【緊急費用と臨時費用】保険と受けられる補償

緊急時に発生する費用。突然多額の出費が必要になったとしたら、誰でも戸惑うもの。
そんなときに役立つのが、緊急費用と臨時費用をカバーしてくれる保険。
どのような場面で緊急費用が必要になるのか、カバーしてくれる保険やその補償内容はどのようなものかなど、緊急費用に関する保険について詳しく紹介していきます。
目次
緊急費用や臨時費用が発生する場面
緊急費用や臨時費用が発生する場面とは、具体的にどのようなときなのでしょうか。
普段は意外に思いつかないものですが、緊急事態に遭遇し、緊急費用が発生したときに「備えておけば良かった!」と思っても後の祭りです。
どういったときに緊急費用が発生するのかについて、まずは紹介していきます。
海外旅行中に起こる予期せぬ事態
予期せぬ事態とは、例えば航空機が欠航になる、預けた荷物が届かないといったもの。
航空機が欠航になってしまうと、予定外の宿泊をしなくてはならなかったり、荷物に入れていた身の回りの物を現地で購入する費用が発生したりと、何かと緊急費用が必要になるものなのです。
さらにオプショナルツアーのキャンセル料なども加算した場合、思わぬ多額の出費になってしまうということも。
国外での不測の事態は、ただでさえ不安になるものです。
予期せぬ事態は自分が気をつけていれば回避できるというものではないだけに、万が一を考えて備えておくことはとても重要になります。
また、海外で怪我や病気の治療をした場合にも、病院で治療を受けた際に医療費として緊急費用が発生します。
海外で怪我や病気をした場合に、日本国内と同様に気軽に病院で治療したら、治療費の請求額が桁違いで驚いた!という話を聞いたことはありませんか?
渡航先の国にもよりますが、一般的に欧米諸国は医療費がとても高額です。
特にアメリカやカナダは日本と比べるととんでもなく高額の医療費を請求されることが考えられますので、万が一の備えは十分にしておくべきでしょう。
海外で他人や他人の持ち物を傷つけてしまい、賠償問題に発展してしまうということも。
国内旅行と同じ感覚で海外旅行をすると、怪我や病気をしてしまった場合や他人とトラブルになった際、高額な医療費や高額な賠償金を請求されてしまいかねません。
海外旅行をする際は保険の加入がとても大切であるということを、今一度念頭に置いておく必要があるでしょう。
災害や事故による損害
災害や事故によって損害が発生したときも、予期せぬ緊急費用が必要になることがあります。
例えば火災によって住んでいる家や家財が損害を受け、修理や建て替えが必要になる場合があります。
その際に修繕費だけではなく、修繕が完了するまでに仮住まいをするホテルの宿泊費や、火災の後に残った残存物などを片づけるための費用、火災によって受けた怪我の治療費、近隣の住民へのお詫びにかかる費用など、一時的にかかる緊急費用は総額にすると高額になってしまうことも。
損害の発生時に雑費としてかかる細かい費用も、緊急費用のひとつ。
そういった緊急費用に関しても、実は保険で補えるということは意外と知られていないようです。
緊急費用や臨時費用に対応している保険とは
では、不測の事態の際にかかってくる緊急費用を補ってくれる保険には、どういったものがあるのでしょうか。
前述したような事態に対応する保険を紹介していきましょう。
海外旅行保険
海外旅行保険の補償の中に、旅行事故緊急費用と呼ばれるものがあります。
海外旅行中に起こった航空機の遅延により緊急費用が発生したとき、その費用を補償してくれるのが「航空機遅延費用補償」。
利用する交通機関や申し込んだ旅行会社が、事故を証明できることが緊急費用支払いの条件になります。
さらに、日本では考えられないくらい高い海外の医療費。
海外旅行中に怪我や病気などに見舞われ、現地で治療を受けた場合、その医療費を補償してくれるのが海外旅行損害保険です。
海外旅行先で医療費を支払った場合、会社に勤めている人は勤務先に、自営業を営んでいる人は自治体に申請をすれば、支払った医療費のうち、最大で7割が戻ってきます。
これを海外療養費支給制度と言います。
