医療保険にもメリット・デメリットがある!押さえるべき注意点とは

目次
医療保険のメリットとデメリット
私たちが生活していく上で身近に潜む心配事・不安事の一つに「健康とお金」という問題があります。働き盛りの若い方や、結婚され家族を養っている方、引退されたご年配の方など、老若男女問わずに自身の健康について心配や問題を抱えている人は少なくないと思います。
「病気やケガをしてしまったけどお金が・・・。」「治療費に充てるために子供の学費を切り崩すことに・・・。」ということにならないために考え備えておくべきものとして、国の健康保険制度以外に民間の保険会社が出している<医療保険>という商品があります。
すでにご存知の方も多いかとは思いますが、この記事では改めて医療保険のメリットと、デメリットをご紹介します。
そもそも医療保険とは?
医療保険とは、病気やケガをしてしまった際の入院や手術、通院などの医療費に対して入院日額や一時金として給付金を受け取ることができる保険のことをいいます。
保険会社ごとに保障内容やお支払いの条件は異なりますが、様々な病気やケガに対して幅広く備えることができるだけでなく、特約などを付加することによって自身にあった最適な保障プランをつくることができます。
生命保険やがん保険との違い
生命保険とは保障の対象となる方(“被保険者”といいます。)が亡くなった際にその配偶者の方やお子様などの親族の方に死亡保険金として給付金をお支払いする保険であり、給付金を自分で受け取ることができる医療保険と異なります。
また、がん保険はその名の通りがんに特化した保険であり、診断一時金や入院日数無制限保障などがんの場合には保障内容が手厚くなっておりますが、がん以外の病気やケガについては原則として保障の対象とはなっておらず、がん以外の幅広い病気やケガに対して保障される医療保険とはそこが異なります。
どうして医療保険があるのか
日本は諸外国と比べると長寿の国と言われていますが、健康寿命と平均寿命という言葉があるように、長く生きることは健康で生きることと必ずしもイコールではありません。折角長生きをされていても健康を害してしまっている場合には、辛い闘病生活がそれだけ長く続いたり、年金だけでは生活できずに貯蓄を切り崩す生活を強いられてしまいます。
厚生労働省の平成29年度版「患者調査」によりますと、高血圧性疾患の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は993万7,000人、高脂血症の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、220万5,000人、糖尿病の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、328万9,000人とされています。
この記事を読んでいる方の中には自身が、またはご家族の方が高血圧や高脂血症で現在通院中であるという方も多いのではないでしょうか。
高血圧、高脂血症、糖尿病など食生活や運動習慣などの生活習慣によって引き起こされるこれらの疾患は生活習慣病と呼ばれることもあり、なかなか改善することが難しく、通院を重ねるうちに一度入院してしまうと、その後の生活環境がガラッと変わり、仕事を休業しなければいけなかったり、家事を行うことができずにご家族に負担をかけてしまったりします。
早く退院することができればよいのですが、厚生労働省の平成28年度版「医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によりますと一般病棟に入院した方の平均在院日数は16.2日とされており、退院するまで2週間以上かかってしまいます。
また、その2週間強の間の入院生活費について掛かる出費に関してですが、生命保険文化センターの令和元年版「生活保障に関する調査」によりますと、入院した際にかかる費用(高額療養費制度を利用した“後”の費用)は一日当たり約2万3,300円とされており、お子様を育児されている家庭の方や年金で生活されている方にとってはかなりの経済的な負担になると思われます。
すぐに元気になれればよいのですが、入院中だけではなく無事に退院した後も、定期的に通院や検査をする必要があり、完治(または症状が落ち着く)までに長い場合には数か月、数年を要することもあります。
こうした突然の病気やケガによって今まで過ごしてきた平穏な日常を過ごすことができなくなってしまい、金銭的な負担の重さから元の生活に戻れなくなってしまわないように、医療保険という商品があります。
医療保険のメリットとは
そのうえで医療保険のメリットは次のようなものがあげられます。
いろいろな病気の時に備えることができる
世の中には様々な病気がある為、自分が将来罹ってしまう病気をあらかじめ予測し特定しておく、ということはとても難しいことです。「まさか自分がこの病気になるなんて!」と思うのは人の常でしょうか。
中には先天的に特定の疾患に罹り易い家系の方もいらっしゃいますが、実際にその疾患を発症するのか、またどのような合併症を発症するのかは誰にもわかりません。
特定の病気やケガだけしか保障しない保険に加入し、いざという時に給付金が出ないということにならないために、幅広い病気やケガを保障する医療保険を選択しておくことは将来の不安に対するリスク対策としてとても有効だと思われます。
早いうちからまとまったお金を受け取ることができる
この記事を読んでいる方の中には万が一の病気や事故に備えて、毎月コツコツと銀行口座に積立を行っている方もいるかもしれません。それ自体はとても素晴らしいことなのですが、往々にして病気やけがというものは何の前触れもなくある日突然やってくるものです。
親戚付き合いに掛かる急な出費で積み立てがうまくいかなかったり、まだ積み立てを始めたばかりの時に病気やケガをしてしまった場合、病気に対して「ちょっとお金が貯まるまで待って!」は通用しません。
突然やってくる病気やケガに対して計画的に医療費をねん出するためには段々と増える貯蓄よりは、早いうちからまとまったお金を受け取ることができる保険の方が優れている事が多いです。
