日本の公的医療保険制度はすごい!諸外国と比較してわかるメリット

諸外国と比較しても分かる充実ぶりの公的医療保険制度
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日本の公的医療保険制度は、諸外国と比較すると非常に充実していると定評があります。一方、具体的にどのような保障が優れているのか、詳しく把握している人はあまり多くありません。

今回は、日本の公的医療保険制度の概要から詳細まで解説していきます。知識があるだけで、もしものときに落ち着いた対応ができるのでしっかり押さえておきましょう。

次のような人にピッタリの内容の記事になっています。

  • 公的医療保険制度が分からない人
  • 分かりやすく医療保険の保障を知りたい人
  • 高額療養費や出産育児一時金・出産手当金が気になる人

それでは、最初に公的医療保険の概要を紹介します。基礎的な情報を見ていきましょう。

公的な医療保険制度の概要

国の公的医療保険制度は、ケガや病気をしたときなどに医療費の負担が軽減される制度です。

公的医療保険にはいくつかの種類がありますが、日本国民は必ずいずれかの保険に加入しています。これを国民皆保険制度と言いますが、以下の4つが諸外国にはない日本の特徴です。

  • 自由に医療機関を選択できる
  • 国民全員が公的医療保険で保障されている
  • 高度な医療を安い医療費で受けられる
  • 社会保険方式が基本になっている

公的医療保険制度があるおかげで、保険適用の医療を病院などで受けると自己負担分の金額を支払うだけで済みます。保険料を保険者に対して支払うことでこの制度は成り立っています。

アメリカは医療保険制度がない!?

日本は全国民が公的医療保険制度を利用することになっていますが、アメリカにはこうした制度はありません。そのため、民間の医療保険に加入したり、勤務先などの団体保険に加入したりすることになります。

年齢が65歳以上の人や障がい者に対してはメディケアと呼ばれる国の公的医療制度があり、低所得者にはメディケイドという制度があります。メディケイドは州が運営しているため、制度の詳細な内容や条件が異なるのが特徴です。

アメリカの健康保険制度は見直しが進められている途中なので、今後体制が大きく変わる可能性があります。

公的医療保険の種類

冒頭で少し触れましたが、公的医療保険は主に次の3つに分けられます。

  • 国民健康保険
  • 社会保険
  • 後期高齢者医療制度

それぞれ加入者の条件や医療費の自己負担額などが異なるので、保険の種類による違いを詳しく見ていきましょう。

国民健康保険

国民健康保険は平成30年4月から都道府県と市区町村が運営をしていて、加入者は次のような人です。

  • 自営業者とその家族
  • 年金生活者
  • 無職の人
  • 農業従事者
  • 日本に長期在留する外国人

国民健康保険の保険料は前年の所得や年齢などをもとに計算され、自治体によって所得割、資産割などがあります。国民健康保険料の年税額は次の式で計算されるのが一般的です。

国民健康保険料=所得割+資産割+均等割+平等割

税率などは自治体によって異なりますが、役所で自動計算された国民健康保険料を納めることになります。世帯の前年の所得が少なく基準を満たす場合は、保険料の軽減措置が取られます。

国民健康保険料は世帯ごとに算出されるので、世帯内に加入者がいると世帯主が納付義務者になります。世帯主が国民健康保険以外の公的医療保険に加入していても、納付義務者なので世帯全員分の保険料を納付する仕組みです。

医療費の自己負担額75歳以上の者は、1割(現役並み所得者は3割。)
70歳から74歳までの者は、2割※(現役並み所得者は3割。)
70歳未満の者は3割。6歳(義務教育就学前)未満の者は2割
※平成26年4月以降70歳となる者が対象。
高額療養費
出産育児一時金
傷病手当金×
出産手当金×

なお、高額療養費、出産育児一時金、傷病手当金、出産手当金については記事の後半で詳しく説明するので、しっかり内容をチェックしてください。

社会保険

全国健康保険協会や企業などが設立した健康保険組合が運営するのが社会保険です。加入対象者は、民間企業に勤める会社員や勤務先の社会保険に加入している人です。

正社員はもちろん、アルバイトやパートタイムなどの雇用形態でも労働時間などの条件を満たせば加入できます。

企業の健康保険組合の組合管掌健康保険は組合健保と呼ばれ、全国健康保険協会のものを協会けんぽと言います。組合健保の加入者はグループ企業や大企業の従業員がほとんどで、協会けんぽは中小企業で働く人が多いです。

