
借金の返済に困った場合、自己破産という手段があります。自己破産は、「財産をすべて失う」「生涯社会的な信用を失う」といったネガティブなイメージを抱くかもしれません。
しかし、自己破産には複数のメリットもあります。そして、手続きをする際は弁護士に依頼をするとスムーズです。
そこで今回は、自己破産を弁護士に依頼するメリットやデメリット、さらには弁護士の選び方などについて解説していきます。
目次
自己破産を弁護士に依頼するメリット
催促を止められる
弁護士に自己破産を依頼すると、受任通知が債権者に対して送付されます。その時点で、債権者は債務者に対して取り立てをストップしなければいけません。
返済を滞納していると、金融機関などから電話や郵送で返済の催促があります。
そのたびに、「会社や知人に連絡が入っていないか」「そのうち直接取り立てにやってくるのではないか」といった不安な気持ちが膨らみ、心労にも繋がりかねません。
必要書類の準備を補助してくれる
自己破産をするためには、さまざまな書類が必要となります。主な必要書類として以下が挙げられるためチェックしておきましょう。
- 自己破産申立書
- 給与明細
- 住民票
自己破産は借金を帳消しにする手段であることから、簡単に誰でも認められるものではありません。借金を帳消しにしても良いと認められるため、必要な書類も多岐に渡ります。
また、必要書類や必要記入事項の漏れも防げるため、再提出のリスクも減らせます。
債権者とのやり取りをしてくれる
自分がお金を返済できていない状況で、その相手である債権者とやり取りをするのは非常に体力的・メンタル的に負担がかかります。
また、債権者は借金を帳消しにされるというリスクから、個人の交渉には取り合ってくれない可能性も少なくありません。
交渉相手が弁護士になった途端、自己破産の交渉が進められたというパターンもあるため良い方向に進む期待が持てます。
自分での手続きと比較して免責を得られやすくなる
免責とは、借金を返済する責任から免れることで、認められるためにはさまざまな条件があります。
例えば、借金の原因が浪費やギャンブルの場合、お金を貸している側が不利にならないよう免責となる可能性は低いでしょう。
しかし、浪費やギャンブルが原因となる借金でなくても、自分で手続きをする場合は裁判所に免責を認められにくいかもしれません。
免責になるための話し合い・交渉を弁護士に任せることで、裁判所に認めてもらいやすくなります。
少額管財事件が利用できる可能性がある
管財事件とは債務者の資産を換金し、債権者に配当する自己破産の手続き方法です。少額管財事件にすることで、自己破産の手続きにおける費用を抑えられます。
通常自己破産は予納金として約50万円を支払わなければならず、この予納金が準備できていないと手続きを進められません。
また、少額管財事件には時間的なメリットもあります。通常の管財事件の場合、自己破産をするには半年~1年ほどの手続きが必要です。
しかし、少額管財事件にすることで手続きを簡略でき、自己破産の手続きを2ヶ月~3ヶ月程度に抑えられます。
自己破産を弁護士に依頼するデメリット
費用がかかる
当然ながら、弁護士の力を借りるためには費用が必要となります。弁護士によってさまざまですが、自己破産に必要な費用は30万円以上が相場と言えるでしょう。
借金額や自己破産のメリットを踏まえ、弁護士に依頼するかどうかを検討することが重要です。
手続きが完了するまで就けない職業がある
自己破産によって制限される資格があり、弁護士や公務員など一部の職業は、自己破産の手続開始から免責が許可されるまでの期間は就業できません。なお、この期間は数ヶ月はかかるとされています。
自己破産の手続きを開始してから免責が許可されるまでの期間は、資格が無く仕事に就けなくなるため、状況によっては解雇・退職になる可能性もゼロではないと言えるかもしれません。
借金を抱えたうえ職も失った状態は、金銭的・精神的に大きな負荷となります。自己破産の手続きをする前に、自分の職業が資格制限に該当していないかチェックしておきましょう。
金融事故は免れない
金融事故とは金融的なトラブルのことであり、自己破産も含まれます。金融事故を起こすと、信用情報機関に登録され「ブラックリスト」に載ってしまうのです。
ブラックリストに登録されると、5年~10年は情報は掲載され続けます。その間、さまざまな社会的ペナルティや制限があるため、日々の生活に大きな支障をきたしてしまうでしょう。
なお、ブラックリストに登録されることによる社会的なペナルティ・制限として、主に以下のような事例があります。
- クレジットカードの新規発行・更新が難しい
- 住宅ローンを組めない
- 新たな借り入れが原則できない
- 保証人になることができない
ブラックリストとして登録されると、クレジットカードの新規発行や更新は難しくなるでしょう。ブラックリストは各カード会社で共有されているため、1社だけでなく全社に影響します。
また、住宅ローンを組むことも厳しくなります。住宅ローンは「滞納せず完済できるか」を審査されるため、ブラックリストに載っているうちは、金融的な信頼は極めて低いです。
自己破産を弁護士に依頼した場合の費用相場
自己破産を弁護士に依頼するのは心強いことは理解できる一方、費用面を気にする人は少なくありません。なお、費用については依頼先や事件などで異なります。
- 同時廃止事件
- 管財事件
- 少額管財事件
同時廃止事件
借金額が多く、金銭に換金できる資産も持っておらず経済的困窮度が高い場合、手続き開始と同時に自己破産手続きも終了することで、期間は約3ヶ月となります。
管財事件
債務者の資産や財務状況を確認したあと、必要に応じて資産を換金するもので、管財事件の担当者への依頼費用は債務者に支払い義務があります。管財事件の手続き期間は約1年間です。
少額管財事件
費用を抑えらえれる管財事件で予納金を約20万円に抑えられますが、誰でも利用できるとは限りません。少額管財事件の手続きの期間は、約2ヶ月~5ヶ月となります。
一般的な依頼費用の相場
自己破産をするにあたって、一般的な依頼費用の相場は以下です。
事件の種類 | 費用 |
---|---|
同時廃止事件 | 約30万円~ |
管財事件 | 約80万円~ |
少額管財事件 | 約50万円~ |
なお、費用には着手金・成功報酬金などがあります。着手金とは、弁護士が事件に着手する際に支払われるものです。
