がん保険の選び方6つのポイント|年代によって選び方は変わる!
がん保険は、がんと診断された時の診断給付金や、がん治療目的の入院をした時の入院給付金などを支給してくれる保険です。
がんの治療にかかる金銭的負担をカバーしてくれるので、治療の際にはとても心強く有用性も高いため、加入を検討する方も多いでしょう。
そこで今回は、最適ながん保険の選び方と、年代によって気をつけるべきポイントについて詳しく解説していきます。
この記事は5分前後で読めます。
がん保険に迷っている方は、この記事を読めば「何に注目して保険商品を選べば良いのか」適切な選び方が分かるはずです。
がん保険の主な保障をおさらいしよう
がん保険には、保険商品によってさまざまな特約が用意されていたり、給付金額を幅広く設定することができたりするものがあります。
給付金や特約などのメリットを把握した上で、自分に必要なものを付加していくことが上手ながん保険の選び方と言えます。
がん保険の給付金の選び方
がん保険では、代表的な保障は6種類あります。
診断給付金
- 一般的に10万円~300万円ほどの範囲で設定することが可能
- 診断給付金の使い道は自由
- 入院の準備費用や見舞いにくる家族の交通費や自分の治療費などに活用できる
保険商品の中には、診断給付金を少額にして保険料を抑えているものもあります。
入院給付金
- 一般的に5,000円~2万円ほどの範囲で設定可能
- 給付金が支払われる日数の上限がない※
- 入院した日数分だけ給付金が支給される※
- 給付金の支払いが適用される最低日数も設けられていない※
- 入院1日目から給付金の支給対象となる※
※保険商品による
通院給付金
こちらも入院給付金と同様に、5,000円~1万円ほどの範囲で設定することができます。
保険商品によって条件が設けられているケースもありますが、基本的には通院による治療や入院後の通院が給付金支給の対象となります。
手術給付金
手術給付金は、1回ごとに所定の金額を受け取れる固定給付型と、手術の種類によって支給される金額が変わる変動給付型の2種類があります。
どちらの場合でも手術にかかる費用の一部が保障されることは変わらないため、選び方はご自身の希望に合わせれば良いでしょう。
放射線治療給付金
放射線治療を受けた月ごとに所定の給付金が支給されるケースもあれば、放射線治療1回ごとに支給されるケースもあります。
放射線治療とは、がんの治療の中でも非常に多く利用される治療法で、手術や抗がん剤・ホルモン剤治療とあわせて「三大治療」と呼ばれています。
がん保険の給付金としても、「三大治療給付金」といったように、3つまとめられている保険商品もあります。
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金
一般的に、抗がん剤・ホルモン剤治療を受けた月ごとに所定の金額が支給されるケースが多くみられます。
保険商品やプランによって、設定できる給付金の金額は異なります。
そのため、がん保険の選び方を検討する時には、自分がどのような保障を手厚くしたいのかをまず考えてみると良いでしょう。
がん保険の特約の選び方
次に、がん保険に付加することができる特約について紹介していきます。
がんの治療は長期化することも多く、治療費が高額になってしまうこともあります。
そのような場合に備えた特約も用意されているため、がん保険の選び方を考える際には必ず特約も検討することがおすすめです。
がん保険には、多くの場合、下記のような特約が用意されています。
先進医療特約
先進医療は、健康医療保険が適用されず、治療費を全額自己負担しなければいけません。
そのような場合に、先進医療特約を付加していれば、自己負担分をカバーしてくれます。
女性がん特約
子宮頸がんや乳がんなど、女性特有のがんと診断されたり、がんの治療目的の入院をしたりした場合、通常の診断給付金や入院給付金などに上乗せする形で所定の金額が支払われる特約です。
診断給付金複数回支払特約
ただし、一度目の支給から特定の日数が空いている必要がある等の条件が設定されていることもあります。
そのため、特約の選び方を検討する場合には支給の条件をしっかり確認しましょう。
特定保険料払込免除特約
がんの治療をしている期間は、保険料の支払いが厳しくなってしまう可能性があります。
そんなときに保険料の支払いが免除されれば、治療費にお金を回すことができたりするので、安心感は大きくなるかもしれません。
がん保険の選び方6つのポイント
診断給付金と入院給付金どちらを選ぶ?
