出産にかかる費用の控除方法と手続きの仕方を解説!

出産費用は医療費控除で利用できる?制度の仕組みと確定申告の手続き方法
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妊娠から出産、そして産後しばらくの期間は何かとお金がかかるもの。

出産育児一時金など、国や自治体からの助成金・補助金もありますが、それだけで全ての出産費用を賄うことは難しいでしょう。

産休・育休中は給料収入も減るため、なるべく節約して過ごしたいですよね。

そこでおすすめなのが「医療費控除」の申告です。

医療費控除は病気やケガに対する治療費の控除が受けられる制度という印象ですが、実は出産費用の中にも医療費控除の対象となるものがあります。

ここでは、医療費控除の制度や対象となる出産費用の種類、実際にいくら戻ってくるのかを計算する方法などをまとめて解説。

出産費用を安く抑えたい方、節税してより多くの還付金を受け取りたい方はぜひご参照くださいね。

出産費用は医療費控除で返ってくる?

毎年の確定申告で発生する「所得税」ですが、これは前年度の収入から生活する上で必要な支出を差し引いた金額に対して課せられる税金のことです。

収入から支出を差し引くことを「控除」といい、災害などで損害を受けた際に適用できる「雑損控除」、ふるさと納税に対する「寄付金控除」など全部で14種類あります。

医療費控除も確定申告の際に受けられる控除の1つで、主にケガや病気の治療費に適用されます。
医療費を申告することで課税対象となる所得が減り、結果として所得税を節約できるというのが控除の役割です。

控除された金額にかかる税金は「還付金」という形であとから返ってきます。
申告した費用がそのままもらえると誤解されがちですが、そうではありませんので注意しましょう。

医療費控除とは

医療費控除とは、支払った医療費や出産費用に対して税金の控除が受けられる制度のことです。
確定申告を行うことで還付金が支払われるため、税金の節約に効果的な手段とされています。

医療費控除は誰でも利用できるというわけではなく、1年間(1月から12月)で10万円以上の医療費を支払った方のみが対象です。

ただし年間所得が200万円未満の場合は、支払った医療費が所得の5%を超える金額であれば対象に含まれます。

妊娠・出産費用は高額になることが多いので、出産育児一時金などの助成金を受けた場合でも医療費控除を受けられる可能性は高いでしょう。

また夫や子供など同一生計の家族にかかった医療費も合計できるため、家族全体で10万円を超えていれば医療費控除が適用できます。

では、実際に妊娠・出産に関わる費用の中で医療費控除の対象となる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。

続いて医療費控除の対象となる費用、逆に対象にはならない費用をそれぞれ詳しく見ていきます。

医療費控除の対象となる出産費用

出産費用の中で医療費控除の対象となる費用には以下のようなものがあります。

  • 妊娠中の定期健診や検査にかかる費用
  • 出産前の入院・分娩費用
  • 通院で利用する公共交通機関の運賃(バス・電車)
  • 緊急時にやむを得ず利用したタクシー代
  • 入院中に病院から提供された食事の費用

これらの費用を計上するには支払ったことを証明できなければならないため、日頃から領収書をもらうようクセづけおきましょう。

バスなど領収書がもらえないケースについては、自分自身で家計簿やメモアプリなどに記録して説明できるようにしてあれば問題ありません。

医療費控除の対象にならない出産費用

妊娠・出産に関わる費用であっても、以下のようなものは対象外となります。

  • マイカーでの通院にかかるガソリン代・駐車場代
  • 里帰り出産の帰省費用
  • 入院中に購入したパジャマや下着などの衣服・洗面用品
  • 入院中に出前をとったり外食したりした際の費用
  • 自己都合で個室を選択した場合のベッド代金差額
  • 退院の際の医師や看護師に対する謝礼金

この他、脱毛やエステなど美容のための費用や嗜好品の購入費用なども対象外です。

女性である以上、服装などの見た目や小物などのインテリアが気になるのは仕方のないことですが、費用は自分持ちとなるので買い過ぎには注意。

医療費控除の対象となる費用は、あくまでも治療のために必要なもののみとなります。

「この費用は医療費控除が適用できるかな?」と迷ったときは、その費用が出産にかかわる治療・療養のために欠かせない費用なのかどうかを基準に考えると良いでしょう。

自分で判断ができないという場合は、病院の窓口や管轄の税務署で相談にのってもらえます。

実際に返ってくる出産費用はいくら?