成功報酬金とは自己破産が裁判所に認められた場合、弁護士に支払う費用となります。
法律事務所への依頼費用について
ここでは、東京ロータス法律事務所・ひばり法律事務所・アース法律事務所をピックアップし、自己破産の手続きにかかる費用を紹介します。
事務所名 | 依頼費用(税込) |
---|---|
東京ロータス法律事務所(※1) |
|
ひばり法律事務所(※2) |
|
アース法律事務所(※3) | 着手金:330,000円~ |
上記を目安として、各法律事務所に依頼する際は事前にチェックしておきましょう。
※1:東京ロータス法律事務所
※2:ひばり法律事務所
※3:アース法律事務所
自己破産に強い弁護士の選び方
自己破産の実績が豊富か
弁護士事務所によって、得意とする分野は異なります。自己破産に強いか否かは、公式サイトの情報をきちんと確認してください。
自己破産が得意分野と明記されている場合もありますが、弁護士の経歴・プロフィール・事務所の成り立ちからも自己破産の実績を判断できます。
自己破産の相談といっても、アドバイスから免責まで一任できるという対応まで、その対応範囲も多岐に渡ります。
費用は相場と近しいか
自己破産の費用は事務所や相談内容でさまざまですが、相場と近しいかが重要です。相場より極端に高いものは予算が足りず相談できないことになりかねません。
一方で、極端に費用が安い場合も注意してください。極端に費用が安いとベストな解決策を取ってもらえない、別途費用が発生し結局高額な費用を請求される可能性などが考えられます。
無料相談は可能か
弁護士と一言で表しても、自分と相性が良いか、親身に対応してくれるかなどは事務所によってさまざまです。これらの情報は、WEB上だけでは判断できません。
そのため、一度対面で話すことで見極めるためには、無料相談が有効です。無料相談を活用することで、複数の弁護士と話す機会を得やすくなり、自分にあった弁護士を選びやすくなります。
口コミ・評判は良いか
弁護士は、普段関わる機会が少ない相手です。そのため、自分だけで良しあしを判断することは簡単ではありません。そのような場合、口コミや評判で判断することは非常に有効です。
例えば、費用が相場より高いというイマイチな口コミが掲載されていても、その分親身に相談に乗ってくれるというメリットがあるかもしれません。
口コミや評判だけを鵜呑みにするのはよくありませんが、事務所選びの判断材料の一つとして役立てることができます。
自己破産を弁護士に依頼する前に準備すること
債務状況や債権者の整理をしておく
自己破産を弁護士に依頼する際に、自分の債務状況や債権者を伝える必要があります。
「どこのクレジットカードから借りているか」「今の収入がいくらで、これからの収入見込みはいくらか」などを整理しておくと、自己破産の手続きがスムーズに進められます。
また、弁護士の相談費用は時間によって決められている場合がほとんどです。決められた時間内で効果的な相談ができるよう、事前に確認できる情報は出来る限りまとめておきましょう。
収入・生活状況を見直す
自己破産の手続きには、時間や費用がかかります。仮に自己破産が成立し借金が帳消しになったとしても、収入や生活状況が改善されなければ借金を繰り返す可能性はゼロではありません。
また、安定した収入があると、自己破産が成立してブラックリスト入りをした後でもメリットがあります。
弁護士に依頼する前から収入や生活状況を見直すことは、長い目で見てもメリットがあるのです。
さらに、自己破産手続き後も分割にした弁護士費用などを支払っていく可能性を踏まえると、依頼前に収入や生活状況を見直しておく必要があります。
弁護士費用を用意しておく
弁護士費用は事務所によって前払い・分割払い・後払いなど異なります。分割や後払いでの支払いが可能でも、費用は事前に用意しましょう。
また、自己破産の手続きには弁護士費用だけでなく、予納金も必要となるため注意してください。
借金があるうえで弁護士費用を用意することは難しいかもしれません。そのため、費用はいくらかかるのかを正確に調べ、対応可能な支払い方ができるか確認しておくことが必須です。
自己破産を弁護士に依頼した際の流れ
自己破産を弁護士に依頼すると、以下のような流れになります。
- 依頼
- 弁護士が依頼内容に沿って自己破産の手続きを進める
- 解決
自己破産の手続きを弁護士に依頼する際、大抵は予約が必要となります。相談日までに債務状況や債権者の整理、弁護士費用の工面は済ませておきましょう。
ただし、「相談=依頼確定」という訳ではありません。相談はあくまでも弁護士選びのための手段です。
相談時間には限りがあるため、その弁護士に依頼して良いかを効果的に判断しやすいよう、事前に質問内容はまとめておくことをおすすめします。
弁護士に依頼したあとは、その後の金融機関などへの連絡は個人で行わず、逐一弁護士へ相談してください。
次に、弁護士が依頼内容に沿って自己破産の手続きを進めていきます。免責までを依頼している場合、弁護士が債権者や裁判所に交渉し、督促ストップ・書類作成・免責交渉を行ってくれます。
免責交渉がうまくいけば、無事に自己破産が成立するという流れです。
自己破産の弁護士費用を払えないときはどうする?
これまで自己破産を弁護士に依頼するメリットや費用相場、手続きの流れなどを解説してきましたが、弁護士への費用を用意するのが難しい人もいるかもしれません。
弁護士費用を用意できない時の対処法としては、主に以下のような手段があります。
- 無料相談を利用して少しでも費用を抑えられる弁護士事務所を探す
- 後払い・分割払いができないか相談する
- 法テラスを利用する
- 司法書士に依頼する
まずは、無料相談を利用しながら複数の弁護士事務所を比較して、少しでも費用を抑えられる事務所を探してみましょう。
弁護士費用を立て替えや無料の法律相談のサポート、弁護士を紹介してもらえる法テラスを利用するのも一つの手です。
ただし、無料相談や立て替え制度を利用するには法テラスが定める条件を満たす必要があるため、必ず事前にご確認ください。
また、司法書士に依頼する方法もあります。
なお、弁護士と司法書士とでは扱える業務範囲が異なります。司法書士には、裁判所での面接をはじめ対応できない業務があります。
よって、対応してもらえる範囲を確認したり、自分でも手続きを進められるかきちんと考えてから依頼を決めると良いでしょう。
【相談無料】債務整理におすすめな弁護士・司法書士事務所
1東京ロータス法律事務所

