うつ病や統合失調症で保険はおりる?発症後でも入れる保険と注意点



25万人以上の患者がいるとされる精神疾患は、治療が長期に渡ることも多いため、公的保険に加えて、医療保険などで備えておきたいリスクのひとつです。
精神疾患と保険について、知っておきたいポイントをまとめました。
この記事は5分前後で読めます。
目次
うつ病・統合失調症で保険の給付金は受けられる?



精神疾患の患者数は400万人越え
厚生労働省のデータによると、うつ病や統合失調症などの精神疾患で医療機関で治療を受けている方は、平成26年では392万人、平成29年では419万人を超えているとの結果が出ています。
<精神疾患による治療を受けている人>
平成26年
平成29年
また、重度の精神疾患となると入院が必要になりますが、平均在院日数は減少傾向にあり、平成元年には平均496日だったものが、平成29年には268日にまで減少しています。


【参考:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」】
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/data.html
入院給付金は条件を満たせば受けられる

保険会社では、それぞれ給付金を支払うための条件を定めており、給付金がもらえるケースともらえないケースがあります。
基本的に、給付金がもらえないケースに該当しなければ給付金を受け取ることができますので、ここでもらえないケースを列挙してみます。
- 告知義務違反により契約解除となった場合
- ほかの疾病やけがですでに入院給付金をもらっている(給付金の支給が1回のみの契約の場合)
- うつ病で給付金をもらってから一定期間経過後に、まだ継続して治療中である場合(一度寛解し再発した場合はもらえる)
保険会社により異なりますが、主に上記のようなケースがあります。

通院給付金も条件を満たせば受けられる
うつ病や統合失調症などの精神疾患は通院も長期間にわたることが多いです。
通院給付金がもらえると医療費の負担を減らせますが、入院給付金同様に、支給されないケースに該当しなければ給付金をもらうことができます。
- 通院保険は、通院日数によって給付金が支払われますが、ほとんどの場合上限日数が決められていますので、通院した日数分が全部支給対象となるわけではない点に注意してください。
- また、入院後の通院にのみしか対応していない生命保険もあり、入院せずに通院のみで治療している場合は給付金がもらえませんので、支給条件はしっかり確認しておく必要があります。
うつ病や統合失調症でも加入できる生命保険はある!
保険加入を申し込むときには告知というプロセスがあります。
告知では健康状態などを確認するいくつかの質問項目に答えることになりますが、このとき、病気の治療を受けている人にはそれを問う項目があります。

リスクがあると判断され、受け取る保険料と支払う保険金のバランスが崩れることで、加入者全体で見たときに公平性を保てないからです。
ではまったく保険に入れないかというと、そうではありません。いくつかの方法があります。
条件付きで加入する
保険会社によっては、以下のような条件を付けることで加入が認められる場合があります。
- 保険料を割り増しで支払う
- 特定の疾病に関することだけ保障の対象外とする
うつ病で通院しているため保険に加入しにくいが、うつ病は保障の対象外とすることで、うつ病以外の原因で入院したときは保障が受けられるようにする、といったことが可能になります。
これに近い考え方として、がん保険は、がんに関する内容しか告知の項目に含まれないので、うつ病の治療を受けていても加入することができません。

引受基準緩和型保険に加入する
うつ病や統合失調症を含め、すでにかかっている病気で治療中でも加入できる可能性がありますし、加入できたら、加入以前から治療を続けている病気(既往症)についても保障対象に含まれます(商品によって含まれない場合もあります)。
その代わり、以下のような注意点もあります。
- 一般の保険に比べて保険料が割高である
- 加入後1年間は保障額が半額になるなどの削減期間が設けられている
無選択型保険に加入する
無選択型保険は、告知項目を非常に限定した保険で、ごく一部の例外を除き、基本的には誰でも加入できるという保険です。
そのぶん、保険料は引受基準緩和型保険よりも割高で、加入前から治療中の病気については保障の対象外になります。
もしも、うつ病や統合失調症であることを隠して加入したら…?
保険加入の際に行う告知には、正直に答えることが義務づけられています。
うつ病や統合失調症の治療を受けていても、隠していればわからないので保険に加入できると思うかもしれませんが、これは「告知義務違反」と呼ばれる、やってはいけない行為です。
後で明らかになったときに契約が解除され、結局は保障を受けられないということになりますので、ルールを守って正しく告知を行ってください。
生命保険更新時にうつ病・統合失調症になった場合は?
今すでに加入している保険があり、加入中にうつ病や統合失調症になったとしましょう。
加入している保険が定期タイプで、やがて保険の更新時期がきたとき、うつ病などになっている状態で更新できるのでしょうか?

