潰瘍性大腸炎(IBD)で生命保険に加入する際の種類と保障内容
激しい腹痛などに悩まされる潰瘍性大腸炎。
慢性化して長期に渡って付き合わざるを得なかったり、重症化すると大腸がんのリスクになるとも言われている病気です。
潰瘍性大腸炎でも入りやすい保険や、公的保険で使える制度など、潰瘍性大腸炎と保険についての情報を整理しました。
この記事は5分程度で読めます。
目次
潰瘍性大腸炎( IBD)でも生命保険に加入できる時代に
保険に加入する際の必須の手続き「告知」とは?
潰瘍性大腸炎(IBD)と診断されている人は、今まで、保険に加入するのが難しいとされてきました。
保険加入時には審査が行われるため、申し込んだ人すべてが加入できるとは限りません。
審査は、告知という手続きが基本になります。
保険会社や商品によっては、医師による診察や面接士による面接が行われることもあります。
告知は、健康状態などに関するいくつかの質問項目について、回答をするというプロセスです。
内容は保険会社によって異なりますが、例を挙げると以下のような内容です。
- 現在、入院中・治療中ではないか
- 検査を勧められていないか
- 過去数年以内に病気にかかったことがないか(「既往歴」といいます)
なんらかの病気で治療中である人は、その内容についてさらに詳しい情報が必要になる場合もあります。
- 診断日と治療期間
- 治療内容
- 服薬している薬剤名
- 現在の状態 医療機関名
これらの情報をもとに加入できるかどうかの判断が行われ、残念ながら加入できないという結果になることもあります。
保険は、加入者全員のリスクを統計的に見積もって、払い込まれる保険料と支払う保険金のバランスを取っています。
そのため、リスクが高い=ほかの人よりも保険金を受け取ることになる可能性が高い人が加入するとこのバランスが崩れ、加入者間の公平性が保てなかったり、保険商品として成り立たなくなるおそれがあります。
潰瘍性大腸炎(IBD)であることも、かつては保険会社としては高リスクと判断される材料でしたが、現在は潰瘍性大腸炎(IBD)の治療方法が進歩するなどして、以前ほどリスクが高いとはみなされなくなりつつあります。
そのため、加入できる判断になることも多くなっていると言われています。
もしも告知で潰瘍性大腸炎を隠していた場合は?
とはいえ、謝絶になってしまう可能性もあります。
そこで、潰瘍性大腸炎(IBD)と診断されたことを告知で話さなくていいのでは?と思う方もおられるかもしれませんが、それは避けるべきです。
なおかつ、保険契約が解除されてしまい、それまで払い込んだ保険料も返金されないことが普通です。
保険加入の際の重要なルールですので、告知は必ず正しく行いましょう。
潰瘍性大腸炎( IBD)でも入れる保険の種類
保険に入りやすくなったとはいえ、健康な方とまったく同じ保険に加入するのは難しい場合があります。
潰瘍性大腸炎でも入れる保険とは、次のようなタイプの保険になるでしょう。
引受基準緩和型保険
告知項目が限られているので、限定告知型ともいいます。
加入はしやすいのですが、保障内容については、例えば以下のように保障も限定されたものになっています。
- 加入後1年間は給付金額が半額になるなどの保障削減期間がある
- 一般の保険には付加できる一部の特約が選べない
無選択型保険
「現在、入院中である」などの例外を除いて、ほとんどの場合は加入できるため、人を選ばず加入できる保険という意味で、無選択型保険と呼ばれています。
引受基準緩和型保険でも加入できなかった人にはありがたい保険と言えますが、引受基準緩和型保険とは異なり、加入時点ですでにかかっている病気(既往症)については保障されないなどの特徴があります。
条件付き加入
一般の保険に、条件を付けて契約するという方法もあります。
引受基準緩和型保険のように、
- 保険料を割り増しで支払う
- 保障削減期間を設ける
というものや、特定の部位や疾病については保障の対象から外す不担保という条件を付けるなどです。
潰瘍性大腸炎( IBD)の保険の主な保障
保障のタイプごとに見ていきましょう。
入院給付金
多くの医療保険は入院給付金を中心とした保障になっているため、入院して治療を受けることになれば、入院給付金が受け取れます。
入院給付金は、入院日数に応じて日額給付が受けられる形式が一般的です。
保険商品によっては、日帰り入院でも1日とカウントする場合や、5日以内の入院は日数にかかわらず5日分として一時金が支払われると形のものもあります。
入院給付金は限度日数が設けられており、契約内容によって60日や120日などと決められています。
通院給付金
最近の医療保険は、入院をともなわない外来(通院)の治療にも給付金が支払われるものがあります。
そうした保障がある保険に加入していれば、通院した場合も給付金が受け取れます。
入院給付金と同じく通院日数に応じて日額給付が受けられる形が多いですが、「入院をして、退院後の通院した場合」に限っている商品もあります。
手術給付金
潰瘍性大腸炎の治療は内科的なもの(投薬)が主流ではありますが、状態によっては外科治療(手術)が必要になる場合もあります。
手術給付金は、入院給付金などの日額のもととなる基本保険金額に、手術の程度に応じた倍率を掛けたものになります。
就業不能保障・所得補償
就業不能保険や所得補償保険に加入している場合、治療のために仕事を休んだ場合は、保険金を受け取れる可能性があります。