- 弁護士では珍しく何度でも相談無料
- 全国対応可能(土日も対応可能)
- 借金減額3万件以上の実績数
東京ロータス法律事務所は、土日・全国対応の弁護士事務所です。
借金問題や債務整理に関して、多くの実績があります。経験が豊富なぶん、ノウハウや知識も十分。一人ひとりの悩みを親身に聞き、適切な解決方法を提案します。
相談は何度でも無料。悩みがある方は一度、東京ロータス法律事務所の無料相談を利用してみるのがおすすめです。

所在地 | 〒110-0015 東京都台東区東上野1丁目13-2成田第二ビル2階 |
対象地域 | 全国どこでも可能 |
対応業務 | 債務整理、任意整理、過払い金請求、個人再生、自己破産など |
対応時間 | 平日:10:00〜20:00 土日:10:00〜19:00 |
任意整理
費用(税込) |
着手金:1件22,000円 報酬金:1件22,000円 減額報酬:11% 過払い金報酬:回収額の22% |
無料相談 | 可能 |
2ひばり(旧名村)法律事務所

- 女性専用相談窓口あり
- 匿名での相談可能
- 弁護士歴25年、年間1500件から2000件の債務整理相談実績
ひばり(旧名村)法律事務所は、債務整理を得意とする弁護士事務所です。
ひばり法律事務所の特徴は、女性専用の相談窓口を設けていること。経験豊富な弁護士が、女性目線で優しく対応してくれます。
相談も何度でも無料。全国からの依頼に対応しているので、地方在住者でも安心して利用できます。

