借金を返済できる見込みがない場合、ぜひ検討したいのが「自己破産」です。
しかし、ほとんどの人にとって自己破産は初めての経験。「何から手をつけたら良いか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、自己破産のやり方を1から紹介しています。
自己破産の期間や費用相場もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
自己破産するには2つの条件が必要
借金が全額免除になる自己破産ですが、誰でも自己破産できる訳ではありません。自己破産するには、2つの条件を満たしている必要があります。
ここでは、自己破産するのに必要な2つの条件を紹介しています。自分に自己破産の資格があるのかどうか確認してみてください。
1借金を返済できる見込みがない
自己破産できる条件1つめは、借金を返済できる見込みがないことです。
自己破産は借金救済制度の最終手段です。自己破産が成立すれば借金は0円になりますが、あくまで返済できる見込みがない場合に限ります。
- 収入
- 財産
- 借金総額
- 家系の内訳
など、裁判所がお金周りの情報をチェック。現実的に返済困難と認められれば、自己破産できます。
2借金の理由が正当であること
自己破産できる条件2つめは、借金の理由が正当であることです。
借金が「免責不許可事由」であると裁判所が判断した場合、自己破産は拒否されます。
- 私利私欲を満たす浪費行為
- 財産の隠蔽
- 詐欺行為 など
借金の理由が止むを得ないものでかつ、誠実な対応(財産の申請に嘘がないなど)をしていれば、基本的に免責許可がおります。
「偽名で借りたお金」「自己破産を前提とした返済意思のない借入」など、不誠実な理由があれば、自己破産は認められません。
免責不許可事由については、最終的に裁判所の判断となります。
自己破産申請のやり方
ここまで紹介した自己破産の条件を満たしている方も多かったのではないでしょうか。
次に気になるのが、自己破産申請のやり方です。
自己破産申請をするには、知っておきたい手順や準備する書類があります。自己破産申請のやり方を流れで解説していますので、参考にしてみてください。
- 弁護士に依頼する
- 自己破産申請に必要な書類を集める
- 申し立て書を作成する
- 裁判所に申し立てを行う
1弁護士に依頼する
自己破産申請をするには、まず弁護士に依頼しましょう。
自己破産申請は自分でもできますが、弁護士に依頼するのが一般的です。
その理由は?
自己破産を検討したら、一度弁護士の無料相談を受けるのがおすすめです。
自己破産の費用は決して安くありません。自己破産申請がうまくいくかは依頼する弁護士にかかっていますので、少しでも実績ある事務所を選びましょう。
2自己破産申請に必要な書類を集める
自己破産申請に必要な書類を集めます。自己破産申請に必要な書類は以下の通りです。
- 給与明細書
- 源泉徴収票
- 賃貸契約書
- 不動産登記簿謄本
- 退職金を証明する書面
- 車検証の写し
- 自動車(自動二輪)の査定書
- 保険証券の写し
- 保険解約返戻金証明書
- 年金等の受給証明書の写し
- 公的助成金(生活保護)
- 財産相続明細書
- クレジットカード(保有しているもの全部)
用意する書類は個々人の状況によっても変化します。基本的には依頼先の弁護士から必要な書類が伝えられます。
自己破産に必要な書類には取り寄せないといけないものも多いので、必要な書類がわかり次第、すぐ準備に取り掛かりましょう。
3申し立て書を作成する
用意した書類をもとに、破産申立書を作成します。
破産申立書とは
自己破産申立書では、以下のものが必要です。
- 破産申立書(自己破産申立人の基本情報が書かれたもの)
- 債権者一覧表
- 資産(財産)目録
- 陳述書(報告書)
- 添え付き資料
弁護士に依頼している場合、破産申立書は弁護士が作成してくれます。
4裁判所に申し立てを行う
必要な書類を全て揃えたら、裁判所に自己破産の申し立てをします。
また、申立書を提出すると裁判官による面接も行われます。面接の内容は、債務者の借金やお金についての質問が主です。
また、面接までの日程は、裁判所によって異なります。
自己破産申請後の流れ
自己破産は、申請しただけでは完了しません。申請後に裁判で免責許可が確定してようやく、自己破産手続きは完了となります。
自己破産申請後の流れは以下の通りです。
- 破産手続き開始
- 管財人面性
- 債権者集会
- 免責審尋
- 免責決定
それぞれ解説していますので、確認していきましょう。
1破産手続き開始
申し立ての内容に不備がなければ、破産手続き開始が決定します。
自己破産の手続きには「管財事件」「同時廃止事件」2つの種類があり、どちらに分類されるかも同時に分かります。
同時廃止事件 | 処分対象となる財産がない場合の手続き |
管財事件 | 処分対象となる財産がある場合の手続き |
同時廃止事件になった場合は「裁判官との面接日程」・管財事件になった場合は「破産管財人」が手続き開始と同時に決まります。
破産管財人とは
管財事件になると、破産管財人の人件費ぶんの予納金を裁判所に支払わなければなりません。手続き終了までの期間も長引きます。
2管財人面接(※管財事件の場合のみ)
管財事件になった場合、破産管財人による面接が行われます。
場所は破産管財人の事務所などで行われるのが一般的です。
質問に素直に答えていれば、大きな問題はありません。
3債権者集会(※管財事件の場合のみ)
管財人面接が終了して数ヶ月後に、債権者集会があります。
債権者集会とは
債権者集会で、債務者が自己破産することに対し、異議がなければ10分以下で債権者集会は終了します。
4免責審尋
免責審尋とは、裁判官との面談のことです。面談での質問を通し、最終的に免責を許可して良いのか裁判官が判断します。
5免責決定
これまでの流れで問題が無ければ、免責許可が決定します。
自己破産にかかる費用と期間
自己破産手続きを行う際、ぜひ確認しておきたいのが「費用」と「期間」です。
おおよその費用と期間が分かれば、格段に予算・予定が立てやすくなります。
そこで、自己破産にかかる費用と期間を紹介しています。それぞれ目を通してみてください。
自己破産にかかる費用
裁判所に支払う費用 | 同時廃止事件:20,000〜30,000円 管財事件:200,000〜500,000円 |
弁護士に支払う費用 | 同時廃止事件:250,000〜300,000円程度 管財事件:300,000〜800,000円程度 |
自己破産にかかる費用は、裁判所に納める費用と弁護士に支払う費用にわかれます。
裁判所に支払う費用では、同時廃止事件の費用相場は20,000〜30,000円程度。管財事件の費用相場は200,000〜500,000円程度です。
弁護士費用の相場は、250,000〜800,000円程度。
弁護士費用も同時廃止事件に比べて、管財事件の方が高くなっています。
自己破産を検討しているのであれば、まず弁護士に相談することが大切です。
自分が「同時廃止事件」「管財事件」どちらに該当するのか尋ねることからスタートしましょう。
自己破産の費用は決して安くありません。だからこそ、まず弁護士の無料相談を活用してみてください。
自己破産にかかる期間
同時廃止事件 | 4ヵ月〜6ヵ月 |
管財事件 | 5ヵ月〜1年3ヵ月 |
自己破産にかかる期間は、準備から免責確定まで約6ヵ月〜1年程度が平均です。
自己破産手続きは申請準備から確定まで長期間に渡って行われます。とくに管財事件の場合、終了まで1年を要することもあります。
そのため、自己破産をするには、早めの準備が大切です。1日でも早く動けば、いちはやく再出発できます。
相談することで、自己破産の疑問が晴れたり、ベストな選択肢が分かったりします。今後の予定にも見通しが立つので、スムーズに行動できます。
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まとめ
ここまで、自己破産のやり方を紹介してきました。
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