医療保険は終身保険が良い?今考えるべき保障や特約を解説

医療保険には、終身タイプと定期タイプの2つがあります。将来の病気やケガのリスクに備えて自分に適した医療保険を選択するときに、どちらのタイプにするか迷う人が多いです。
そこで今回は、終身タイプと定期タイプの医療保険の違いを分かりやすく紹介します。保障が一生涯続く終身タイプが良いのか、若いころの保険料が安くて保険の見直しがしやすい定期タイプが良いのか、解説していきます。
次のような人におすすめの記事です。
- 終身タイプと定期タイプのどちらにするか迷っている人
- 終身タイプの医療保険のメリットやデメリットが知りたい人
- 60歳払込満了が気になる人
それではまず、終身タイプの医療保険の基礎からしっかり紹介していきます。
目次
終身タイプの医療保険とは?
終身タイプの医療保険について解説します。終身タイプの医療保険の主な特徴は次の4つです。
- 保険料が一生上がらない
- 一生涯の保障が得られる
- 高齢になっても保障が続く
終身タイプの医療保険は、加入時の年齢に合わせて保険料が決定されます。年齢が低いほど保険料が低いので、早い段階で終身医療保険に加入すれば総支払保険料を少なくできるのが大きな魅力です。
一生保険料が変わらないので、支払い計画が立てやすいのも終身タイプのポイントです。
保険料をしっかり支払えば、一生涯の保障が得られます。後ほど詳しく説明しますが、定期タイプの医療保険は一定の年齢になると保障が受けられない保険商品が多いです。
一方、終身タイプは年齢に関わらず、基本的には死亡するまでのケガや病気に対して一生涯の保障が受けられるため安心です。
一般的に年齢が上がるほど病気になるリスクが高まるので、特に十分な貯金がない人は終身タイプの医療保険がピッタリだと言えます。
終身タイプは医療保障があるだけでなく、貯蓄性がある保険商品もあります。一定期間を経過するとまとまったお金が受け取れたり、配当金が得られたりします。
半ば強制的に保険料を支払うことになるので、自分で貯金ができない人は貯蓄性がある終身医療保険を利用して将来に備える方法もあります。
定期タイプとの違い
続いては、定期タイプの医療保険の特徴を詳しく見ていきます。定期タイプの医療保険の主な特徴は次の5つです。
- 一定期間保障が受けられる
- 5~10年の契約期間で保険契約が消滅する
- 一定期間が経過すると契約を更新する必要がある
- 契約を更新するごとに保険料が上がる可能性がある
- 保険会社が指定した年齢で保障が終わる
定期タイプの医療保険は、保障が一定期間に限定されるのが最大の特徴です。冒頭で少し紹介しましたが、定期タイプの医療保険は5~10年の契約期間を設定し、期間が満了すると契約を更新するか否か選択できます。
定期医療保険で自動更新になっているものは、保障内容を追加したり、別の保険商品に切り替えたりする場合は、保険会社に申告する必要があります。
年齢が若い間の保険料が終身タイプよりも安いので、病気になるリスクや給料が低い若い人に人気があります。
また、定期タイプは契約の更新をするたびに保険料が再設定されます。同一の保障を継続しようとすると、年齢が上がるほど保険料の負担が大きくなる仕組みです。
長期的に定期タイプの医療保険を利用する場合は、終身タイプと比較すると総支払保険料が高額になりやすいです。
多くの定期医療保険は、70歳や80歳になると契約更新ができません。高齢になるほどケガや病気になる可能性が高くなるので、保険会社からすると大きなリスクになります。
保険料を上げても保険会社が抱えるリスクが大きすぎるため、更新ができないケースがほとんどです。
保険契約の流動性が高く、ライフスタイルやライフイベントなどに合わせて保障内容を自由に選択できるのが定期タイプの医療保険の大きなメリットです。
若い間の保険料が低い特徴もありますが、長期的に契約すると総支払保険料が高くなる可能性もあります。
また、契約期間が満了すると保険契約を更新する必要があり、その度に保険料が上がる点がデメリットとして挙げられます。高齢になると病気になるリスクが高くなり、契約更新ができないケースもあるので注意が必要です。
