年金の納付方法と年金記録の確認方法&「ねんきんネット」の使い方

私たちの住む日本では、社会保険によって公的な年金制度が整えられています。
将来の備えともなる重要な年金ですが、65歳となったときに自身が受け取れる具体的な金額を把握していないまま、
現在何となく保険料を納付しているという人も多いのではないでしょうか。
将来の生活設計を考えるうえでも、年金の受給額を知っておくことは大切です。
そこでぜひ活用してもらいたいのが「ねんきんネット」です。
ねんきんネットは、自身の年金に関するさまざまな情報をいつでも確認できる便利なサービス(です)。今回はこのねんきんネットの活用方法について詳しくご紹介します。
目次
年金の納付方法の種類
国民年金保険は「基礎年金」とも呼ばれていて、20~60歳の国民が必ず加入しなければならないものです。
老齢基礎年金を受給するためには、この加入対象期間に最低10年以上の保険料を納めなくていなければいけません。
保険料の金額は定額で、毎年見直しが行われるようになっています。
平成31年(平成31年4月から平成32年3月まで)の国民年金の保険料は月額16,410円で、保険料の納付の方法は、被保険者の種類によって異なります。
被保険者 納付の方法
- 第1号被保険者
- (自営業・学生・フリーター等) 納付書を用いて納付・口座振替など
- 第2号被保険者
- (会社員・公務員等) 給与から天引き
- 第3号被保険者
- ((専業主婦・パートタイマ―等) 厚生年金、共済組合が制度によって負担することから、国民年金保険料を自ら納める必要はなし
この表を見ても分かるように、第2号被保険者の人と第3号被保険者の人は自身で直接納付する必要はありません。
しかし、自営業の人や学生、フリーター、農業・漁業に従事している人など第1号被保険者にあたる人は、自身で国民年金の保険料を納める必要があります。では、保険料の納付には具体的にどのような方法があるのでしょうか。
納付書による納付
納付書は日本年金機構から毎年4月上旬ごろに発送されます。毎月もしくは前納単位で全国の金融機関や郵便局、コンビニエンスストアなどで納付することが可能です。また、納付書にはペイジーマークというものが記載されていて、ネットバンキングやATMを使っての納付にも対応しています。
口座振替による納付
指定した金融機関や郵便局の口座から、毎月もしくは前納単位で保険料を納付する方法。手続きは、指定したい口座の金融窓口または年金事務所などで申し込みすることができます。
クレジットカードによる納付
クレジットカードを使って保険料を納付する方法。手続きは年金事務所にて行うことが可能です。
また、保険料は毎月16,410円を支払う方法のほかに、「6ヵ月前納」・「1年前納」・「2年前納」を選択することも可能です。前納制度を利用すると、月払いする方法に比べると少し保険料が割り引かれるため、年金をお得に受け取りたいという人は検討してみるとよいでしょう。
年金記録の確認はネットで
上述したように国民年金の保険料は定額となっていますが、老後に受け取ることのできる年金額は、加入期間や保険料の納付状況によって個人差があります。
この加入期間や納付状況など自身の年金記録を確認できる方法はいくつかありますが、最も主流なのは「ねんきん定期便」で確認する方法です。
ねんきん定期便は日本年金機構が加入者全員を対象に送付するものであり、全期間の年金加入記録が記載されています。
通常は毎年誕生月にはがきで郵送されますが、35歳・45歳・59歳のときには封書で郵送される形となっています。
また、ねんきん定期便以外では、ネット環境がある人は「ねんきんネット」が便利です。
これは、日本年金機構が提供するサービスで、スマートフォン携帯や自宅のパソコンで24時間いつでも最新の記録を確認することができます。
将来年金の加入実績に適した年金額を受け取るためには、加入記録が正確に管理されていることが求められます。
しかし、年金の加入記録には、まれに内容に漏れや誤りなどがあるケースがあり、内容不備のまま管理されてしまっていると、加入者が将来受け取れる年金額に影響を及ぼしてしまうこともあります。そのため、自身の目で加入記録に不備がないか定期的にチェックすることが大切です。
もし、不備を発見した場合や疑いがあった場合には、近くの年金事務所にすみやかに申し出るようにしましょう。正確な年金加入記録の確調査を行ったうえで、不備ありとみなされた場合には年金記録の内容を訂正してもらうことができます。
ねんきんネットで「できること」と各サービスの概要
ねんきんネットでは、さまざまなサービスやコンテンツを提供しています。具体的にどのようなことができるのか確認してみましょう。
これまでの自身の年金加入記録
先ほど紹介したように、年金記録に漏れや誤りがないかを確認する際に役立つサービスです。国民年金については「これまでの加入月数」「各月の納付状況」「納付可能な月」などを確認することが可能。厚生年金においては、国民年金同様「加入月数」に加え、「資格取得・喪失年月日」や「勤め先の名称」「標準報酬月額・標準賞与額」などが記載されています。
自身が将来受け取ることのできる年金見込み額
国民年金・厚生年金保険・船員保険のいずれかに加入している人、もしくは加入していた人で、70歳未満の人を対象としたサービス。将来受け取ることのできる年金の見込み額を算出することが可能で、試算方法はさまざまです。具体的には、現在の職業を60歳まで続けた場合の「かんたん試算」、今後の職業や収入について回答する「質問形式で試算」、詳細な条件を自身で設定する「詳細な条件で試算」などの試算方法から選択することができます。また、年金受給が開始される年齢や、年齢ごとの年金の見込み額なども表やグラフで確認できます。
電子版ねんきん定期便の利用
年金に加入中の人を対象に毎年誕生月にはがきで郵送される「ねんきん定期便」を、自宅のパソコンで確認することができます。ダウンロードも可能なので、管理や保存もできるほか、紙媒体ではないためエコで環境にやさしい点も魅力です。
年金支払い通知書の確認
これまでに郵送された年金支払いに関する年金振込通知書や源泉徴収票など各種通知書を、自宅のパソコンから閲覧・ダウンロードすることができます。