社会保険料は標準報酬月額によって決定され、被保険者と会社が労使折半する仕組みです。

標準報酬月額とは、健康保険料や厚生年金保険料を算出するために使われる金額で、基本給や通勤手当などをもとに計算されるので人によって異なりますが、次の4つの決め方があります。

定時決定毎年4~6月の3か月の報酬平均で報酬月額を見直して決定する。
特別な理由がない限り、
決定された年の9月1日から翌年8月31日までの1年間、
定時決定された報酬月額が適用される。
資格取得時決定入社時など新しく健康保険に加入したときに実施される。
被保険者資格取得届を記入して届ける必要がある。
臨時決定給料が大きく変わったときに標準報酬月額を見直して決定する。
基本的に定時決定された標準報酬月額は変更されないが、
大幅に給料が下がったり上がったりした場合に
実態に即した保険料にするために実施される。
育児休業等終了時改定育児休業後に職場復帰をしたときの給料が低下した場合に実施される。
臨時改定と同様に給料が大幅に低下していなければ行われない。

なお、標準報酬月額の算出時に報酬としてみなされるものには以下のようなものがあります。

  • 基本給
  • 通勤手当
  • 残業手当
  • 住宅補助
  • 食事補助
医療費の自己負担額75歳以上の者は、1割(現役並み所得者は3割。)
70歳から74歳までの者は、2割※(現役並み所得者は3割。)
70歳未満の者は3割。6歳(義務教育就学前)未満の者は2割
※平成26年4月以降70歳となる者が対象。
高額療養費
出産育児一時金
傷病手当金
出産手当金

後期高齢者医療制度

年齢が75歳以上か65歳以上で一定の障害を持つ人が後期高齢者医療制度に加入します。医療費の自己負担額は1割の人がほとんどですが、現役並みの所得がある場合は3割負担です。後期高齢者医療制度の基本的な保険料は、所得割額と均等割額の合計で算出され、それぞれの保険料率は以下のとおりです。

高額療養費制度とは

1か月間の医療費が上限を超えた場合に、超過分の金額が支給されるのが高額療養費制度です。

毎月1日から末日までの間に薬局や医療機関で払った金額をもとに算出され、上限額や所得や年金によって決定されるのでひとりひとり異なります。

全額自己負担で受ける医療にかかる費用は対象外で、公的医療保険制度の適用範囲で算出されます。

例えば、以下の費用は高額療養費制度の対象外です。

  • 通院や入院時の交通費
  • 入院時の食事代や差額ベッド代
  • 審美目的(美容整形など)の治療費
  • 公的医療保険適用外の治療費(自由診療や先進医療など)

高額療養費制度は年齢が69歳以下と70歳以上の人とで上限額の計算方法が違うので、簡単に表にまとめました。なお、70歳以上の医療費の自己負担額は2018年8月に改正されたので、最新情報をお伝えします。

【69歳以下の上限額】

適用区分世帯ごとの
ひと月の上限額
年収約1,160万円~
健康保険:標準83万円以上
国民健康保険:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+
(医療費‐842,000円)×1%
年収約770万~約1,160万円
健康保険:標報53万~79万円
国民健康保険:旧ただし書き所得600万~901万円
252,600円+
(医療費‐842,000円)×1%
年収約370万~約770万円
健康保険:標報28万~50万円
国民健康保険:旧ただし書き所得210万~600万円
252,600円+
(医療費‐842,000円)×1%
~年収約370万円
健康保険:標報26万円以下
国民健康保険:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者35,400円

【70歳以上の上限額】

適用区分ひと月の上限額
外来
(個人ごと)
(世帯ごと)
年収約1,160万円~
標準報酬月額83万円以上/課税所得690万円以上
252,600円+
(医療費‐842,000円)×1%
年収約770万~約1,160万円
標準報酬月額53万円以上/課税所得380万円以上
167,400円+
(医療費−558,000円)×1%
年収約370万~約770万円
標準報酬月額28万円以上/課税所得145万円以上
80,100円+
(医療費−267,000円)×1%
年収156万~約370万円
標準報酬月額26万円以下/課税所得145万円未満
18,000円
(年144,000円)
57,600円
Ⅱ住民税非課税世帯(Ⅰ以外の人)8,000円24,600円
Ⅰ住民税非課税世帯(年収80万円以下など)8,000円15,000円