- 診断給付金…がんと診断された時点でまとまった額の一時金が受け取れます。
- 入院給付金…一方、入院給付金は入院したとき、入院日数に応じて給付金が受け取れるという保障です。
入院給付金は入院後に受け取るのに対して、診断給付金は診断の時点で受け取れますので、これから始まる治療に対して先にお金が手に入り、何にでも使えるという使い勝手の良さが魅力です。
入院が非常に長引いた場合、無制限に受け取れる入院給付金があることがメリットになりますが、入院日数の短期化が進む現在は、入院費用も診断給付金でまかなうと考え、どちらかといえば診断給付金を重視すべきという意見を耳にします。
診断給付金は初回限定タイプと無制限タイプどちらを選ぶ?
がんは再発がありうる病気です。
そのリスクを考えると、初回に限定せず、複数回の診断給付金が受け取れるほうがありがたいと言えるでしょう。
ただし、診断給付金の複数回給付にはさまざまな条件があり、商品によって異なりますので、よく内容を理解しておきましょう。
- 前回の給付からの間隔の制限(2年に1回など)
- 2回目以降の給付の条件(入院が条件など)
- 上皮内がんの場合の扱い(上皮内がんは給付しない、給付額が半額など)
また、複数回給付がある商品は、他の条件が同じであれば、初回限定の商品に比べて保険料が高くなります。
がん先進医療特約は必要?不要?
先進医療は全額が自己負担になり、なかには数百万円から1000万円もの費用がかかるものもあります。
とはいえ、先進医療を受けなくてはならなくなるケースは非常にまれで、特に準備しなくてもいいという考え方もあります。
入院給付金や通院給付金は必要?不要?
がんによる入院日数は年々短期化する傾向にあり、長期入院になるケースは少なくなってきています。
そのため、入院給付金の重要度は下がってきており、近年、注目されているのが外来の治療費用を保障する通院給付金です。
外来の治療はほとんどが抗がん剤や放射線治療ですので、抗がん剤治療保障・放射線治療保障という形になっている商品もあります。
治療が長引くことを考えると、これらの保障は大変ありがたいものです。
医療保険+がん特約ではダメ?
ただし、がん特約と言ってもその内容はさまざまです。
がんと診断されたときに診断給付金が受け取れるというタイプもあれば、入院給付金に給付額を上乗せするもの、入院給付の限度日数を延長あるいは無制限化するものなども。
医療費の負担が大きくなるのはやはりがんであることが多いと考えるなら、がん以外の医療費については貯蓄でまかない、がんになって本当に困ったときのために保険を準備するという考え方もできます。
保険料負担を比べてみて、自分が重視するリスクは何か検討のうえ、判断すると良いでしょう。
定期タイプと終身タイプ、どちらを選ぶ?
がん保険には、定期タイプと終身タイプの2つの種類があります。
定期タイプのメリットとデメリット
では、まず定期タイプのメリットとデメリットを見ていきましょう。
- 保障期間が短く設定されているため、保障内容を見直すタイミングが定期的にくる
- 十分なお金が貯まるまでの間だけ比較的安価な保険料で保険を得られる
しかし、反面デメリットももちろんあります。
- 保障期間が切れると更新が必要になり、更新のたびに保険料が高額になっていく
若くして保険に加入していても、数年後にくる更新のたびに支払うべき保険料は高くなっていくため、先々のことをよく考慮して加入する必要性も出てくるでしょう。
終身タイプのメリットとデメリット
それでは、終身タイプのメリットとデメリットを見ていきましょう。
- 保険契約の更新がなく一定の保険料で保障が続く
- 長い間がん保険に加入する場合には、定期タイプを選ぶよりも保険料が安く済む場合がある
しかし、がんに限ったことではありませんが、医療というものは日に日に進歩を遂げています。
- 自らが見直しをしようとしない限り保障が一生涯続くので、現状の医療事情に寄り添えない可能性がある
このように、定期と終身ではそれぞれ長所と短所があるため、自分の状況や将来のライフプランに合わせて選び方を考えましょう。
がん保険を選ぶ際に注意すべき4点
がん保険の選び方のコツとして、メリットだけでなく注意点もきちんと把握しておくことも重要です。
注意点を知らなければ、がん保険に加入してから「こんなはずではなかった」と後悔することにもなりかねません。
がん保険に加入する際の注意点は、主に下記の4点があります。
- 死亡保障がない保険商品もある
- がん保険が無くても、健康保険制度で治療費をある程度カバーできる
- がん保険の免責期間について
- 給付金の対象にならないがんの種類がある
上記について、一つずつ見ていきましょう。
死亡保障がない保険商品もある
1つ目の注意点として、がん保険に死亡保障がついている保険はあまり無いという点が挙げられます。