追納可能月数や金額の確認
国民年金保険料の未納について、月数や金額を確認することができます。また、学生納付特例制度や納付猶予制度の適用を受けていた期間や、今後納付する月数や金額も確認可能です。
日本年金機構に提出する届出書の作成
日本年金機構に提出する届出書の一部をパソコンで作成・印刷することが可能です。
基礎年金番号や氏名などが自動表示されるほか、入力ミスもチェックされるため、スムーズに書類作成を行うことができます。
このようにねんきんネットでは、自身の年金に関するさまざまな情報をいつでも気軽にチェックすることができます。
ねんきんネットは、この利便性の高さが最大の魅力であり、多忙で窓口に問い合わせる時間がないという人にとってもありがたいサービスと言えるでしょう。
ねんきんネットに登録するには
ねんきんネットを使用するための手順についてご説明しましょう。
【手順1】基礎年金番号を用意
ねんきんネットを利用するためには、まず利用登録を行う必要があります。
登録の際には、メールアドレスのほか基礎年金番号も入力しなければいけないため、
登録時には手もとに年金手帳もしくは年金証書など、基礎年金番号を確認できるものを用意しておくようにしましょう。
また、2018年にねんきんネットとマイナポータルが接続されたことから、
マイナンバーカードを用いてねんきんネットにログインすることも可能となりました。
マイナポータルよりログインする際も初回接続時には、連携するための手続きのため基礎年金番号が必要となる場合があるようです。
【手順2】ユーザーIDを取得
ねんきんネットにアクセスし、新規登録画面に進むと、
「アクセスキー」を持っている人と持っていない人の案内が表示されます。
アクセスキーとは、ねんきんネットに登録するための17ケタの番号のユーザーIDのことです。この番号を使用して申し込むことで、即座にユーザーIDを取得できる仕組みとなっています。
番号はねんきん定期便に記載されていますが、アクセスキーがなくても新規登録は可能です。
あとは利用規約に目を通して、「同意する」をクリックすればID取得の手続きは完了。
アクセスキーがある場合は、登録したメールアドレスにIDの確認メールが届きます。
また、アクセスキーなしで登録した場合は、5日前後でパスワードとIDが自宅に郵送されます。
このユーザーIDは第三者に漏洩してしまうと、自信の年金記録をはじめ需要な個人情報も漏洩することとなってしまうため、他人に知られないよう厳重に保管するようにしましょう。
【手順3】ねんきんネットにログイン
IDとパスワードが発行されたら、実際にねんきんネットにログインしてみましょう。
ログイン画面にIDとパスワードを入力すると、自身のねんきんネットのマイページへとつながります。
年金も早いうちから保険で備える
加入期間や保険料の支払い状況によって、将来もらえる年金受給額には個人差がありますが、
厚生労働省が発表している「平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をひとつの指標としてみてみましょう。
この調査によると、老齢年金の受給権を持っている第1号被保険者の平均年金月額は、国民年金が55,518円、
厚生年金が144,903円であり、国民年金と厚生年金を合算すると20万円程度です。
しかし、公益財団法人生命保険文化センターが実施した意識調査によれば、
夫婦2人で老後の生活を送るうえで必要となる最低金額は月額で22万円程度という結果が示されています。
また、同調査ではゆとりのある老後生活を送ろうとすると平均34.9万円必要ともうたっています。
これらはあくまで平均値ではありますが、将来ケガや病気で入院したり、寝たきりとなって介護が必要となったりする可能性も否めません。
そうなると、この平均金額より上回るケースも大いに考えられます。
これに加え、現在日本では高齢化と少子化が進み、公的年金を維持するためには、将来の年金支給額を減らさなければいけないとも言われています。そのため、公的年金だけに頼るのではなく、いまのうちから将来に備えてしっかり資産を準備しておくことが大切です。
そこでいま対策のひとつとして注目されているのが、貯蓄型保険を利用した資産形成です。
貯蓄型保険にはいくつかのタイプがありますが、老後資金の貯蓄を目的としている場合には、定額個人年金保険で老後に備えることができます。
定額個人年金保険は、支払った保険料が積み立てられていき、決まった年齢になったときに年金として受け取れる仕組みのものです。加入時期に年金額も確定することができることから、将来設計しやすく老後資金の形成に適していると言えます。
また、個人年金保険以外にも、終身保険や投資信託、NISAなど資産を増やす手段はいくつかあります。
方法によってはリスクを負うものもありますが、“増やす”という点を重視したい場合は、個人年金保険以外で資産を形成するのも方法です。
老後の不安を解消させるためには、これらの資産形成の方法から自身に合った方法を選択することが重要です。
まずはねんきんネットで将来の年金受給見込み額を確認してみましょう。
そのうえで老後生活に不安を感じるようであれば、資産形成を検討してみるとよいかもしれません。
まとめ:ねんきんネットを活用して将来設計に役立てよう
ねんきんネットは、自身の年金に関する情報をいつでも確認できるという高い利便性を持ったサービスです。
これまで年金について関心のなかった人にとっても、興味を持つきっかけとなるかもしれませんね。
また、年金の受給額の見込みなどを知ることができれば、将来設計を立てることや老後生活の備えに対しての意識を高めることにもつながるでしょう。
ねんきんネットを使って、まずは年金の受給額をまずは確認してみてください。
もし老後の生活資金が不足していると感じたのなら、保険等の資産形成方法でいまからしっかり備える準備をし始めてみてはいかがでしょうか。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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