医療費控除が適用できる費用の種類が分かったら、実際にいくらぐらいのお金が戻ってくるのか計算してみましょう。

最初にもお伝えしましたが、医療費控除を申告したからと言って支払ったお金がそのまま戻ってくるわけではありません。

医療費控除は確定申告を行うことで支払う所得税を軽減できる仕組みです。

かかった医療費が同じでも、確定申告を行う人の所得金額や出産育児一時金などの差し引きによって還付額は大きく異なるので注意が必要です。

ここでは医療費控除として認められる金額と、最終的に還付金として戻ってくる金額の計算方法を解説。
おおよその金額を当てはめながら、いくら戻ってくるのかをシミュレーションしてみてくださいね。

医療費控除の計算方法

まずは医療費控除の対象となる金額の計算をしてみましょう。
医療費控除は次の計算式で求めることができます。

支払った医療費の合計 - 保険金などの補填額の合計 - 10万円

支払った医療費とは、先ほど挙げた医療費控除の対象となる費用を合計したもののことです。
妊娠・出産に関わる費用と合わせて家族の医療費なども合計しましょう。

保険金などの補填額とは、出産育児一時金や高額療養費、また共済組合に加入している場合に支給される出産費など、医療費を補助する目的で受け取ったお金のことです。

すでに補填された分は控除から除外するという計算になります。

最後に所得が200万円以上の方は一律で10万円が差し引かれます。(所得が200万円未満の場合は5%分)
そもそも医療費控除を受けるためには1年間(1月から12月)で10万円以上の医療費を支払っていること、という条件があるからです。

例えば、出産費用に80万円かかり、出産育児一時金などの補助金が50万円出ていた場合は以下のようになります。

※ここでは計算を分かりやすくするため、出産費用以外の医療費は考慮していません。
80万円 - 50万円 - 10万円 = 20万円
この20万円が医療費控除額として計上できるお金になります。

還付金の計算方法

続いて実際に戻ってくる還付金額の計算をしてみましょう。
還付金は次の計算式で求めることができます。

医療費控除額 × 所得税率

医療費控除額は前項で計算した金額のことです。
所得税率は確定申告を行う人の所得額によって異なるので、下表を参考に自分自身の税率を確認してみてください。

課税対象の所得金額 所得税率
195万円以下 5%
195万円超・330万円以下 10%
330万円超・695万円以下 20%
695万円超・900万円以下 23%
900万円超・1,800万円以下 33%
1,800万円超・4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

例えば、医療費控除額が20万円、課税対象となる所得金額が400万円(所得税率20%)の場合は以下のようになります。

20万円 × 20% = 4万円

この4万円がとして還付金として戻ってくるお金になります。

少し遠回りになりますが、支払う税金額から求める方法でも答えは同じです。

上記の場合、そのままだと400万円に税率20%がかかるので、税金は80万円です。
医療費控除の申告をすると、400万円から控除額20万円を引いた380万円に税率20%がかかり、税金は76万円となります。

この差額4万円が払い過ぎた税金として還付されるということです。

還付金は所得税率で計算されるため、同じ医療費控除額でも人によって還付される金額が異なります。
より多くの所得税を払っている人ほど還付金が高くなりますので、出産した本人に限らず家族の中で最も所得のある人が確定申告を行うのがおすすめです。

出産費用の医療費控除を行うメリット

医療費控除を行うことで、金銭面において以下のようなメリットがあります。

  • 還付金として一部の税金が戻ってくる
  • 所得が下がることで翌年の税金が抑えられる
  • 自治体によっては保育費の減額が受けられる

それぞれの詳細を見ていきましょう。

還付金として一部の税金が戻ってくる

還付金についてはここまでお伝えしてきた通りです。
医療費控除の申告をすると、所得金額から控除額を差し引くことができ、結果として支払う税金が安く済みます。

払い過ぎた分の税金は還付金として申告後1か月~1か月半程度で口座に振り込まれます。

所得が下がることで翌年の税金が抑えられる

多くの税金は所得をもとに計算されているため、所得が下がれば当然支払う税金も安くなるのです。

例えば住民税の場合、計算の一部に「所得の10%」という式が含まれています。
住民税は毎月納めるものですから、ここの金額が抑えられるのはメリットが大きいですよね。

自治体によっては保育費の減額が受けられる

前年度の所得額が大きく下がった年や、出産をして家族が増えた年など一定の条件を満たす場合に、保育費が減額される制度があります。

制度を利用するには減額の申請書を提出する必要があり、自動的に適用されるものではないので注意。
条件や基準は自治体によって様々ですので、住民票を置いている市区町村に確認してみると良いでしょう。