基本的には、入院に限らず通院や自宅療養を含め、仕事ができなかったことを条件として、条件にあてはまった日数×契約した保障額が支払われます。
難病特約
一部の保険商品では、所定の疾病と診断された場合に給付金が受け取れるものもあります。
ある保険会社では、「難病の患者に対する医療等に関する法律」によって「特定疾患治療研究事業」の対象となる56の疾患について、診断された人に給付金を支払うとしています。
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潰瘍性大腸炎( IBD)で受けられる公的保険制度
潰瘍性大腸炎の方が受けられる公的保険制度には以下のものがあります。
- 難病法に基づく医療費助成制度
- 傷病手当金
- 障害基礎年金
ではそれぞれの制度について詳しく解説していきます。
難病法に基づく医療費助成制度
潰瘍性大腸炎は、厚生労働省が定めている「指定難病」のひとつなので、「難病法に基づく医療費助成制度」の対象になります。
【助成の対象者】
潰瘍性大腸炎すべての方が制度の対象になるわけではなく、重症度(※1)が中等度または重度の患者方のみが対象です。
※1:厚生労働省が定める「臨床的重症度分類」にしたがって医師が評価
※2:1か月の医療費が33,330円超の月が年間3月以上ある場合
【助成の概要】
難病法に基づく医療費助成では、医療費の自己負担割合は2割なので通常の3割よりも負担が少なく、また、所得によって自己負担上限額が異なります。
自己負担上限額と医療費の2割に該当する金額を比較して、自己負担上限額の方が高額になる場合は医療費の2割が負担額となります。
なお、医療費の2割のほうが自己負担上限額よりも高額な場合は、差額分が支払われます。
傷病手当金
会社員や公務員の方などが加入している健康保険からは、傷病手当金を受け取ることができます。
潰瘍性大腸炎のために休職した場合、休職初日から連続して3日間の後、4日目以降の休職日に対して支給されます。支給期間は最大1年6か月です。
ただし、休職中に有給休暇を含めて給与等が支払われている場合には、傷病手当金を受け取ることはできません。
また、国民健康保険には傷病手当金に該当する制度がないため給付を受けることができません。
障害年金
潰瘍性大腸炎は障害年金の支給対象となっているため、国民年金や厚生年金に加入しており支給要件を満たしていれば、支給を受けることができます。
受給するには以下の3つの条件を満たしている必要があります。
- 初診日:障害の原因となった病気やケガの診断を受けた日に、国民年金や厚生年金に加入していたか
- 保険料納付:一定以上の年金保険料を納めているか
- 障害認定日:厚生労働省が定めた「障害の基準」を満たしているか
潰瘍性大腸炎( IBD)とは
潰瘍性大腸炎とはどのような病気なのか、基本的な情報をまとめました。
どんな病気?
潰瘍性大腸炎は、大腸の内側の粘膜部分に潰瘍やびらんといった炎症が生じる病気です。
- 腹痛
- 下痢
- 発熱
- 頻脈
- 潰瘍に穿孔(穴が開くこと)に至る
- 血便が続くことによる貧血
- 栄養の吸収が難しくなるため体重が減少する
また、大腸がんのリスクになるという研究もあります。
原因は?
腸内細菌のはたらきや、自己免疫反応が関係していると言われていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
炎症性腸疾患のうち、ウイルス感染など原因がはっきりしたもの特異性、そうでないものを非特異性といい、潰瘍性大腸炎はクローン病と並んで非特異性に分類される炎症性腸疾患の代表的なものです。
どんな人がなるの?
男性で20~24歳、女性では25~29歳が発症のピークとされていますが、若年から高齢者まで年齢にかかわらずなることがある病気です。
男女比には偏りはなく、日本には約17万人程度の患者がいると言われています。
治療法は?
薬物療法が中心で、多くの場合は薬で症状をコントロールすることが可能です。
寛解(症状が落ち着いている状態)と再燃を繰り返し、慢性化するケースもあります。
状態が悪化した場合は、大腸全摘の手術を行うこともあります。
従来は、大腸全的を行うと人工肛門を設置していましたが、近年は人工肛門は一時的な処置として、小腸で便をためる回腸嚢をつくって肛門につなぐことで、人工肛門をなくし、健康な人と変わらない生活を送れるようになっています。
まとめ
潰瘍性大腸炎と保険についての情報を整理しました。
潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患の一種で、日本には約17万人の患者がいるとされており、潰瘍性大腸炎にかかっている人は一般の保険には加入しにくくなります。
保障を考えるうえでは、公的保障がどれくらい受けられるか、公的保障では足りない部分をどう補うかといった考え方が大切です。
また、保険加入の審査基準は保険会社によって異なりますから、保険に加入しにくい立場の人は、保険の商品情報に詳しいアドバイザーの意見を聞きながら、比較検討していくことをおすすめします。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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