定期タイプの保険の更新手続きは多くの場合は自動更新で、あらためて告知や審査を行うことはありません。
その時点で病気になっていても更新をすることができます。
ただし、これは現在加入している保険を、保障内容などの条件を変えずにそのまま継続するという場合です。
あらためて告知が必要だと、審査が通らず、更新できないことがあります。
- 保障額を増額する
- 新たに特約を付け加える など
他にも次のような場合は、告知が必要なので、注意してください。
復活や再加入
もともと契約していた保険を同じ条件で戻すだけですが、復活時には再び告知が必要とされています。
また、なんらかの事情で保険を解約し、その後、同じ保険にもう一度加入する場合も、手続きとしては新規の加入になりますので、解約したときと同じ条件であっても、告知は必要です。
転換や乗り換え
旧契約の解約返戻金などが新契約の保険料の一部にあてられるので、新しい保険に安く加入できます。

転換の場合も、新契約の保険については告知を行わなくてはなりません。
もちろん、今の保険を解約して、別の保険に新たに入る場合も同様です。
うつ病・統合失調症発症時に適用される保険制度
うつ病・統合失調症に対して、公的保険から受けられる保障もあります。
どのような制度があるのか理解しておきましょう。
自立支援医療
自立支援医療は、精神疾患の通院治療の費用を公的保険で助成するという仕組みです。
外来(通院)のほかデイケアや訪問看護も含まれますが、入院や医療機関以外での保険適用ではないケア(カンセリングなど)は対象になりません。
通常、一般の方は保険適用の医療費についてはその3割が自己負担額となりますが、この制度により、一般の方で自己負担額が1割になります。

さらに、所得に応じて世帯ごとに月あたりの上限額が決められ、それ以上には費用がかからなくなります。
精神疾患の治療を受けている人は、医師の診断書などを用意して、市町村の担当窓口で手続きを行い、受給者証を発行してもらいます。
以後は通院する医療機関の窓口で受給者証を提示することで、制度を利用できます。
心身障害者医療費助成制度
都道府県または市町村がそれぞれ独自に行う、心身に重度の障害がある人のための医療費助成です。
内容は自治体によって異なります。一例として東京都の制度を紹介しましょう。
東京都では、都内在住で精神障害者保健福祉手帳1級を持ち、所得が一定以下など条件にあてはまる方に対して、この制度による助成を行っています。
公的医療保険(健康保険、国民健康保険)の自己負担額の一部をこの制度から助成し、月あたりの上限以上に負担がなくなります。
入院・外来いずれも対象になりますが、入院時の食事療養の費用など、対象外の費用もあります。

高額療養費制度
精神疾患に限らず、医療費の負担が高額になってしまったときに使える制度です。
月あたりの負担が所得額に応じた上限額以上になってしまった場合は、上限を超えたぶんを払い戻してもらえます。
年収300万円程度の人だと月の上限は8万円強になります。
傷病手当金

病気などで3日以上連続して仕事を休み、その間、無給であった場合、4日目から、1日ごとに、本来支払われるはずだった賃金を日額に直したものの2/3相当額が支給されます。
給付期間は最長で1年6ヵ月間です。
まとめ
うつ病や統合失調症などの精神疾患でも、加入している保険の給付条件にあてはまれば、給金を受け取ることができます。
- 入院給付金
- 通院給付金
- 就業不能保障 など
ただし、給付条件は商品によって異なり、日額制の給付金は限度日数が設定されていることがほとんどです。

すでに精神疾患にかかってしまった人が新たに保険に加入するのは難しいと言えるため、以下を検討しましょう。
- 条件付きの加入
- 引受基準緩和型保険
- 無選択型保険 など
これらの保険は保障内容が限定されていたり、保険料が割高であるため、希望の保障とのバランスを考えることが大切です。
また、現在定期タイプの保険に加入中であとから精神疾患にかかったという場合は条件を変えずに保険を更新することは問題ありません。
しかし、条件を変えての更新や解約してからの再加入、失効からの復活、転換や乗り換えなどの場合はあらためての告知が必要なため、その時点で精神疾患にかかっていると、更新や再加入が難しくなります。
すでにうつ病や統合失調症にかかっている人で保険加入を考えている場合も、公的保険では足りないぶんを補うという形で考えるべきです。
「とにかく保険に入りたい」というところを目的にしないことが重要です。

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