実際、医療保険の場合、加入して保障が開始した後に万が一のことがあった場合、すぐに加入したコースやプランに応じた給付金額を受け取ることができますので、いつやってくるのか分からない病気やけがに対して安心して備えることができます。
掛け捨てタイプなら保険料を抑えることができる
日々の生活を送るにあたり、光熱費や家賃など他にも払うべきものがある中で、高額な保険料を毎月お支払いし続けることはなかなか大変なもの。「大切なことはわかるけど、保険ばっかりに何万も支払いなんてできない!」とお考えの方もいらっしゃると思います。
もっとも、医療保険の場合、健康状態や年齢にもよりますが、毎月の保険料(掛け金)が3,4000円で済むものがあります。「掛け捨てタイプ」といった、支払った保険料が戻ってこないタイプの商品を探すことによって、保障を一生涯持ちつつも、毎月のお支払いを安くすませるということもできます。
健康お祝い金など楽しみがある商品も
「掛け捨てなんてつまらない、戻ってこないなんてもったいない」という方の為に、健康で保険を使うことがなかった場合に健康のお祝い金やボーナスが戻ってくる商品もあります。
もちろん条件はありますが、健康でいることが楽しみになる商品を賢く選ぶことによって、実質的な保険料の節約だけでなく、健康でいることの目標ができて、日ごろの行動や考え方も変わるかもしれません。
年末調整で控除を受けることができる
医療保険に加入されている方は、毎年の年末調整や年明けの確定申告で生命保険料控除を受けることができます。生命保険料控除とは、その年に保険契約者の方が支払った保険料のうち、一定額が所得金額から差し引かれ、所得税や住民税が軽減されるという仕組みであり、実際に企業にお勤めの方は会社に申請している方も多いと思います。
保険に加入することによって安心を持ちつつも、一種の節税をすることができるため、こちらも医療保険のメリットといえます。
医療保険のデメリットとは
医療保険にはメリットだけでなく、気を付けなければいけないデメリットもあります。
「こんなはずじゃなかった!」とならないためにも、医療保険の加入を検討される際には下記の内容について気を付けるようにしましょう。
毎月の出費が掛かる
医療保険は皆で少しずつお金を出し合って、病気やケガをしてしまった方を助ける相互扶助の制度です。自分だけ無料で加入することができる商品があればよいのですが、なかなかそういうわけにはいきません。
保険料が安い商品を選んだとしても現実的に毎月の出費が増えてしまいますので、「生活がギリギリ過ぎてお米を買うのもやっと、2000円の保険も入れない・・・」という方は新規に医療保険に加入することは厳しいのかもしれません。
そういう方はまず生活全般にかかる費用の見直しから始めてみてはいかがでしょうか?スマホ代や車の維持費、たばこ代など、生活全般を見直しすることで医療保険の検討ができるだけのゆとりができるかもしれません。
保険商品だけでなく、様々な節約方法やライフプランを提案できるファイナンシャルプランナーの方に相談するのも良いかもしれません。
健康状態などによっては必ず加入できるわけではない
医療保険は誰でも加入することができるわけではなく、加入する為には健康に関する告知が必要となります。もしあなたが今まで一度も病気をしたことがないのであればよいのですが、すでに大病の経験があったり、健康診断で再検査の指摘を受けている場合などは、加入することができない場合もあります。
もっとも、近年では病気をご経験された方や現在服薬・通院中の方であってもご検討できる保険商品というものが増えています。これらの商品は、比較的ご高齢になった後でも保険の見直しを検討できる一方で、加入できるとしても保険料が割り増しされていたり、病気の種類によっては保障の対象外とされてしまうこともあります。
加入できるからといってすぐに飛びつかずに、専門家に相談し内容を吟味して、ご納得されてから加入されることをお勧めします。
商品の種類が多く、自分にあった商品を探すのが大変
多くの方にとって医療保険に加入したり、見直しをする機会は一生の内それほど多くはないと思います。最近では先進医療など新しい治療技術の登場により医療保険自体も進歩しておりますが、正直どれが自身にあっているのか判断がつかずに面倒になって保険の見直しをやめてしまったという方も多いのではないでしょうか。
ただ、中には保険料が5年ごと、10年ごとに上がっていってしまうタイプの商品に加入している方もおり、保険料の更新の時になって初めて「こんなはずじゃなかった」と慌てて見直しを考える方が多いことも事実です。ご年齢を重ねてからですと毎月の保険料が高くなってしまったり、選べる商品自体も少なくなってしまったりする可能性もあります。
保険の加入や見直しを考えることは腰が重い事かもしれませんが、日々の生活と安心の為に加入するものですし保険料も毎月毎月お支払いするものですから、いざというときにしっかりと頼りになる医療保険に加入しておきたいものですよね。
結論 医療保険を考える上で大切なこと
医療保険を考える時というものは、自身や家族の健康や今後の生活について考える大切な時でもあります。
まずは病気やケガにならないために、日々の運動と食生活をしっかりして、規則正しい生活を過ごすことが一番だと思いますが、誰だって望んで病気になるわけではなく、病気とケガは自分自身の努力だけで防ぎきることができないことも事実です。
そんないつ訪れるのかわからない不安や心配に対して備えるものなのですから、いざ病気やケガをしてしまった際にちゃんと自分と家族を守れる商品に加入することが重要です。
当然ながら一人ひとりの生活スタイルや家族構成、すでに蓄えている貯蓄額に応じて必要な医療保険の保障内容も変わってくるものですから、誰に対しても絶対的にお勧めできる医療保険プランなんてものはないと思います。
いろいろな保険会社の商品を見比べたうえで、信頼できるプロに相談し、自分にとって必要な保障額はいくらなのかを考えて加入することが大切なことであると思います。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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