終身と定期を比較!どっちがおすすめか
これまでに説明した、終身タイプと定期タイプの医療保険の主な特徴をまとめると次の表のとおりになります。
終身タイプ | 定期タイプ |
---|---|
保険料が一生上がらない 一生涯の保障が得られる 高齢になっても保障が続く | 一定期間保障が受けられる 5~10年の契約期間で保険契約が消滅する 一定期間が経過すると契約を更新する必要がある 契約を更新するごとに保険料が上がる可能性がある 保険会社が指定した年齢で保障が終わる |
終身タイプと定期タイプはそれぞれまったく特徴が異なり、どちらか一方のおすすめができません。すべての人に終身タイプの医療保険が必要かと言えば、そうではないということです。
終身タイプと定期タイプの医療保険の保険料を比較してみましょう。今回は例として保障内容が同じ保険商品(手術給付金5万円、入院給付金日額5,000円)で、30歳の男性が70歳まで加入した場合について解説します。
定期 タイプ (月額) | 終身 タイプ (月額) | 定期- 終身の 差額 | |
---|---|---|---|
30歳~40歳 | 840円 | 1,470円 | -630円 |
41歳~50歳 | 960円 | 1,470円 | -510円 |
51歳~60歳 | 1,480円 | 1,470円 | 10円 |
61歳~70歳 | 2,940円 | 1,470円 | 1,470円 |
総支払保険料額 | 746,400円 | 706,500円 | 39,900円 |
参考:保険の教科書|終身医療保険はなぜ人気?必ず知っておきたい3つの理由
終身タイプは加入してからずっと同額の保険料ですが、定期タイプは年齢が上がるにつれて保険料もアップします。
それぞれの総支払保険料額の計算は以下のとおりです。
終身タイプの計算式 | 定期タイプの計算式 | |
---|---|---|
1,470円×12か月×40年間 =706,500円 | 30歳~40歳 | 840円×12か月×10年=100,800円 |
41歳~50歳 | 960円×12か月×10年=115,200円 | |
51歳~60歳 | 1,480円×12か月×10年=177,600円 | |
61歳~70歳 | 2,940円×12か月×10年=352,800円 | |
総額 | 100,800円+115,200円+177,600円+352,800円=746,400円 |
参考:保険の教科書|終身医療保険はなぜ人気?必ず知っておきたい3つの理由
なお、上の表をグラフにすると次のとおりです。
参考:保険の教科書|終身医療保険はなぜ人気?必ず知っておきたい3つの理由
30歳~40歳、41歳~50歳は終身タイプの保険料の方が高いですが、51歳~60歳以降は定期タイプの方が高額になることが分かります。
ここまで、終身タイプと定期タイプの違いについて解説してきましたが、医療保険は自分に合った保険商品を適切に選択しなければ、十分な価値が得られません。そこで、終身保険に適した人と定期保険に適した人の特徴を分けて紹介します。
終身タイプの医療保険に適した人
終身タイプの医療保険に適した人は、以下のような人です。
- 総支払保険料をできるだけ安く抑えたい人
- 年齢に限定されず、一生涯の保障が欲しい人
- 将来の医療費にかかるお金が不安な人
- 年齢が40代以上の人
- 入院や手術に対応できるベースになる保険に加入したい人
- 退職してから高い保険料を払える自信がない人
- 安定した収入の維持が難しい人
定期タイプの医療保険に適した人
定期タイプの医療保険に適した人は、以下のような人です。
- 月々の保険料を安く抑えたい人
- とりあえず医療保険の契約がしたい人
- ライフステージに合わせて保険を見直したい人
- 最新の保険商品に切り替えたい人
- 年齢が20~30代の人
- 一定期間だけ保障を手厚くしたい人
- 既に終身医療保険に加入していて、プラスで保障を得たい人
医療保険なら60歳払込満了か、終身払いか?