ただし、海外で支払うそもそもの医療費が高額のため、たとえ最大の7割が返ってきたとしても、自費となる金額はかなりの持ち出しになると考えられます。
そのため、やはり安心なのは海外旅行損害保険に加入しておくことです。
旅行に際して起こるトラブルは、いつ何時起こるか分からないもの。
それゆえに、海外旅行に出かける際には保険の加入を検討するべきでしょう。
火災保険の臨時費用補償特約
火災保険は自宅が事故などで損害を受けた際に発生する緊急費用を補償するものですが、前述した通り損害保険金のみではすべてを賄いきれない場合があります。
そのような緊急費用に対応している保険が、臨時費用補償特約です。臨時費用補償特約は、損害保険金の10%から30%を加算して請求できるというもの。
火災保険に加入したからと安心していたら、万が一の事故の際に保険金の支払いに適用されない部分がたくさん出てきてしまった…ということも起こり得るのです。
そのような事態に陥らないためにも、基本的な火災保険が適用されるのはどこまでかということを、きちんと把握して加入しなければなりません。
保険の種類と保険ごとに受けられる補償の内容
保険は種類ごとに受けられる補償の内容も異なります。
各保険の種類と補償内容について詳しく見ていきましょう。
海外旅行保険の種類と補償内容
保険会社の場合
保険会社で加入する海外旅行保険は、旅行に出発する空港で加入することもできます。
しかしインターネットで事前に申し込みをした方が割引額が高く、自宅から空港へ向かう間の補償もしてくれるのです。
空港で加入するつもりだったけれど、時間などの関係で加入できないまま出発…となる可能性もあるため、申し込みをするのであれば旅行の日程より前に余裕を持って加入しておくのが最善と言えるでしょう。
海外旅行保険の中でも大切な補償が、治療費用補償です。
治療費用補償は渡航先の国の医療費水準に合わせて補償内容を選ぶことが大切。
アメリカやカナダなど、特に医療費が高額とされている国の場合は、補償が無制限のタイプだと安心です。
治療医療補償のほか、保険内容によっては遺体・病人の搬送や移送、親族が駆けつける際に発生する緊急費用を補償してくれる救護費用補償、渡航先での怪我や病気を原因として死亡に至った場合に保険金が受け取れる疾病・傷害死亡補償、同様に障害が残った場合に保険金が受け取れる障害後遺障害補償などもあります。
海外旅行中に起こった航空機の遅延により緊急費用が発生したとき、その費用を補償してくれるのが、航空機遅延費用補償。
利用する交通機関や申し込んだ旅行会社が、事故を証明できることが緊急費用支払いの条件になります。
そのほか、渡航先でよくあるトラブルが、携行品の盗難・破損。
そのような偶発的な事故に遭遇した際に保険金を受け取れるのが、携行品損害補償です。
自分の所持品はもちろん、知人に借りた品物が盗難や破損に遭ってしまった場合にも助かる補償です。
クレジットカードの場合
クレジットカードには海外旅行保険が付帯している場合も多くあります。
クレジットカードに付帯したタイプの海外旅行保険は、補償される金額が少ない場合や、金額だけでなく補償される範囲も保険会社のものより少ないという一面も。
さらに、旅行代金がそのクレジットカードで支払われていないと保険が適用されない場合もあるので、事前に確認する必要があるでしょう。
補償内容は、おおむね保険会社の補償内容と同じです。
治療費用補償、救護医療補償、疾病・障害死亡補償、携行品損害補償などの補償がされています。
しかしながらクレジットカードの海外旅行保険は前述した通り補償の上限金額が少額であることが多いため、特に医療費の高額な国への渡航の際は、補償金額が十分かどうかについて確認しておくことが大切です。
その上で手厚い補償が必要だと感じる場合は、別途保険会社の海外旅行保険に入ることも検討した方が良さそうです。
火災保険特約
―もともと組み込まれている場合
火災保険でカバーしきれない緊急費用を補償する目的の臨時費用保険金特約。
事故や災害に付随して必ず発生してしまう緊急費用を補償してくれる保険です。
具体的には、災害に際して仮住まいが必要になった場合の宿泊費や、後片付けにかかる費用、近隣の家へのお見舞いなどの費用が補償されます。
