手術給付金の仕組み・倍率について分かりやすく解説

国から受給することができる給付金の中には、施術を受けた時に倍率によって決められた金額が支給される『手術給付金』というのがあります。
もしも何らかの理由で施術を受けた時は、高かった費用を少しでも取り戻すために手術給付金を利用するのがおすすめです。
それでは、手術を受けた際に支給されるお金や倍率などについてご説明しましょう。
そもそも手術給付金とは?
手術給付金とはどんなものなのか分からない人もいるのではないでしょうか?
手術給付金とは病気やケガなどの理由によって手術を受けた時に支給される給付金です。
大きな病気やケガを負った時の手術は金額が高くなることが多く、突然のハプニングなどによって多額の手術費用を用意しなければならない事態に困る人もいます。
誰でもいきなり多額の手術費用を用意できるわけではないので、そういった資金繰りを助けてくれるのが手術給付金なのです。
手術給付金を利用する時の注意点
手術給付金は手術を受けた時に利用できる給付金ですが、実はどんな手術を行っても給付金が支給されるわけではありません。
手術給付金が支給される条件は、『加入している医療保険や生命保険の支払い対象となる手術か』『医療保険や生命保険の保障が始まった後に行った手術か』どうかです。
逆に支払い対象になっている手術であれば基本的に何回手術を受けても給付金が支給されます。
それがたとえ入院しない手術であっても給付金が支給されますが、給付金が支給されるかどうかは加入している保険内容によって大きく異なります。
原則としてアフラックなどの医療保険や生命保険に加入しておらず、加入していても保障が開始される前に手術を行った場合、手術給付金の対象外となります。
また、手術給付金の対象になるのは原則として治療を目的とした手術のみです。例えば美容整形や病気を原因とした手術、そして診断や検査を行うための手術を行ったとしても手術給付金は支給されません。
さらに、支払い対象となる手術内容は保険会社によって異なる約款に記載されており、その内容に記載されている手術でしか給付金が支払われません。
これは保険会社が指定する88種類、または89種類の手術と、公的医療保険に連動している約1000種類が対象です。
現在加入している保険はどんな手術が給付金の対象になっているのか、今一度確認するのがおすすめです。
手術を受けると支給される金額や倍率はどれくらい?
自分が加入している保険に記載されている支払い対象となる手術内容が分かったところで、どのくらい手術給付金が支給されるのか気になる人もいるでしょう。
しかし、手術給付金には一定の金額が決められておらず、どんな手術を受けたかによって給付金の額が変わります。
手術給付金は基本的に『入院給付金の日額×倍率』によって決められており、手術内容によって別々に倍率が定められています。
これは医療保険に加入している人によって設定されている入院給付金の金額が違うため、保障内容によって支給される手術給付金が変わるのがポイントです。
手術給付金の倍率は手術の重さによって決まっており、軽い手術よりも重い手術の方が倍率は高くなっています。例えば手術の倍率が10倍だった場合、入院給付金の日額が1万円だとするなら1万円×10倍となるので手術給付金はおよそ10万円が支給される計算です。
支給される給付金の額における注意点
手術給付金によって支給される給付金ですが、加入している保険会社によって給付金の倍率が違います。
基本的には重い手術を行うほど支給される給付金の倍率が高くなりますが、保険会社によっては倍率が一律になっていることがあります。
つまり、どんなに重い手術を行っても支給される給付金の倍率が変わることがないため、多額の手術給付金がほしいという人は保険会社を見直す必要性があるかもしれません。
また、日帰り手術は入院をしないので手術給付金が支給されないと言えますが、実は保険会社によっては日帰り手術でも手術給付金が支給されます。
しかし、その日のうちに帰れる手術だからこそ軽い倍率に設定されています。
保険会社によっては一律5%に設定されているなど、基本的に入院を必要とする手術よりも給付金の額が低くなると考えましょう。
倍率表一覧
ここからは手術給付倍率の一覧を表にしてまとめていきます。もし自分が手術を行う必要があると診断された場合、加入している保険内容を確認して手術給付金の対象になっているか、倍率はどのくらいなのか確認しましょう。
皮膚・乳房の手術
- 植皮術(25㎡未満は除く) 給付金の倍率は20倍
- 乳房切断術 給付金の倍率は20倍
筋骨の手術(抜釘術は除く)