確定申告での医療費控除の手続き方法

医療費控除の手続きは確定申告で行います。
通常、会社員やパート・アルバイトの方は会社側で年末調整を行うため確定申告をしないことがほとんどでしょう。

しかし、年末調整で申告できる控除の種類は配偶者控除や扶養控除など一部に限られており、医療費控除は受けることができません。

出産費用を節約するために医療費控除を活用するのであれば、確定申告は避けて通れないのです。
現在は簡単に確定申告書の作成まで行えるソフトも多数販売されているので、導入を相談してみても良いでしょう。

医療費控除を受けるために必要な書類

確定申告に必要な書類は以下の通りです。

  • 確定申告書
  • 医療費の明細書
  • 源泉徴収票
  • マイナンバー通知カードのコピー
  • 身分証明書のコピー

確定申告書

確定申告書の様式を国税庁のWEBサイトから印刷し、医療費控除を含む必要事項を記入しましょう。
会計・経理ソフトを使っている場合は入力まで完了した状態で印刷できるので便利です。

医療費の明細書

医療費の明細書も国税庁のWEBサイトから印刷することが可能。
こちらは医療費の支払い履歴が分かれば書き方は自由なので、手書きでもエクセルで作成・印刷したものでも良いです。

ちなみに、2017年から医療費の領収書については提出が不要となりました。
ただし、医療費の明細書について証明を求められた際には領収書を提示できる状態にしておく必要があります。

また5年間は自宅で保管することが義務付けられているので、捨てないよう注意しましょう。

源泉徴収票

源泉徴収票は年末調整の際に会社から受け取る書類です。
失くしてしまうと再発行の手間がかかるので、確定申告を行うまでは大切に保管してください。
夫婦で共働きをしている場合はそれぞれの源泉徴収票が必要となります。

マイナンバー通知カード・身分証明書のコピー

マイナンバー通知カードと免許証など身分証明書のコピーは本人確認書類として同封します。

この他、還付金を振り込む口座の記入と捺印が必要な箇所があるため、通帳など口座番号が分かるものと印鑑を合わせて用意しておくとスムーズです。

よりお得に手続きするためのポイント

最後に、医療費控除を申告する際に知っておくと良いポイントをご紹介。
うっかり申告を忘れてしまった場合の対処や医療費控除の適用額に満たない場合に活用すべき制度など、以下の3つのポイントを押さえてお得に手続きを行いましょう。

  • 医療費控除は過去5年まで遡って申告できる
  • 同一生計の家族の中で所得が高い人が申告するとお得
  • 医療費が10万円未満の場合はセルフメディケーション税制の利用がおすすめ

医療費控除は過去5年まで遡って申告できる

医療費控除は申告期限が5年間と定められています。
妊娠や出産の時期は忙しくて準備ができない可能性もあるので、その場合は無理に確定申告を行わず、翌年にまとめて申告するという形でも問題ありません。

また今まで医療費控除の仕組みを知らなかったという方も、この機会に過去の領収書を集めて申告してみてはいかがでしょうか。

同一生計の家族の中で所得が高い人が申告するとお得

還付金の計算方法の部分で少しお伝えしましたが、所得金額が大きいほどもらえる還付金も増えます。
医療費控除の申告は夫婦どちらでも可能なので、共働きの場合はより所得の大きい方が申告することをおすすめします。

医療費が10万円未満の場合はセルフメディケーション税制の利用がおすすめ

セルフメディケーション税制とは、ドラッグストアなどで市販されている一部の医薬品を対象とした控除の制度です。
年間の購入額が12,000円を超えた場合に適用されるため、医療費控除と比べてハードルが低いのが特徴。

予防接種や健康診断など特定の検査を受けている必要があるなど条件はありますが、出産費用を含め年間の医療費が10万円未満であれば利用を検討してみてください。

ただしセルフメディケーション税制は医療費控除との併用ができません。
医療費が10万円を超える年は医療費控除を利用した方がお得になるので、医療費を計算してからどちらを選ぶか相談すると良いでしょう。

まとめ

  • 医療費控除を受けるには確定申告が必要
  • 還付金が受け取れたり翌年の税金が安くなったりと金銭的メリットが大きい
  • 還付金額は受け取った助成金や所得によって変わる

妊娠・出産・産後の時期はバタバタしていて確定申告まで気が回らないかもしれません。
妊娠の予兆が出たり、実際に妊娠が分かったりした時点で、医療費控除の申告がスムーズに行えるよう領収書の保管方法などを相談しておくと良いでしょう。

出産費用がお得になるだけでなく、出産後の税金などにもメリットがあるので、きちんと仕組みを知って活用してくださいね。

 

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