所在地 | 〒130-0022 東京都墨田区江東橋4-22-4第一東永ビル6階 |
対象地域 | 全国どこでも可能 |
対応業務 | 債務整理、任意整理、過払い金請求、個人再生、自己破産など |
対応時間 | 平日:10:00〜18:00 |
任意整理
費用(税込) |
着手金:1社22,000円 報酬金:1社22,000円 減額報酬:11% |
無料相談 | 可能 |
3はたの法務事務所

- 相談は何度でも無料
- 着手金が0円
- 分割払いOK
- 全国出張無料
- 借金が1社からでも対応可能
はたの法務事務所は、東京と大阪に拠点を構える司法書士法人です。全国どこからの依頼にも対応しています。
はたの法務事務所の大きな特徴は、
- 着手金が0円
- 分割払いOK
- 過払い調査無料
相談も完全無料。借金や過払い金がある方に、とてもおすすめできる司法書士事務所です。

所在地 | 〒167-0051 杉並区荻窪5-16-12 荻窪NKビル5階 |
対象地域 | 全国どこでも可能 |
対応業務 | 債務整理、任意整理、個人再生、自己破産、過払い金返還請求など |
対応時間 | 無料相談ダイヤル:平日8時半~21時半、土日祝日8時半~21時 WEB相談受付時間:24時間365日 |
任意整理
費用※ |
着手金:0円 報酬金:1社20,000円〜 減額報酬:10% 過払金報酬:回収額の20% 10万円以下の場合は12.8%(別途1万円の計算費用が必要) |
無料相談 | 可能 |
4アース法律事務所

- 元裁判官の運営する弁護士事務所
- 全国対応可能
- 債務整理手続きをする上で制限のない弁護士事務所
アース法律事務所は、東京都港区に拠点を構える弁護士事務所です。全国からの依頼にも対応しています。
アース法律事務所の特徴は、元裁判官の弁護士が在籍していること。はじめから、弁護士が直接相談に乗ってくれます。
相談は初回無料。過払い金請求や任意整理の実績も、いうことありません。

所在地 | 〒105-0004 東京都港区新橋1-17-8TKK新橋ビル8階 |
対象地域 | 全国どこでも可能 |
対応業務 | 債務整理、任意整理、過払金返還請求、個人再生、自己破産など |
対応時間 | 10:00〜19:00(土日祝含む) |
任意整理
費用(税込) |
着手金:1社22,000円 報酬金:1社22,000円 減額報酬:11%相当額 |
無料相談 | 可能 |
5新大阪法務司法書士事務所

- 業界でも低水準※の料金設定
- 分割払い可能
- 着手金11,000円〜(税込)
新大阪法務司法書士事務所は、大阪に所在する司法書士事務所です。
借金問題に関しては、過払い金返還請求や任意整理・個人再生・自己破産に対応しており、相談内容から最善の解決策※を提案しています。また、業界でも低水準※のリーズナブルな料金も大きな魅力。
※公式サイトの文言によります。
料金は分割払い可能など、いま手元にお金のない人でも依頼しやすい司法書士事務所です。

所在地 | 〒533-0033 大阪府大阪市東淀川区東中島1-20-12-518 |
対象地域 | 全国どこでも可能 |
対応業務 | 過払い金返還請求、任意整理、個人再生、自己破産など |
対応時間 | 平日:9:00〜19:00 |
任意整理
費用(税込) |
着手金:11,000円~ 報酬金:11,000円~ 過払い基本報酬:33,000円 過払い成功報酬:過払額の22% ※訴訟の場合は過払額の27.5% |
無料相談 | 可能 |
6債務Lady

- 女性スタッフが対応
- 分割・事後払いOK
- 相談無料、フリーダイヤルで通話料0円
債務Ladyは、新大阪法務司法書士事務所が運営する、女性専門の借金に関する無料相談窓口です。
債務Ladyでは、借金相談に女性スタッフが無料で対応。過払い金返還請求・任意整理・自己破産・個人再生から、借金解決の方法を提案してくれます。

所在地 | 〒533-0033 大阪府大阪市東淀川区東中島1-20-12-518 |
対象地域 | 全国どこでも可能 |
対応業務 | 債務整理、任意整理、過払い金請求、個人再生、自己破産など |
対応時間 | 平日:9:00〜21:00 土:9:00〜12:00 |
任意整理
費用(税込) |
着手金:11,000円~ 報酬金:11,000円~ 過払い基本報酬:33,000円 過払い成功報酬:過払額の22% ※訴訟の場合は過払額の27.5% |
無料相談 | 可能 |
まとめ
この記事では、自己破産を弁護士に依頼するメリットやデメリット、さらには弁護士の選び方などについて解説しました。
弁護士に相談することで、催促を止められる・必要書類の準備を補助してくれる・債権者とのやり取りをしてくれるなどのメリットがあります。
一方で、費用がかかる・手続きが完了するまで就けない職業があるといったデメリットもあるため、事前に理解したうえで依頼をしましょう。