- 骨移植術 給付倍率は20倍
- 骨髄炎・骨結核手術(膿瘍の単なる切開は除く) 給付金の倍率は20倍
- 頭蓋骨観血手術(鼻骨・鼻中隔を除く) 給付金の倍率は20倍
- 鼻骨観血手術(鼻中隔弯曲症手術を除く) 給付金の倍率は10倍
- 上顎骨・下顎骨・顎関節観血手術(歯・歯肉の処置に伴うものを除く) 給付金の倍率は20倍
- 脊椎・骨盤観血手術 給付金の倍率は20倍
- 鎖骨・肩胛骨・肋骨・胸骨観血手術 給付金の倍率は10倍
- 四肢切断術(手指・足指を除く) 給付金の倍率は20倍
- 切断四肢再接合術(骨・関節の離断に伴うもの) 給付金の倍率は20倍
- 四肢骨・四肢関節観血手術(手指・足指を除く) 給付金の倍率は10倍
- 筋・腱・靭帯観血手術(手指・足指を除く。筋炎・結節腫・粘液腫手術は除く) 給付金の倍率は10倍
呼吸器・胸部の手術
- 慢性副鼻腔炎根本手術 給付倍率は10倍
- 喉頭全摘除術 給付倍率は20倍
- 気管・気管支・肺・胸膜手術(開胸術を伴うもの) 給付倍率は20倍
- 胸郭形成術 給付倍率は20倍
- 縦隔腫瘍摘出術 給付倍率は40倍
循環器・脾の手術
- 観血的血管形成術(血液透析用外シャント形成術を除く) 給付倍率は20倍
- 静脈瘤根本手術 給付倍率は10倍
- 大動脈・大静脈・肺動脈・冠動脈手術(開胸・開腹術を伴うもの) 給付倍率は40倍
- 心膜切開・縫合術 給付倍率は20倍
- 直視下心臓内手術 給付倍率は40倍
- 体内用ペースメーカー埋込術 給付倍率は20倍
- 脾摘除術 給付倍率は20倍
消化器の手術
- 耳下腺腫瘍摘出術 給付倍率は20倍
- 顎下腺腫瘍摘出術 給付倍率は10倍
- 食道離断術 給付倍率は40倍
- 胃切除術 給付倍率は40倍
- その他の胃・食道手術(開胸・開腹術を伴うもの) 給付倍率は20倍
- 腹膜炎手術 給付倍率は20倍
- 肝臓・胆嚢・胆道・膵臓観血手術 給付倍率は20倍
- ヘルニア根本手術 給付倍率は10倍
- 虫垂切除術・盲腸縫縮術 給付倍率は10倍
- 直腸脱根本手術 給付倍率は20倍
- その他の腸・腸間膜手術(開腹術を伴うもの) 給付倍率は20倍
- 痔瘻・脱肛・痔核根本手術(根治を目的としたもので、処置・単なる痔核のみの手術は除く) 給付倍率は10倍
尿・性器の手術
- 腎移植手術(受容者に限る) 給付倍率は40倍
- 腎臓・腎盂・尿管・膀胱観血手術(経尿道的操作は除く) 給付倍率は20倍
- 尿道狭窄観血手術(経尿道的操作は除く) 給付倍率は20倍
- 尿瘻閉鎖観血手術(経尿道的操作は除く) 給付倍率は20倍
- 陰茎切断術 給付倍率は40倍
- 睾丸・副睾丸
給付金が支給される回数に限度がある場合も
手術給付金は基本的に行われた手術が支払い対象になっていれば何度でも支給されますが、場合によっては支給される回数に制限がかけられていることがあります。
その制限内容は以下のようになっています。
- 同じ日に複数回の手術を受けた場合、行われた手術の中で最も倍率が高い手術分の給付金のみが支払われる
- 特定の手術を複数回受けた場合、60日に1回の限度が定められている
- 特定の治療を行うために複数回の手術を受け、手術費用が1回のみで計算される場合、手術給付金も1回の手術を行ったものとして計算されるか、一定日につき1回として支払われる
- 数日に分けて手術を行う際に手術費用が1日あたりで計算される場合、手術を受けた1日目のみ手術給付金が支払われる
主な制限は以上の通りですが、これらの制限はあくまで一例です。
保険会社によってはさらに細かい制限が設けられている可能性があるので、もしも手術を受けることになった時のことを想定して事前に保険内容を確認しておきましょう。
まとめ
できる限り手術を受けるようなことは避けたいものですが、病気やケガなどによって手術を受けるかもしれないということを考えておく必要性があります。
1回の手術費用は基本的に高額になりやすいので、もしもの時のために手術給付金が受け取れるのか事前に調べておきましょう。
自分が加入している保険によって手術給付金が支払われる対象が違いますし、倍率も手術内容によって変わるので自分がどんな手術を受ければ給付金が支給されるのか確認することが大切です。
まだ医療保険や生命保険に加入していない方で、手術給付金の利用をお考えの方はすぐに加入するのがおすすめです。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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