高額療養費制度を利用するには、次の2種類の方法があります。

  • あらかじめ申請して、医療機関の窓口で自己負担限度額だけ支払う方法
  • 医療機関の窓口で自己負担額を支払い、後から払い戻しを受ける方法

事前に保険者に対して限度額適用認定証を申請すれば、医療機関の窓口で自己負担限度額内でお金を支払うことになります。医療費が高額になることが予想される場合は、限度額適用認定証の申請を保険者に提出して認められると認定証が交付されます。医療機関の窓口で認定証をその都度提出すると高額療養費制度をスムーズに利用できる仕組みです。

出産育児一時金と出産手当金について、傷病手当金との関係を交えて解説

出産育児一時金と出産手当金は、どちらも妊娠や出産にかかる費用をサポートする制度です。制度名がよく似ていますが支給条件や内容などが異なるので、それぞれの違いを明確にしていきます。

出産育児一時金

赤ちゃんを生んだ場合、1児に対して42万円が支給される制度です(産科医療保障制度に未加入の医療機関などで生んだ場合の支給額は40.4万円)。早産や流産、人工中絶などであっても妊娠してから4か月(85日)以上であれば、支給対象とみなされます。

出産に伴い、勤めていた会社を退職した場合の健康保険の加入状況としては次の3パターンがあります。

  • 国民健康保険に加入する場合
  • 夫の扶養に入る場合
  • 退職先の社会保険に加入し続ける場合

退職をした後、国民健康保険に加入した場合は出産育児一時金の申請を国民健康保険の担当先に申請します。

自治体によって異なりますが、市役所などで手続きができるところがほとんどです。申請後に何も問題がなければ出産育児一時金を受け取れます。

夫の勤務先の社会保険に加入した場合は、保険者に申請すると家族出産育児一時金(出産育児一時金と同額)を受け取れます。

勤務先の担当部署に申請方法などを確認する必要があるので、夫に手続きをお願いしましょう。

一定の条件を満たすと、退職後でも退職先の健康保険の保険者から出産育児一時金を受け取れます。

重複して出産育児一時金の受け取りはできませんが、出産してから2年以内なら申請ができます。退職した会社の健康保険を使って一時金を受け取る場合の一定条件は以下のとおりです。

  • 退職してから6か月以内の出産であること
  • 出産時に妊娠してから4か月以上経っていること
  • 退職日までに1年以上の加入期間があること

出産手当金

社会保険の加入者で産休を取得した人を対象に支払われるのが出産手当金です。

産前産後に関わらず、出産のために休暇を取得した場合に支給されます。出産手当金は国民健康保険の加入者は受け取れないので気を付けましょう。

出産手当金は以下の式で計算されます。

1日当たりの支給金額=支給開始日前の12か月間の標準報酬月額の平均÷30×3分の2

出産手当金支給開始日以前に転職などで社会保険の加入期間が12か月に満たない場合は、次の2つを比較して少ない方の額で出産手当金が計算されます。

  • 当該年度の前年度の9月30日時点での全被保険者の同月標準報酬月額の平均額
  • 出産手当金の支払開始日が属する月以前に継続した各月の標準報酬月額の平均額

一般的に出産手当金は出産日から2か月半から4か月後に支払われますが、産前産後に分けて申請もできます。複数回に分けて受給する場合は事前に手続きが必要なので、産休前に会社に相談することがポイントです。

出産手当金と傷病手当金の併用はできない

業務外のケガや病気で仕事ができない場合に受け取れるのが傷病手当金です。

4日以上欠勤していて、会社から給与の支払いがないなどの条件を満たすと健康保険から給付を受けられる制度ですが、出産手当金との併用はできません。

なお、出産手当金と傷病手当金の両方の対象になった場合は、出産手当金だけが支給されます。仮に、支給された出産手当金の金額が傷病手当金より少ない場合は、請求すると差額が支給される仕組みになっています。

日本の公的医療保険は充実している

公的医療保険を100%理解するのは難しいかもしれませんが、非常に充実した制度などできちんと知っておくともしものときに役に立ちます。

毎月指定された保険料を義務的に支払うのではもったいないです。しっかり公的医療保険制度を利用することをおすすめします。

参考サイト:
https://www.rakuten-life.co.jp/learn/article/public/
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html

 

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