死亡保障を希望の方は、がん保険ではなく、死亡保険を検討してみるのが良いでしょう。
健康保険制度で治療費をある程度カバーできる
2つ目の注意点として、がん保険が無くても国の健康保険制度である程度負担を抑えることが可能という点が挙げられます。
健康保険制度では、病院でかかる治療費の自己負担額が3割に抑えられます。(※年齢・収入によって自己負担額は異なります。)
また、ひと月の間で自己負担した金額が一定額を超えた場合には、「高額療養費制度」という制度によって超過した金額分を返金してもらえます。
そのため、ある程度の貯蓄があれば、わざわざがん保険に加入する必要がないケースがあることを覚えておきましょう。
がん保険の選び方を検討する前に、まず自分の貯蓄額などを確認して、本当にがん保険に入る必要があるのか考えてみると良いでしょう。
がん保険の免責期間について
そのため、がん保険に加入をしてから3ヵ月は、万が一のことがあっても給付金は支給されないことを覚えておきましょう。
給付金の対象とならないがんの種類とは
がんには、「悪性新生物」と「上皮内新生物」という2種類に分けられます。
- 悪性新生物…臓器の表面を覆っている上皮の最下層の膜を破壊し、下部の組織まで入り込み、血液やリンパ液に乗って他の臓器に転移する可能性があるもの
- 上皮内新生物…臓器の表面を覆っている上皮内に腫瘍細胞が留まり、最下層の膜を破壊していない状態
そのため、がん保険の選び方を考える時には、検討しているがん保険がどのようながんを保障対象としているかを確認しましょう。
年代によってがん保険の選び方は変わる!
がん保険に限らず、生命保険を選ぶときには年代は非常に重要です。
がんに関して言えば、がんにかかるリスクや貯蓄なども個人の状況が全く違います。
年代によるがん保険の選び方の違いを知るために、ここでは、20代と60代の違いを例にとって考えてみましょう。
20代の選び方
まず20代の選び方の場合ですが、がんに罹患するリスクがそもそもそこまで大きくありません。
国立がん研究センターによる2017年のデータによると、20~24歳の間でがん(全部位)に罹患する人(男女計)の割合は、人口10万人に対して24.5、25~29歳では43.2という低い割合になっています。
また、20代のうちは社会人として自立したばかりという人も多く、貯蓄はあまり多くない人も多いでしょう。
金銭的な事情やがん罹患リスクの低さを考えると、がん保険をかけるとしても必要最低限の保障で十分ではないでしょうか。
ただし、養う家族がいたり、子どもがいたりする場合には、万が一の場合の治療費負担はできるだけ抑えたい方もいるかと思います。
そのような場合には、家計に負担がかからない範囲で保障を手厚くすることがおすすめ。
また、がん罹患後の金銭的負担が大きくならないように「先進医療特約」や「特定保険料払込免除特約」は必ず付けておくことをおすすめします。
60代の選び方
次に、60代を考えてみましょう。
60代では、がん(全部位)の罹患リスクは非常に高く、60~64歳では人口10万人にして罹患率1048.7、65~69歳では1514.1と、20代と比較して4~5倍ほども罹患率が増加します。
そのため、がんに備える必要性は非常に高くなります。
しかし、60代の場合には、20代のころと比べて貯蓄が豊かになっている方も多いでしょう。
このような場合には、がん保険に加入しない、もしくは最低限の保障のみを備えたがん保険に加入し、保険料を抑える方法がおすすめです。
もし貯蓄に不安がある場合にはがん保険の保障を手厚くすることも考えるべきですが、60代では保険料が高額になってしまう可能性があります。
そのため、60代では保障内容と保険料のバランスをよく考えた選び方をすることが重要になります。
まとめ
今回はがん保険の選び方について説明してきましたが、いかがでしたか?
がん保険の選び方を考える際、多くの観点から選び方を検討する必要がありますが、何よりも自分の目的や状況に合った保険を選ぶことが第一です。
そのため、がん保険の選び方を考える時には、まず自分の生活について振り返ってみるところから始めましょう。
また、がん保険の選び方に迷った時には、保険代理店の営業マンなど、保険のプロに相談することも有効な手段。
保険の営業マンは、さまざまな保険商品について深い知識を持っているため、あなたに合った保険商品を紹介してくれるでしょう。
今回説明した内容だけでなく、保険のプロのアドバイスも参考にしながら、自分に合った保険の選び方を見つけてみて下さい。
保険商品のご検討にあたっては、「契約概要」「注意喚起情報」「ご契約のしおり」「約款」などを必ずご覧ください。
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