終身医療保険の保険料の支払い方法には、60歳払込満了と終身払いがあります(保険商品によっては65歳払込満了などもあります)。
60歳払込満了は、60歳まで保険料を支払う必要がありますがそれ以降は金銭的な負担がなく、保障が一生涯続きます。
60歳以降の保険料を現役時代に先払いして将来の保障を得る支払い方法なので、一度に支払う保険料が高く設定されている点に注意が必要です。
しかし、総支払保険料額でみると60歳払込満了の方が少なくなる場合があるので、お得な保険料の支払い方法だと言えます。他の保険に切り替えることを考えていない人に適しています。
一方、終身払いは医療保険に加入してから基本的には一生涯保険料を支払う方法です。60歳払込満了と比較すると終身払いの方が毎月の保険料が低い特徴があります。生活にかかる負担が少なくすむ点が終身払いの魅力です。
60歳払込満了と終身払いのどちらにもメリットがあるので、想定される契約期間や日々の生活費などを考えて保険料の支払い方法を選択するのがポイントです。
60歳払込満了 | 終身払い | |
---|---|---|
メリット | 総支払保険料が抑えられる 60歳以降に保険料を支払わずにすむ | 毎月の保険料が安い 保険の見直しがしやすい |
デメリット | 月々の保険料が高い | 一生涯保険料を支払わなければいけない |
終身医療保険のデメリットや注意点
最後に、終身医療保険のデメリットや注意点について詳しく解説します。
メリットとデメリットの両方を踏まえてから医療保険を選択するのがポイントです。
医療保険は、万が一の事態に備える大切な契約なので、注意点をしっかり押さえておきましょう。
終身医療保険のデメリットは、次の3つです。
- 年齢が若い間の保険料が高めに設定されている
- 保険の見直しをするタイミングがわかりづらい
- 途中解約すると返戻金が出ない場合がある
終身医療保険は、加入時の年齢に合わせて生涯支払う保険料が決定されます。一般的に保険料は年齢が若いほど安くなります。
よって、できるだけ早い段階で終身医療保険に加入すれば、定期医療保険と比較すると総支払保険料が低くなるのが大きなメリットです。
一方で、若いうちの終身医療保険の保険料は定期医療保険よりも高めに設定されています。長い目で見ると保険料がお得になる終身医療保険ですが、長期的な加入意思がない場合は定期医療保険の方が適しています。
終身医療保険は基本的に加入者が死亡するまでの契約を前提にしているため、保険の見直しをするタイミングがわかりづらいというとデメリットがあります。
定期医療保険と違って、契約更新などがないので定期的に保険の見直しをすることを意識しましょう。
医療技術は目まぐるしく変化しているので、医療保険を契約してから死亡するまでの間に必要な保障が変わる可能性があります。
既存の保険契約に十分な保障がない場合は、別の医療保険を契約しなければいけません。そうなると、今まで支払っていた金額よりも高い保険料を支払う可能性があるので気を付けましょう。
終身医療保険はメリットだけでなく、契約の性質上デメリットもありますが注意点を踏まえた上で契約すれば将来のリスクに備えられる保険商品です。将来に金銭的な不安がある人は終身医療保険がおすすめです。
終身保険と定期保険の両方にメリットがある
あくまでも現状は、多くの保険会社が終身医療保険に力を入れていると言われています。
定期保険と比較すると内容がシンプルで、毎月の保険料が安くて分かりやすい終身医療保険を選ぶ人が多い状況です。
そのため、定期保険より終身保険の方が積極的な価格競争が実施されているので、保険料が低下する傾向にあります。
しかし、終身タイプと定期タイプの医療保険はそれぞれまったく違う特徴があるので、一概にどちらがお得とは言えません。加入時の年齢や保険商品に対する意向などに合わせて選択することが大切です。
終身保険と定期保険のメリット・デメリットを理解しないまま、適当に医療保険に加入することはおすすめしません。
自分の収入状況や家族の人数、ライフステージなどを見直してどのような医療保障が必要なのか検討することが重要です。
今回紹介した内容を参考に、幅広い視野を持って自分に合った医療保険を選択しましょう。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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