生命保険の基本と押さえておくべき保障内容を解説
就職や結婚・出産など、人生の大きな節目に何かと加入をすすめられる「生命保険」。
そこで、今回は「生命保険とは何か?」という点に注目して、中学生でも理解できるよう分かりやすく解説します。
ただ加入するだけでは十分とは言えず、収入や家族構成などを考慮して、過不足なく設定した保険でないと意味がありません。
目次
生命保険とは
生命保険は、毎日の生活の中における病気やけが、介護などの経済的負担や、自分にもしものことがあった場合に残された家族の生活を守るために備えておく手段のひとつです。
生命保険加入率は男女ともに80%超
生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険加入率は男性で81.1%、女性で82.9%で、男女ともに80%以上にのぼっていることがわかります。
<生命保険加入率>
男性
女性
年代別に見てみると、20歳代は男女ともに加入率は60%弱ですが、30歳代になると82%を超え、40歳代で90%前後となり加入率はピークを迎えています。
【参考:生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」】
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/provision/8.html
生命保険と貯蓄の違い
「貯蓄は三角、保険は四角」という言葉を聞いたことはありませんか?
貯金は通常、毎月(毎年)コツコツと積み立てていくものなので、右肩上がりの三角形になりますね。
しかし、災害や事故といった万が一のケースは、十分な貯蓄ができてから起きるとは限りません。
まだ十分な貯蓄がない段階で万が一のことが起きてしまうと、保障が全く足りないということもあり得ます。
一方、生命保険は保険期間の開始から終了まで一定した保障を受けることができるので、形としてはどっしりと安定した四角形になります。
「主契約」と「特約」で成り立っている
生命保険は、「主契約」と「特約」のふたつから成り立っています。
- 主契約…生命保険の基本となる保障で、単体でも契約することができます。
- 特約…個々のニーズに合わせて主契約で不足している保障を個別に付けることができる契約で、単体では契約できず主契約に付帯する形で契約します。
そのため、主契約が満期日を迎えたり、解約したりしたときは、特約も同時に満期や解約となり、契約はそこで終了します。
生命保険の仕組みと必要性
生命保険とは、互いが助けあう”相互扶助”という仕組みで成り立っています。
保険契約者全員が保険料を出し合うことで、病気やケガで死亡した人に対して支払われる保険金が用意されるのです。
この仕組みをわかりやすくご説明しましょう。
大勢の人がお金を出し合うことで保険金が準備できる仕組みとは?
人が亡くなると、以下のようなお金が必要です。
- 残された家族の生活費
- 葬式費用
仮に、ある人が亡くなったときに、残された家族には3000万円が必要だとしましょう。
この家族はもしもに備えて3000万円を準備しておかなくてはいけませんが、毎月、貯蓄に回せるのは2万円くらいしかないとしたら、どうなるでしょうか。
もしも、かなり頑張って月に10万円、年間で120万円を貯蓄できたとしても、3000万円貯まるのは25年後です。
あまり現実的ではありませんね。
たくさんの家族が、それぞれ月に2万円を出し合って、全家族が出したお金を貯めておくのです。
1000組の家族がいれば、ひと月だけで2000万円が集まるため、この仕組みを25年間続ければ60億ものお金になる計算です。
そして、この25年間のうちに、不幸にも大黒柱が亡くなってしまった家族に対して、集めたお金から3000万円を支払います。
人はいつか亡くなりますが、たいていはもっと歳をとってからです。
1000組の家族がいても、その中から25年間のうちに亡くなる人が出る確率はそう高くないので、みんなから集めたお金は足りるでしょう。
これが、相互扶助による生命保険の基本的な仕組みです。
保険の必要性とは?
