貯蓄性はありません。
メリット
比較的安い保険料で病気やケガのリスクに備えることができます。
また、保障期間が決まっているので、ご自身の希望に合わせて加入することが可能です。
たとえば、転職したてで貯蓄や収入が不十分な期間や、お子様の教育費がかさむ期間など、もし多額の医療費がかかった場合に家計に大きく負担がかかってしまう期間のみ保障を手厚くするなどの使い方ができるでしょう。
デメリット
定期保険であるため更新の際には、加入時の保険料に比べて保険料が割高になります。
年齢が上がるほど病気やケガのリスクが増えるため、その分保険料も高くなり、また更新時の健康状態によっては更新の条件が厳しくなることもあります。
②終身医療保険
終身医療保険は、一生涯の保障が続く医療保険です。
年をとれば病気やケガのリスクが高くなるため、一生涯保障が続くことで安心が得られることでしょう。
メリット
一度加入すれば、一生涯変わらない保険料で保障が続きます。
どんなに年齢が上がり病気やケガのリスクが上がっても、保険料が上がることもありませんし、契約が有効に継続する限り保障が途中で切れることもありません。
デメリット
一生涯保障が続くため、定期医療保険に比べて保険料は割高です。
また将来、日本の医療制度が変わり、医療費が高額になった場合には、契約した保障内容や特約だけでは保障が十分ではなくなる可能性があります。
がん保険
がん保険は、医療保険の中でもがんに特化した保険です。
がんになった場合に、所定の給付金を受け取ることができます。
がんと確定診断された場合に一時金を受け取れるものや、がん入院や通院、がん治療に対して給付金が受け取れるものなど様々です。
メリット
一時金で給付されるタイプの保険では早い段階から治療の準備をすることができます。
また、様々な特約をつけることでがんに対してより手厚く備えることが可能になります。
デメリット
がん治療に特化した保険なので、他の病気やケガのリスクには備えることができません。
女性特有の病気に手厚い種類の生命保険
医療保険の中には、「女性保険」と呼ばれる女性特有の疾病に手厚い保障がある保険があります。
一般的な医療保険に、女性疾病特約が付加されているタイプのものがほとんどで、医療保険やがん保険の種類の1つとされています。
乳がんや子宮頸がんなど、女性特有の疾病リスクをカバーする保障内容になっており、通常の医療保険よりも手厚い保障を受けることが可能です。
また、妊娠・出産に関しても保障の対象となるケースがあり、重度のつわりや帝王切開についても給付金が支払われるものもあります。
女性特有の疾病に手厚い女性保険について知っておくべき点として、たとえば子宮頸がんや乳がんなどは女性特有の疾病ではありますが、一般的な医療保険やがん保険でも保障の範囲であることが多いです。
そのため女性の方が必ずしも女性保険に入らなければいけないわけではありません。
女性特有の疾患について保障を手厚くしたい場合に、女性保険の加入を検討しましょう。
女性保険
乳がんや子宮頸がんなど、女性特有の疾病リスクをカバーする保険内容になっており、通常の医療保険よりも手厚い保障を受けることが可能です。
また、妊娠・出産に関しても保障の対象となるケースがあり、重度のつわりや帝王切開についても給付金が支払われる種類の保険もあります。
このように女性向けの保障が充実している女性保険ですが、女性特有の疾病、たとえば子宮頸がんや乳がんなどは、通常の医療保険でもある程度は保障されます。
そのため、女性であれば必ず女性保険に入らなければいけないわけではありません。女性特有の疾病について保障を手厚くしたい場合に女性保険の加入を検討しましょう。
メリット
妊娠・出産トラブルも保障の対象となる場合があるため、女性のライフステージに合わせて加入を検討できます。
通常の医療保険では妊娠や出産は保障の対象とならないことがあるので、女性保険の大きな特徴と言えるでしょう。
デメリット
特約を付加して保障が手厚くなる分、特約を付加しない一般的な医療保険よりも保険料が割高になります。
積立型の種類は老後の生活資金にも備えられる
最初に、生命保険の「万が一の死亡リスクに備える」機能を持つ保険を紹介しましたが、ここからは生命保険のもう1つの機能である「貯蓄性」を活かした生命保険について説明していきます。
貯蓄効果のある生命保険として、保険料を積み立てることができる「養老保険」と「個人年金保険」の2種類が代表的です。
どちらも、生存したまま所定の時期を迎えた時に一定の金額を受け取ることができます。
養老保険