火災保険自体に元々基本補償として組み込まれている場合は、特約になっている場合と異なり追加の保険料はかかりません。
万が一のときには必ず発生してしまう費用なので、あらかじめ元々組み込まれている保険を選んでおくのもひとつの方法でしょう。
オプションで追加する場合
臨時費用保険特約は、オプションになっている場合もあります。
オプションになっている特約は別途費用が必要な場合があるので、加入の際にはよく確認しましょう。
内容は前述したものと同様に災害に際して仮住まいが必要になった場合の宿泊費や、後片付けにかかる費用などが補償されますが、この特約をつけるか否かについては、緊急費用を払える貯えがあるか、自費で払っても構わないと思えるかどうかが判断のポイントになるでしょう。
比較すべきポイントと各保険会社の保険の内容と金額
臨時費用・緊急費用という観点から比較すべきポイントとしては、その補償内容が挙げられます。
今回は、海外旅行保険に着目して考えてみましょう。
前述したように海外旅行保険に関して言うと、基本的な補償はどの会社でも大体同じとなっています。
ただし補償される金額や特約の有無には違いがあるため、自分にとって必要な補償や特約なのか、補償金額は十分か、という点で比較するとよいでしょう。
ここからは、海外旅行保険の特約について、各保険会社の内容・金額などと合わせて一部紹介していきます。
海外渡航の際に持病がある場合の特約
基本的には渡航先で怪我をした場合や、渡航先で病気が発症した場合に限って補償されるものなので、元々持っている既往症には適用されません。
そのため、持病が渡航先で悪化した場合は補償されないのです。
しかし保険会社によっては海外で持病が悪化した際の疾病治療費を補ってくれるものも。
持病があって海外旅行が不安だという人は、こちらの特約がついている商品を選ぶと安心です。
持病に関する治療費の補償は、特約になっています。
つまり持病の応急治療や救援費用の特約がついている海外旅行保険を選びましょう。
妊娠中に海外渡航をする場合の特約
妊娠中の海外渡航の際は、一般的に妊娠や出産が原因の疾病に対しては保険が適用されません。
しかし保険会社の中には、妊娠22週未満である妊娠初期の異常をカバーしてくれる保険もあります。
妊娠期間はいつ何が起きてもおかしくないもの。特に海外へ行く場合は、念には念を入れるに越したことはないでしょう。
国内で妊娠に関して補償してくれる保険会社は1社のみですが、海外の保険会社であれば補償をしているところもあるので、英語での対応が可能であれば検討してみてもよいかもしれません。
ちなみに「妊娠初期の異常」とは、子宮外妊娠等、国内の公的な医療保険制度において、給付の支払対象となる妊娠に関する症状のこと。
加入の前には、どこからどこまでが補償されるのかをしっかり確認しておく必要がありそうです。
補償の内容、補償される金額、特約の有無を比較して、自分に合った保険を適切に選びましょう。
緊急費用や臨時費用の保険に加入すべきか迷ったら保険のプロに相談
実際に緊急費用や臨時費用に関する保険に加入しようと思っても、多くの保険会社から自分に合った適切な保険を比較し、選ぶことはなかなか難しいでしょう。
知識があまりない状態では、そもそもこの保険が必要なものなのかという判断もしづらいかもしれませんね。
保険の必要性、加入する場合の補償内容の比較、自分に合った補償額、無駄のない保険料…すべてを適切に判断するには、まず保険のプロに相談するのが近道です。
話を聞いてみるだけでも、保険の必要性を見直す機会としてとても有意義なはず。
緊急費用や臨時費用の保険加入に迷ったら、保険のプロに相談してみましょう。
緊急費用や臨時費用は、いざというときの安心材料
普段は特に必要性を感じないかもしれませんが、適切に保険に加入していれば、万が一の事態に陥ったときに「本当に助かった」と思えるはず。
いざというときの備えは、普段からしておくべきでしょう。保険への加入もそのひとつであるということを覚えておいてくださいね。
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