もしもの場合に必要なお金が、すでに手元にあるという場合は保険を準備する必要はないとも言えますが、なかなかそれだけの貯蓄がある人はいないでしょう。
もちろん遺族年金など、公的な社会保険制度から用意できる部分もあります。
しかし、必要な額は家庭によって異なり、すべてを社会保険でまかなえるとは限りません。
解説したとおり、多額のお金を貯蓄で準備するのは時間がかかりますし、起こるかどうかわからない出来事に備えるお金は、保険で対応するのが適していると言えます。
生命保険の種類と保障内容
生命保険とは何かという基本的な部分がわかったところで、ここからは、生命保険の保障内容について種類別に詳しく見ていきましょう。
生命保険の3種類(死亡保険、生存保険、生死混合保険)の特徴は全く異なります。
死亡保険
被保険者が死亡もしくは高度障害状態になった場合に、保険金が支払われる死亡保険は、保険期間によってさらに2種類に分類することができます。
- 終身保険
- 定期保険
終身保険
終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険です。
保障期間が長い分保険料も比較的高額ですが、保障期間のうちは保険料が上がることはありません。
もし死亡保障が必要なくなった時には、解約して解約返戻金を老後資金に利用するなど、ライフプランに合わせて柔軟に活用できる点が終身保険のポイントです。
定期保険
定期保険は、一定の期間のみ保障が続く生命保険です。
たとえば、10年間、20年間などの期間が定められ、この期間を過ぎると「契約更新」という形で再度生命保険を契約します。
保険料は比較的安めですが、同じ保障内容で契約更新をすれば、保険料が段々上がっていきます。
また、保険料は「掛け捨て」なので、貯蓄効果はありません。
生存保険
生存保険とは、被契約者が保険契約期間の満了まで生存していた場合に保険金が支払われる保険です。
- 個人年金保険
- 学資保険(こども保険)
個人年金保険は、被契約者があらかじめ決めた年齢になった時から、年金を受け取ることができる保険です。
そして、学資保険は、教育資金準備のための保険で、保険期間の満了を迎えたら保険金が支払われます。
生死混合保険
生死混合保険は、主に養老保険が挙げられ、保険料が終身保険などよりも高く設定されています。
しかし、その分養老保険は死亡保障機能も貯蓄性も優れているため、死亡保障を確保しつつ、しっかり定まった将来の目的に向けて貯蓄したいという人に適した保険であると言えます。
生命保険と医療保険との違い
ここまで説明してきたとおり、生命保険とは、人の生命が脅かされた際の経済的な負担を軽減することを目的とした保険です。
その保障は、あくまで入院や治療に対してを主目的としていますので、ここが生命保険とは違う点です。
医療保険は主に治療に対しての保険の為、被保険者が死亡した際の保障はない場合が多いですが、特約で死亡保障を付加できることもあります。中には、死亡保障付きの医療保険もありますが、生命保険と比較すると保険金が少額となる場合が多い傾向にあります。
このように、医療保険は生命保険とは異なった特徴を持っています。
掛け捨て型と貯蓄型の違いとメリット・デメリット
生命保険には、一般的に掛け捨て型と呼ばれているものと、貯蓄型と呼ばれているものがあります。
- 掛け捨て型の保険…ほとんどの定期保険
- 貯蓄型の保険…終身保険、養老保険、個人年金保険、学資保険
掛け捨て型のメリット・デメリット
掛け捨て型の保険は、保険期間が終了したり(「満期」になる、といいます)、途中で解約したりした場合、今まで払い込んだお金が戻ってきません。
掛け捨て型の保険には次のようなメリットがあります。
- (貯蓄型に比べて)保険料が安い
保険金額や、加入する人の年齢などが同じ条件であっても、保険料を比べると、掛け捨て型のほうが圧倒的に安くなります。
保険料を抑えつつ保障が必要な場合は、掛け捨て型が有力な選択肢でしょう。
デメリットは、まさしく掛け捨ての性質どおり、
- 契約終了後にお金が戻ってこない
ということになります。
貯蓄型のメリット・デメリット
貯蓄型の保険は、満期を迎えたり、途中解約したりした場合に、それまで払い込んだ保険料の一部や、それを超える額が満期金や解約返戻金として戻ってくる可能性があります。
貯蓄型のメリットをまとめると次のようになります。
- 契約終了時にお金が戻ってくる(お金が増えて受け取れることも)
保険料を自動引き落としやカード払いなどにしておくことで、自分でコツコツ貯金するのが苦手な人でも、知らないうちにお金が貯まっています。
一方、貯蓄型保険には、次のようなデメリットがあります。
- (掛け捨て型に比べて)保険料が高い
- 早期に解約すると損をすることもある
掛け捨て型の保険料は、すべて「保障」のための料金です。
貯蓄型保険の保険料はその一部を貯蓄(解約返戻金)に回す必要があるため、「保障のための料金+貯蓄のためのお金」ということになり、保険料は高くなってしまいます。
また、契約後、早期に解約すると、十分にお金が貯まっておらず、そこから保険会社の経費などが差し引かれるため、貯蓄型であっても戻ってくるお金がないか、ごくわずかになってしまう場合があります。
それまでに払い込んだ額よりも、少ない額しか戻ってこないことを「元本割れ」の状態になると言います。
貯蓄型保険を利用するときは、この点に注意する必要があります。
もしもどちらの保険に加入するか悩んでいる方は、保険やライフプランニングの専門家であるFPに無料で相談できる保険相談所を利用すると、最適な保険を選ぶことができますよ。