養老保険は、死亡時と生存時のどちらの場合にも保険金を受け取ることができる「生死混合保険」と呼ばれる種類の生命保険です。
保険期間はあらかじめ定めることができ、保険期間中に被保険者が死亡した場合には死亡保険金が支払われ、死亡せずに満期を迎えた場合には、死亡保険金と同額の満期保険金が支払われます。
メリット
契約時に満期保険金として受け取ることができる金額が明確になるため、将来の貯蓄目標額に見合った設計をすることが可能です。
デメリット
貯蓄性がある保険のため、定期保険等と比較して保険料が割高となります。
また、満期前に解約した場合、当然ながら、契約時の満期保険金の満額を受け取ることができなくなります。
個人年金保険
個人年金保険は、満期時に、積み立てた保険料を年金の形で受け取ることができる生命保険です。
主に、老後の生活資金を確保する目的で加入する方が多いです。
受け取ることができる年金は、受取期間が10年や20年などと定められている「確定年金」、死亡するまで受取期間が続く「終身年金」などがあります。
個人年金保険は、将来支給される年金の額が一定の「定額型年金保険」と、積み立てた保険料を原資として運用し、その運用結果によって支給される年金額が変わる「変額型年金保険」の2種類に分けられます。
変額型年金保険は、運用がうまくいけばより多くの年金を受け取ることができますが、運用結果が悪かった場合には年金支給額が減ってしまうリスクもあるため、将来のリスクを検討した上で加入するようにしましょう。
メリット
老後の生活資金を計画的に準備することができます。
デメリット
変額型年金保険を選んだ場合、運用結果が悪ければ当初予定していた年金額より少なくなるリスクがあります。
子どもの教育費に備える貯蓄型もあり
「子どもの教育費」を目的とした「学資保険」、子ども自身に保障を持たせる「こども保険」があります。
学資保険
学資保険は、主に子どもの教育資金を準備しながら、世帯主の万が一に備えるための保険です。
毎月保険料を積み立て、所定の時期に進学準備金や満期学資金を受け取ることができ、世帯主の万が一にも備えられます。
メリット
契約時に学資金を受け取るタイミングを設定できるので、まとまった入学費用が必要な高校・大学入学時に合わせて計画的に資金を準備することが可能です。
デメリット
契約後に学資金を受け取るタイミングをずらすことができないため注意が必要です。
こども保険
こども保険とは、主に子どもの病気やケガ、死亡に備えて加入する生命保険です。
また、子どもの教育資金を積み立てる学資保険の機能を備えたこども保険もあり、保険会社によっては「学資保険」を子ども保険と呼んでいることもあります。
こども保険にも定期タイプと終身タイプの2種類があり、終身タイプは保険料が高額な代わりに保障が一生涯続きます。
メリット
小児期に大病を患うリスクに備えることができるだけでなく、将来お子様が保険に入れなくなるリスクにも備えられます。
たとえば、子どものころにかかった病気のために、大人になった時に生命保険に加入することが難しくなる場合もあるため、健康なうちに加入しておくことで一生涯の安心を得られるメリットがあります。
デメリット
子どもが大きな病気にかかったとしても、国の医療費助成制度でカバーできる部分が大きいため、わざわざこども保険に加入しなくてもよい、と考える方もいるようです。
自分の目的に合った種類を選ぼう
ここまでいくつかの生命保険や医療保険を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
生命保険には、万が一のリスクに備える機能と、貯蓄性という2つの機能があります。
保険の種類によっては、特定の機能に特化している保険商品もあるため、自分の目的に合わせて最適な保険を選ぶことがポイントです。
また、一度保険に加入すれば、そのあとはずっとそのままでよいかというとそうとも言いきれません。
ライフステージによって保険の加入目的は変わってくるので、今の保障内容がご自身に合っているかどうか、知識が豊富なお金のプロに相談をしてみてはいかがでしょうか。
収入や年齢および家族構成を含めて必要な保障額などをシュミレーションしてくれるので非常に参考になります。
ぜひ定期的に、保険のプロの意見を参考にしながらご自身でも保険の見直しをすることをおすすめします。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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