生命保険のメリットとデメリット
ここまでの説明で、生命保険はどんな保障内容を持つのか分かっていただけたかと思います。
生命保険には、万が一の備えと、積立の目的で加入をする方がほとんどです。
では、生命保険とは貯蓄と比べてどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。
また、生命保険のデメリットについても紹介していくので、メリット・デメリットを考慮しながら、自分で貯蓄するのと生命保険に加入するのと、どちらが良いかを考えてみてください。
メリット
生命保険のメリットとして、主に以下が挙げられます。
- 払込期間に関係なく保険金が受け取れる
- ライフプランに合わせた保障が受けられる
- 税金対策になる
順を追ってみていきましょう。
払込期間に関係なく保険金が受け取れる
生命保険は、万が一のリスクヘッジをできる点が最大のメリットです。
万が一の備えには自分で貯蓄をするという方法もありますが、生命保険は保険期間開始時から高額な保障を得ることができます。
大きな金額をすぐに用意できるかどうかという点が、貯蓄が生命保険とは異なるポイントです。
その点を考えると、万が一に備えるには、貯蓄より生命保険に加入をした方が安心です。
ライフプランに合わせた保障が受けられる
たとえば、結婚や出産など一般的に家族が増えた時には生活費や養育費も増加するため、保険金額も高く設定する必要があります。
このような場合は、子供が独立するまでといった一定期間だけを定期保険を活用して保障を手厚くしておけば、過不足なくリスクに備えることができます。
一方、貯蓄の場合には、生命保険とは異なり、万が一の備えを増やしたいと思ってもすぐに対応することは難しいでしょう。
税金対策になる
生命保険に加入していると、所得税と住民税、そして相続税の控除を受けることもできます。
- 住民税
- 所得税
- 相続税
住民税と所得税
まず住民税と所得税の控除ですが、「生命保険料控除」という制度がポイントになります。
相続税
一方、相続税については、生命保険金の非課税枠を利用することで税負担の軽減が可能です。
生命保険の被保険者が死亡した場合、死亡保険金は被保険者以外が相続します。
このように、生命保険は所得税や住民税、相続税の税金対策が可能というメリットを持っています。
デメリット
次に、生命保険のデメリットとして以下の3つが挙げられます。
- 早期解約をした場合は損
- 保険料が毎月かかる
- インフレリスクがある
順を追ってみていきましょう。
早期解約をした場合は損
生命保険のうち、終身保険や養老保険のような貯蓄性のある保険は、途中で保険を解約した場合には解約返戻金が手元に戻ってきます。
ただし、解約返戻金は自分が払い込んだ保険料の、全額が返ってくるとは限りません。
生命保険に契約してから早期で解約をすると、解約返戻金はないか、払った保険料に対して非常に少ない割合になってしまうのが一般的です。
特に人気の高い低解約返戻金型の終身保険は保険料払込期間中の解約返戻率を抑えることで保険料を安くしているので、途中で解約してしまうと元本割れしてしまうので注意しましょう。
保険料が毎月かかる
当然のことではありますが、生命保険とは毎月一定の金額を保険料として納めなければならないものです。
働き始めの若い人や子供のいる家庭では、保険料の支払いは多少負担に感じることもあるでしょう。
保険の商品によりますが、支払い方法は月払いだけでなく、半年毎・一年毎に支払う方法などもあるので、ご自身の生活に合わせて選ぶと良いでしょう。
インフレリスクがある
一度生命保険に加入すると、保険期間中は基本的に保険金額は変わりません。
そのため、万が一インフレやデフレなどが起きた場合、貨幣価値が変わり、契約していた保険金額では保障として十分ではなくなってしまう可能性も考えられます。
貨幣価値に大きな影響を与えるほどの急激なインフレは、現在の日本では考えづらいですが、可能性はゼロではありません。
メリット | 払込期間に関係なく保険金が受け取れる |
---|---|
ライフプランに合わせた保障が受けられる | |
税金対策ができる | |
デメリット | 早期解約をした場合は損 |
定期的に保険料がかかる | |
インフレリスクがある |
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まとめ
生命保険とは、死亡または高度障害という万が一のリスクへの備えや貯蓄を目的とした保険です。
条件を満たしていれば契約した保険金額をすぐに受け取ることができるため、万が一の場合に備えるには、自分でお金を貯蓄するよりも適していると言えます。
また、生命保険は死亡保障目的の死亡保険と、貯蓄目的の生存保険、そして2つの目的を兼ね備えた生死混合保険に分けることができます。
それぞれで特徴が異なるため、生命保険に加入を検討する際には、自分がどのような目的で保険に加入するのかきちんと考えることが大切です。
さらに、年齢やライフステージによって必要な保険金額や保障内容は変化していくため、定期的に加入中の保険は見直していく必要があります。
「ほけんのぜんぶ」をはじめとする無料の保険相談所などを利用して、一度自分の保障を整理してみてはいかがでしょうか。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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